茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2285回「NHKニュースという、記者の能力の抑圧の構造」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２２８５回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

NHKのニュースを見る度に、何がダメなんだろうと考えているのだけれども、案外気づかないことがあって、昨日、ボリス・ジョンソンさんが英国の新しい首相になったというBBCのニュースをずっと聞いていて、ああ、そうか、NHKのニュースはイキイキしていないというか、自由闊達さがないんだと気づいた。

茂木健一郎 @kenichiromogi

NHKのニュースは、そもそも、アナウンサー（英国風に言えばNewsreader）がニュース原稿を読み上げる時間帯が長くて、だからこそお役所の発表みたいな印象が強まっているのだけれども、記者に投げたときも、記者の発言自体が、おそらくデスクとかに骨抜きにされた、印象の薄いどうでもいい言葉が多い。

茂木健一郎 @kenichiromogi

BBCのニュースは、記者たちが自由闊達というか、もちろんジャーナリズムとしての基本は貫いているんだけれども、ある事象（たとえば今回のボリス・ジョンソンの首相就任）について、多くの人がふつうに思いつくツッコミというか多角的分析をきちんと言うんだけど、NHKのニュースはそういうのがない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

感覚としては、BBCのニュースが、記者のジャーナリストとしての能力を自由闊達に１００％出しているのに、NHK のニュースは本来、取材現場や裏ではいろいろ言っているに違いないのに、それをわざと能力落として、切れ味をにぶらせて、３０％とか１０％の能力でコメントしているという印象なのである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ニュースを野球にたとえるとBBCのニュースが、アスリートとしてのジャーナリストが剛速球を投げたりすごく早い球を打ち返したりというようなスゴ技をずっと見ている感じなのに、NHKはわざとゆるい球をなげたり、ぼてぼてのゴロをミスしたりといったニュースの草野球を延々と見せられているような印象。

茂木健一郎 @kenichiromogi

レベル設定が低すぎるというのはニュースに限らず日本のテレビの共通した宿痾だけれども、NHKのニュースは、せっかく本来記者が持っている能力があるのに、それを自由闊達に使わせないでわざわざ陳腐でつまらないニュース原稿に落としているところが罪深く、視聴者もこんなもんだと思って日本人の劣化

茂木健一郎 @kenichiromogi

NHKのニュースをよくするのは難しくなくて、記者たちが、デスクやプロデューサーの意向を無視して、あるいはデスクやプロデューサーが型にはめるのを自らやめて、自分たちの潜在能力を思う存分発揮すればいい。記者ひとりひとりの能力は高い。それを発揮させないのが、NHKニュースという抑圧の構造だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２２８５回「NHKニュースという、記者の能力の抑圧の構造」をテーマに、７つのツイートをお届けしました。