若松英輔『考える教室』から(4) 第4章「信じる」ことについて――吉本隆明『共同幻想論』
#考える教室から 若松英輔(@yomutokaku)著『考える教室』第4章 「信じる」ことについて――吉本隆明『共同幻想論』
2019-07-25 15:37:26#考える教室から 信頼というのは、語られたことを鵜呑みにする、ということではありません。それは人格を尊重すると言い換えてもよいかもしれません。誤解を恐れずにいえば、個人の意見は信用できなくても、「人間」の声を信頼している。
2019-07-25 15:40:54#考える教室から 学びとは、自分が信頼する人からのみ受け取ることに終始するのではありません。これも学びの重要なレッスンです。
2019-07-25 15:42:26#考える教室から 国家は、私たちの生活よりもつねに小さく、しかも「社会から分離した概念」となっている、個々の生活こそが基盤であり、そのうえに国家という「幻想」がある、というのです。
2019-07-25 15:44:57#考える教室から この本(=『共同幻想論』。カッコ内引用者)を読む意味は、吉本の考えを取り入れ、それに従うことではありません。それと対峙し、真摯な対話を行うことです。
2019-07-25 15:47:10#考える教室から どこまでも問いを深めても解答に達し得ないことを彼(=吉本隆明。カッコ内引用者)は知っています。それでも問う。その態度は「無知の知」を生きたソクラテスと同じです。
2019-07-25 15:49:59#考える教室から この本(『共同幻想論』。カッコ内引用者)でもっとも大きな主題は、人間はなぜ、「幻想」にわが身を賭さねばならないのか、という問題であるように感じられます。
2019-07-25 15:52:41#考える教室から 彼(=吉本隆明。カッコ内引用者)が、どうにかして浮かび上がらせたいと願ったのは、正誤や善悪の判断ではありません。問うことこそ人間に与えられた使命だという厳粛な事実です。
2019-07-25 15:54:36#考える教室から 『共同幻想論』を「読む」とは、共同幻想、対幻想、自己幻想の概念をまとめることではありません。それは要約です。むしろ「読む」とは要約不可能な経験に出会うことです。
2019-07-25 15:56:44#考える教室から この本(=『共同幻想論』。カッコ内引用者)から私たちがもっともよく学ぶべきは、彼の言説ではありません。彼の哲学する態度です(略)自分が立つ場所の土台は作らねばなりません。他者がそれを代わりに行うことはできないのです。
2019-07-25 15:59:24