魔法のスター マジカルエミ感想録。

タイトル通り1985~86年に放映された「魔法のスター マジカルエミ」の感想です。 ぴえろ魔法少女シリーズ三作目にして、最大の異色作。 ラスト3話を見るために、それまでの35話を見るアニメといっても過言ではないです。 続きを読む
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テリー・ライス @terry_rice88

もちろんこれはきわめて単純な問題ではあるし、マジカラットの三人や将が努力に対しての成果を得ているのに対して、エミ(舞)は絶対的な理想であるために、その努力という概念がないために、その対価を得ても何も感慨がないことに気づいてしまう。ゆえに何かが抜け落ちた状態に陥った。

2019-04-04 13:35:21
テリー・ライス @terry_rice88

舞も少なからずそれには気付いているが、今回ではまだ自分の身にそのことを置き換えられていないから、エミリー賞の大賞を受賞しても心が抜け落ちているような気持ちにしかなれない。故に将や進・明・ユキ子が羨ましくなってしまう。その違和を感じて、以下次回に。サブタイトルがその点で秀逸な話数だ

2019-04-04 13:35:21
テリー・ライス @terry_rice88

最終章・破。マジカラットの解散。進・明・ユキ子の今後とともに舞がついにエミという仮面を取り払って、マジックに打ち込み、その面白さに気付くことで魔法を手放すまで描く。いや凄い。望月智充さんコンテ演出回。魔法のスター マジカルエミ 第37話 ためらいの季節 gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-04-04 15:22:19
テリー・ライス @terry_rice88

いやもう演出がキレキレなのに目を見張るしかないが、やはり舞が自発的にマジックという夢に打ち込み、努力をするという何事にも換えがたいきわめてシンプルな解に届くことを描いており、それこそ万物は流転するという事実を突きつけている一話でもあるのが凄まじい。

2019-04-04 15:22:19
テリー・ライス @terry_rice88

前回、季節外れに咲いていたスミレの花は枯れていたが、また新しい芽が芽吹いている。今回出てきた、エミリー・ハウエルのフィルム(傷などのウェザリング処理など作画がこだわってるのも凄い)もまた彼女のキャリアの始めもつたなさが残るものだったのが舞の核心に響いていく。

2019-04-04 15:22:19
テリー・ライス @terry_rice88

エミという「理想」は成長や年月といった時間の流れに対して隔絶しており、絶対的かつ全能さを纏っているけれど、「変化」はない。舞はエミリー・ハウエルの幼いころを見て、それに気付いてしまった。だからこそ努力を続けることで自分の出来るマジックが変化していく成長していくことに面白さを覚えた

2019-04-04 15:22:20
テリー・ライス @terry_rice88

エミという「理想」は成長や年月といった時間の流れに対して隔絶しており、絶対的かつ全能さを纏っているけれど、「変化」はない。舞はエミリー・ハウエルの幼いころを見て、それに気付いてしまった。だからこそ努力を続けることで自分の出来るマジックが変化していく成長していくことに面白さを覚えた

2019-04-04 15:22:20
テリー・ライス @terry_rice88

この辺りは将のボクシングに打ち込む姿と重なっていて、3話や9話、それこそ飛んで26話といった辺りのリフレインが今回のファーストカットの「あの」銀杏の木にも重なっていて、改めてそれに気付いた舞を賞が見守るという構図にもなっているのが、エピソードの積み重ねをとてもよく物語っているかと。

2019-04-04 15:24:26
テリー・ライス @terry_rice88

舞はマジックに打ち込むことに「面白さ」を見出した結果、マジカルエミでマジックを何でも出来てしまう楽しさがそれを上回ってしまった。ひとつ新しい技術を自分で身に付ける事の楽しさ・面白さを知ってしまった以上、エミ(=魔法)は必要なくなった。だから魔法を返す決意を決めて以下次回。

2019-04-04 15:24:55
テリー・ライス @terry_rice88

今までの思い出(積み重ね)がすべて最終3話に重なっていく丹念さは、今の短期決戦のTVアニメではもはや「失われてしまったもの」だろうけども、それでこそマジカルエミという作品を見る価値はいまだにあると思う。

2019-04-04 15:25:25
テリー・ライス @terry_rice88

最終章・急。一番最後に一番濃密な回がやってくるという多幸感と切なさがやばいなあ…38話を全部見ていないと、この喪失感と明日に向かって進んでいく感じは得られないかんがいだと思う。魔法のスター マジカルエミ 第38話 さよなら 夢色マジシャン gyao.yahoo.co.jp/player/00173/v…

2019-04-04 16:22:39
テリー・ライス @terry_rice88

濃厚な生活描写とそれぞれの行く末、そして作品の婉曲表現極まれりという感じで最終回であることや物語の「終わり」を指し示すかのように、マジカルエミの姿が幻のごとく消えていく。そういった非現実の存在としてプロデュースしてきた小金井さんの「マジカルエミは消えてしまった」という台詞は演劇的

2019-04-04 16:22:39
テリー・ライス @terry_rice88

そういった終焉の中で描かれる「未来」、例えば明やユキ子の渡米、あるいは進が渡米せず、舞の祖父母とマジック教室をやる事を決める所やそれこそ舞のマジックへ打ち込みといった描きが「万物流転」のサイクルに収まっていく辺りの輝かしさは何物にも換え難い。

2019-04-04 16:22:40
テリー・ライス @terry_rice88

「後悔するにしても自分で決めた後悔にしたい」という舞の言葉がやっぱり非常に重要で作品のファンタジックな要素である「魔法」を排除して、現実的なところへと立ち返っていくのもまたTVアニメにおけるひとつの成果ではあるんだろうけど、やっぱりぴえろ魔法少女シリーズの中では異色作でもあるか。

2019-04-04 16:22:40
テリー・ライス @terry_rice88

「魔法」で出来ることの限界やあるいは現実で得られる身につけることのへの快感の対比ともいうべきだろうか。成長するということには喜びと同じくらい悲しみや苦味を感じるけども、その先にある「変化した自分」を楽しむという辺りに帰結するのは、アニメや創作物における自由度を考えさせられもする。

2019-04-04 16:22:40
テリー・ライス @terry_rice88

その点で言えば非常に分水嶺な作品でもあるんだよな、想像力豊かな荒唐無稽さやファンタジックさと描写のリアリスティックさや細やかさの中でTVアニメで「何を捉え、何を描くのか」という所に心が砕かれ、ある一方に触れていったという過程がこの作品の中に詰め込まれているような。

2019-04-04 16:22:40
テリー・ライス @terry_rice88

しかしそういう過渡期の作品だからこそ、今見ると面白い箇所もあったりで興味深かったりもする。センス・オブ・ワンダーであるところの「魔法」の限界と丹念な生活描写や心理表現の出来る「技術」との拮抗みたいなところが翻って、舞のマジックに対する向き合い方にもなっているようにも。

2019-04-04 16:22:41
テリー・ライス @terry_rice88

舞は魔法を捨てて、マジックと向き合う事になったけど、それこそ「万物は流転する」わけで、この後、連綿と続いていくTVアニメの進化の一途を担った点でも面白い作品だったし、全38話を見ることで作品として完成されたとも思う。マラソン視聴でしたけど、満足感が高かったです。楽しかった。

2019-04-04 16:22:41
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