中編 )同窓会のお話( Ryo & Tadayoshi .)

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やんちゃる @Okt__75

( 🐻 ) 俺より、あの男を選んだ○○。許せなかった。俺は全てを捨てて○○を選んだのに。全ての始まりは俺。俺が悪いことも分かってる。『…ほんま腹立つ』無理矢理奪い返すか?それとも…そう考えた時に○○から香った匂いが俺とお揃いの香水だった事を思い出す。(まだ、俺の)#エイトで妄想

2019-04-07 15:46:16
やんちゃる @Okt__75

( 🍋 ) 「錦戸くん、起きて」俺を揺らすのは、服を着てもう大学に行く準備を済ませた○○ 錦「…もう、朝?」「うん」慣れた手つきで香水を手に取り首筋に擦り付けた○○を見つめているとその視線に気づいたのか「ごめん、この匂い嫌い?」錦「…いや、男物の匂いなんやなって」#エイトで妄想

2019-04-09 01:50:44
やんちゃる @Okt__75

( 👧🏻 ) 錦戸くんの言葉に、どくんと胸が鳴った。この香水は1年前から忠義くんとお揃いの香水。忠義くんに抱きしめられた時「この匂い好き」と言ったら同じやつを買ってくれて、無意識にずっと同じ香水を使っていた。錦「○○?」「…ごめん、先に出るね」#エイトで妄想

2019-04-09 17:03:19
やんちゃる @Okt__75

錦「は?ちょ、待てって」錦戸くんに手を掴まれて無理矢理抱き締められる。離して、と言っても離してくれなくて。錦「アイツと別れて」「錦戸くん、」錦「お願い、ちゃんとお別れしよ、その…」錦戸くんは少し顔を歪めて「忠義ってやつ、と」私は少しの間を空けて、小さく頷いた。#エイトで妄想

2019-04-09 17:03:19
やんちゃる @Okt__75

( 🐻 ) 怠い体を起こして、携帯を確認すると○○から【話がしたいです】とLINEが来ていた。きっと別れ話だろう。俺は○○と同じ香水を手に取り、いつもより少し多めにつけた。きっとあの男もいるはず。俺から香る匂いにあの男はどんな顔をするだろう。#エイトで妄想

2019-04-11 15:24:00
やんちゃる @Okt__75

( 🐻 ) 【了解、仕事終わったら家行く】そう送って、携帯の電源を落とした。仕事中いつもより香水の匂いが強い俺にデートですかと聞いてくる女達に心の中で舌打ちしながら笑顔で「関係あります?」と毒を吐く。○○に会いたくないと思うのは、初めてかもしれない。#エイトで妄想

2019-04-13 23:39:11
やんちゃる @Okt__75

( 🐻 ) 仕事が終わり、車に乗り込み携帯の電源を入れ【今終わった】それだけ送って俺は○○の家に車を走らせた。 着いて欲しくないという思いは虚しく、○○の家に着いてしまう。『…はぁ』重たい足取りで部屋の前に行きインターホンを鳴らせば「…はい」愛おしい子が顔を覗かせた。#エイトで妄想

2019-04-15 19:27:24
やんちゃる @Okt__75

( 👧🏻 ) 忠義くんをリビングに案内しようと扉に手をかけたら後ろから抱きしめられる。忠義くんからの香りが、今私がつけている香水と同じで。混じりあって、お互いの香りでいっぱいになる。 「…離して」『今だけ、お願い』忠義くんの泣きそうな声に、私は忠義くんを受け入れた。#エイトで妄想

2019-04-16 16:59:21
やんちゃる @Okt__75

『アイツと、どこまでしたん』「アイツって、錦戸くんのこと?」『…知らんけど、そう』「…忠義くんが、他の女の人とした事」『…』遠回しな言い方に分かったのか、忠義くんが私を抱く力を強くした。「忠義くん、」『ごめん、こんなこと言う資格ないけど』#エイトで妄想

2019-04-16 16:59:22
やんちゃる @Okt__75

『嫉妬、した』ずるい。ずるいよ忠義くん。「…今日で最後なのに」『…うん』「ちゃんと忠義くんと別れるって決めたのに」『…うん』「ずるいよ…」涙が止まらない私を、忠義くんはただ黙って私を抱き締めた。「…今まで、ありがとう」『…ん』「ごめんね」『…何で○○が謝るん』#エイトで妄想

2019-04-16 16:59:22
やんちゃる @Okt__75

忠義くんが私を離したから、振り向いたら忠義くんが泣きそうな顔で私を見下ろしていて。『俺こそ、ごめん』その言葉に私は首を振る。確かにあの時は傷ついたし怒っていたけど。「もう大丈夫だよ」『○○に甘えてた、ごめん』「忠義くん、」『ほんまにごめんっ…』彼の瞳から、涙が落ちた #エイトで妄想

2019-04-16 17:02:49
やんちゃる @Okt__75

忠義くんが泣いた姿を見るのは、初めてかもしれない。『幸せになり、俺が言えることやないけど』涙を拭い、無理に笑う忠義くんに止まったはずの涙が溢れそうになったけどグッと堪えて頷く。「忠義くんも、幸せになってね」『…最後まで優しいな、○○は』 #エイトで妄想

2019-04-20 12:31:36
やんちゃる @Okt__75

その言葉に、私は首を振って笑う。「幸せになっちゃいけない人なんか、いないから」忠義くんは小さく頷いて、『ありがとう、そしてごめん』「もうごめんは無し、私も酷いこと言ったからお互い様だよ」いつもするみたいに頭を撫でて、『…じゃあ、行くわ』私の部屋を出た。#エイトで妄想

2019-04-20 12:31:37
やんちゃる @Okt__75

( 🐻 ) ○○の部屋から出たら、また涙が出そうで。ほんま最後まで優しいんやから。でも俺は、そんなに優しくないから。優しくて物分かりの良い男は○○の前でしか演じられへんから。○○のマンションの下にいる俺を睨みあげとる男に俺は『○○をよろしく』と香りを残して車に乗った。#エイトで妄想

2019-04-20 12:31:38
やんちゃる @Okt__75

車を出した時に見えた、立ち尽くしてる“錦戸くん” CDを流せば、いつか○○を乗せた時に無理矢理入れられたCDの音源が車内に流れた。〈好きな人は悲しみの二乗 勝手に思ってた「ずっと一緒」〉 『…っ』○○を裏切ったのは俺なのに、ずっと一緒だと思ってた俺には痛いくらいに響いた歌詞。#エイトで妄想

2019-04-20 12:31:38
やんちゃる @Okt__75

( 👧🏻 ) 忠義くんが帰った後、直ぐにインターホンが鳴って出てみると錦戸くんが怒った顔をして立っていた。「錦戸くん?」錦戸くんを部屋に入れて、どうしたのと聞こうとした瞬間噛み付くようなキスをされて。「どうしたの?」錦「…香水、」「香水?」錦「同じ匂いした」#エイトで妄想

2019-04-21 20:40:07
やんちゃる @Okt__75

さっきまで怒った顔をしていたのに、泣きそうな顔で私を見つめる錦戸くんに胸がきゅん、と高鳴る。「忠義くんとお揃いの香水なの、ごめんね。もうつけないから」『…明日』明日?『新しい香水、買いに行こ。お揃いのやつ』錦戸くんが私の肩を掴んで言うから、その言葉に何回も頷く。#エイトで妄想

2019-04-21 20:40:10
やんちゃる @Okt__75

『それと』錦戸くんが私を抱きしめて、『…俺と、付き合ってください』「…はい」錦戸くんを抱き締め返したら『この匂い、ほんま嫌』言葉は反対に強くなる力。「錦戸くん、苦しい」『こうしてたら、俺の匂いになるやろ』拗ねたような口調に笑ったら『なんで笑うん』#エイトで妄想

2019-04-21 20:52:06
やんちゃる @Okt__75

「好きだな、って」『ほんまずるい…』「ねえ錦戸くん」『ん?』「幸せにしてくれる?」『…当たり前やろ』錦戸くんは誓うように私に優しくキスをした。ねえ忠義くん、最後の約束《幸せになり》ちゃんと守れるよ。だから忠義くんも私との約束守ってね end .

2019-04-21 20:52:07