福岡市美術館、劇場版Gのレコンギスタ先行上映富野由悠季トークイベントまとめ #Gレコ

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

0. という訳で宣言通り、福岡市美術館の劇場版Gレコ先行上映での富野監督トークイベント、内容レポツイートしてきます。新幹線の中なので回線切れたら途中で止まりますがご容赦。

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1. Gの閃光に乗せて登壇。客席からの「監督ーーーー！！」だかの叫び声を「狭い場所なのであまり騒がないように」と嗜める所からスタート。学芸員の山口氏との対談形式でトークは進む。

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2. 富野（以下「富」）：１８０人しか入らない所で１回しかやらないのは何故なんだ。そのくらい彼らにとっては自信のない作品ということなので怒り狂ってる。 学芸員山口（以下「山」）：展示に１つだけ欠けていたのが「最新作」。これで今日ようやく最後のピースが揃った。サンライズに感謝。

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3. 山：こういう自分の過去作品が展示されてる様を見てどう思うか？ 富：別に。 山：嬉しいでしょ？ 富：腹が立つ訳ではないけど、嬉しくはない。昨日天気の子が１００億行ったってニュースがあった。こっちは二ヶ月やって何人入ったかって話で、腹わた煮え繰り返るくらい落ち込んでいる。

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（「腹わた煮え繰り返るくらい落ち込んでいる」は実際にそう言ってた。日本語として全く正しく無いのに完璧に言いたい事が伝わるパワーワードに笑う）

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4. 山：今日の上映が入場数１８０人で応募総数が１９００通。凄いですよ。 富：じゃあ１０回やれよ！　できないのは他のイベントもあるからで、それを駆逐できないことが悔しい。

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5. 山：劇場版は心情描写が的確に追加されてて物凄く分かりやすくなってた。 富：Gレコで描かれているのは現在解決できてない問題。これを絵で描いてる。１５０年くらいかかる。今の子供に問題意識を与えたい。大人は改宗させることはできないから、子供達に伝わるように描かなくちゃいけなかった。

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6. 山：テレビ版を最初に見た時、正直どういうテーマのアニメか分からなかった。けど展示会で資料を並べながらそれを読み解いていく内に「社会と技術」というテーマが一貫して描かれてることが分かった。

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7. 富：そのつもりで描いてる。技術をこれ以上発達させられないのは人が増えすぎてるからで、大人は経済だ市場だを拡大させてく事を理想として言うけど、そんなんで２００年３００年保たない。

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8. ただこれをキャラクター達に劇中で言わせたらそれはプロパガンダ映画でしかない。絶対そういう事は言わせないように作った。

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9. 山：Gレコは劇中で色んな対立軸があって、それぞれの陣営がタブーに触ってるって内容。 富：人間が５０人１００人集まれば派閥ができて、これが問題。問題だから解決しなくちゃいけないのだけど、無理だよねというのがGのレコンギスタ。

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10. 人間社会は全然まとまらないけどこれって何なの？というのの原因を考えたいのだけど、それを直接語る訳にはいかない。今の８歳とか９歳の子に２０年後そういうことを考えて欲しくて作ったのがGレコ。

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11. 山：寓話とかおとぎ話は元々そういうもので、これが監督の言う「物語の力」なのかと思った 富：「現在のどこそこの話」として描いた時点でヘイトスピーチになっちゃう。だから絶対にそれはしない。それをせずに今１０歳とかの子供達に伝えることもアニメだからできるのかも知れないと思う。

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12. 山：展示を作る上で「知恵、技術の有り様」が１つの重要なテーマだった。その話を詳しく聞きたい。 富：例えばターンエーで「長生きするのが本当に良い事なのか」というのを描いたつもり。延命が不幸も生むかもしれないということを想像できてない医者や技術者が沢山いるのでは。

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13. 富野：それを現実の話として描いたら角が立つけど、それを描けるのがアニメであって、そしてそれが現実と地続きの問題なんだと受け取ってくれる子供達がいてくれるかも知れない。

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14. 山：小学生以下限定上映会とかしても良いかも。 富：そういう意味では不幸なのが今富野アニメは子供の見る物だと思われていない。そこを突破したい。ここ数年でファースト世代が５０歳を超えて、彼らが大人として発言してると胸が痛い。自分が全責任を感じる必要は無いのだけど僕繊細だから。

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15. 富：正直もうちょっとお爺ちゃんを素直に褒めてくれたって良いんじゃないかと思ってる。 山：もう今の時代なら率直に富野監督を褒めて良いだろうというのがこの展覧会の趣旨。２０年前だったら企画が通せてなかったんだから。

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16. 富：え、じゃあ僕これからなんだ。これから好きな映画作れるんだ 山：そうですよ。作ってください。 （会場拍手） 富野：ここでお前ら簡単に拍手してるけど、自分が十分若いことを分かれ。７０過ぎての体力の低下って本当にキツいんだよ。

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17. 山：２０年前に比べて好きに作れてるとは思うのか？ 富：正直好きに作れてる気分はない。展覧会の展示を見て「これだけの事をできたのか」と自分で驚くことが多いけど、それはスポンサーがいて会社があってスタッフがいて、だからできたこと。

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18. 商業主義に乗っかってその中で何とか好きにやろうと仕事してたから、自分の能力以上のことができたんじゃないか。これは若い人に言いたいのだけど、場に参加して場を利用すれば自分の能力以上のことができるかもしれないのだから、環境に恨み言を言うだけなのはやめてほしい。

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19. 富：時間制限があればその時間の中に喋りたいことを押し込もうと考える。それは制限なのだけど、それこそが場であって、場が無ければ何も発せられない。何の場の制限無く街頭で好き勝手喋れと言われて演説なんてできない。ただ一方で環境に順化してしまうのもつまらないことだとも理解して欲しい。

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20. 山：５部作というのは監督の発案？ 富：発案と言えば発案だけど、最初からの考えではない。テレビ版を改めて見返して酷いなと思って、それを本気で直そうと考えたら５部作になってた。

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21. 富：あと今環境が大きく変わった。劇場だけが見る場ではないことは皆の方が知ってる。今テレビでもスマホでも小さい画面でいくらでも見れる。その中で７つも８つもシリーズでやってる映画がある。そういう現代の環境なら５部作だってやれるはずだと思って環境を利用した。

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22. 5部作の件はサンライズに徹底的に抵抗された。「ガンダムでさえ３部作だったんだぞ」と言われるのだけど、４０年前と環境が変わってることを分かれよ。

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23. 環境の話で言えば、僕は昔の映画スタイルが結局しみついてて、映画館が毎回客入れ替えで上映してる環境しか知らない人の気持ちが分からない。映画の途中から見始めて次の回で見てない頭の方を見るみたいな見方をいくらでもしてた。