種火🎇〜特別編〜

イエロートマト🤗 @lJslNybA1DrpzYP

#源色トマト 種火🎇〜特別編1〜 今日はテレビ局で打ち合わせ いつもはラジオ中心の私の仕事 テレビ局は完全アウェイ ちょっと緊張して しかも次の仕事のため 普段ははかない タイトスカートにヒール 何時もと勝手の違う場所に きっと傍から見たら 挙動不審な私 [ちょっと困るよ…エキストラは向こう…]

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#源色トマト 種火🎇〜特別編2～ 「へ？」 [エキストラの方はあまりウロウロしないで！] 私の事？ 強引に連れていかれそうになった時 『その人俺んとこのスタッフです。新人なんですみません…』 聞きなれた声に振り向くと [そうでしたか、てっきり…ごめんね ] そそくさと去っていく 「星野さん…」

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#源色トマト 種火🎇〜特別編3～ 『そんな格好初めて見たから誰かと思ったら』 口を抑えて笑いを我慢してる… 「ちょっとコレはこの後の…」 『いいよ。とっても素敵！』 「あっ時間…ありがとうございました」 打ち合わせの時間を思い出し 恥ずかしい！ 早くこの場を立ち去りたい 『コレ、はい！』

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#源色トマト 種火🎇〜特別編4～ 渡されたのは 急いで書いたメモには数字と 今日、何時でもいいから仕事終わったら電話下さい 源 の文字 コレは仕事？プライベート？ メモ紙が汗で湿ってしまう どうしょう ダメダメ 今は仕事、仕事… と思っても 星野さんとの事を考えてしまう

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#源色トマト 種火🎇〜特別編5〜 何とかテレビ局での打ち合わせも その後の仕事も終わった ふぅ〜 ボイスレコーダーと ふわっふわのメモで 何とかなるのか 時計を見たら23時 戻ってきた 本拠地のいつものラジオ局 星野さんは仕事終わってるの？ なんなら私にこのメモ渡したことも 忘れていて欲しい

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#源色トマト 種火🎇〜特別編6～ 社交辞令だったかも… でも、もし待っていたら… あ〜私はどうしたらいいのー みくりさんのように 教えておじいさーんと 叫びたいくらい… とりあえず 電話しなくちゃ 会うとか会わないじゃなくて 用事を聞かないと… 息を止め 数字を押す指がﾄﾞｸﾄﾞｸしてる

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#源色トマト 種火🎇〜特別編7〜 スマホの受話器アイコンを タップした時 〔いやぁ、お疲れちゃん。彼氏に電話？いいねぇ〜今度会わせてよ！〕 このタイミングでこの人… 「お疲れ様です」 慌てて通話を切る せっかく思い切って電話したのに… なんか拍子抜けしてしまった 黒くなった画面に深いため息

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#源色トマト 種火🎇〜特別編8〜 １回消えてしまった勇気は もう一度灯すために 更なる気合いが必要になる さっきの勢いを無くした今 ただただいつも待つ場所で 風に吹かれていた… 曜日も違い いつも待つ人は 来るはずもないのに その人を想いながら… 『やっぱり……ここにいた！』

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#源色トマト 種火🎇〜特別編9～ 「ほ、星野さん👀!どうしてここが？」 とっても驚いた私に 余裕な笑顔 その顔は いつもの仕事の合間の顔とは 少し違ってて でもその顔に ふと自分の心が溶けた感覚がして… 『さっき、電話くれた時の切れる間際の声…お疲れちゃん!?』 「そこまで聞こえてましたか…」

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#源色トマト 種火🎇〜特別編10～ 『だからここかなと思って…まだここにいるのかは分からなかったけど。会いたかったし、電話くれた事が嬉しくて』 『さっきテレビ局で会った時、いつもここで会うあなたじゃない事に…なんだかモヤモヤして、この場所じゃない他のあなたも知りたくなって…』

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#源色トマト 種火🎇〜特別編11〜 「では、電話欲しいのはお仕事の話…ではなさそうですね」 『はい、完全プライベートの話です』 余裕のある顔してたのに あの顔の奥にそんな思いを持っててくれるなんて… 『俺じゃダメかな？』 「最近忙しいですものね。今日はお付き合いしますよ。どこに行きます？」

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#源色トマト 種火🎇〜特別編12〜 『ねぇ…』 フェンスに並ぶ 私の肩を引き寄せ向き合う 恥ずかしくて うつむく顔を押し上げる 彼の顔は笑ってなくて 『誰が今日だけって？』 『俺はずっとあなたがいい。何曜日でも…何時でも…どこでも…』 『返事は？』 「はい」 気付くと あなたの香りに包まれていた

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#源色トマト 種火🎇〜特別編13〜 『はい！じゃあ行くよ』 そう言って手を取り急ぐ星野さんにうながされるまま歩き出す 「行くよって…？」 『だって今日は付き合ってくれるんでしょ？』 「は、はい…」 そう言うと 局の前に止めてあったタクシーに私を促し 後から自分も乗り込んで 『お願いします』

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#源色トマト 種火🎇〜特別編14〜 着いたのは…コンビニ？ 『ありがとうございました』 運転手さんにも丁寧に挨拶をして 降りる 『俺の行きつけ。あなたがコーヒー以外なに好きかも知らないから俺、ウチに何も用意してなくて…』 「星野さんの部屋!!」 『シーっ』 そう言うと 店の中に行ってしまった

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#源色トマト 種火🎇〜特別編15〜 店から出たところで 星野さんのスマホがなる 着信を見て 少しくもった顔… 「私はいいですよ。出て下さい」 と言うと 『ごめんね、すぐ終わるから…』 と少し離れ 自分も仕事メールしか来てない スマホをいじる でも ちょっとだけ 星野さんの相手が気になりながら…

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#源色トマト 種火🎇〜特別編16〜 電話を終え戻ってきて 『ごめん。行こうか』 ほんの短い電話 でも、着信見た時の困った顔が… 「私…やっぱり…」 『え〜、ウチもうすぐだし、少しの時間でいいから。帰りは送るし』 そうだよね 私、何か勘違いしてた 部屋に行くからって… 恥ずかしい

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#源色トマト 種火🎇〜特別編17〜 その後、黙ってついて行く 帰るなんて言ったから 星野さんの手は 私をしっかり握ってて その手の触れてる部分だけが やけに熱い 程なくタワーマンションの前で 星野さんの足が止まる 『なんでお前ここにいんの？さっきの電話…』 お前という呼び方… さっきの電話…

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#源色トマト 種火🎇〜特別編18〜 星野さんが話しかけているのに 言われているその人は 私を凝視 値踏みされているようで 鳥肌が立つ 星野さんが困っている… やっぱり私と星野さん これ以上進まない方が… 「星野さん、今日はお疲れ様でした。では、また」 星野さんとの手を離し 元来た道を引き返す

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#源色トマト 種火🎇〜特別編19〜 私は何を期待していたのか 憧れてた星野さんとお近付きに なれただけでも充分で 優しい星野さんは友達として部屋に 誘ってくれて… ……………………… 何故だろう涙が… その後どうやって 自分の部屋まで帰って来たのか… 気付くと部屋のバスタブで 踞て泣いていた

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#源色トマト 種火🎇〜特別編20〜fin. 何度もバイブするスマホ でも今は こんな自分では なんて言っていいのか… 何を言ってしまうのか… ごめんなさい星野さん… 時々なるバイブに心が痛み 枕の下に押し込む 寂しくていつもは飾っておく 大きいクマちゃんを抱きしめて 寝てしまおう 〜本編へ〜