クLイ・フォ一サイト変態外道テロリスト五番勝負

ぷろめめ腐(?)向けモブがいっぱい出てきてモブの独壇場になる謎ツイート群 全年齢腐向け変態サイコサスペンス与太話2次創作
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めでたし @astrohermes

二人でアッ……って眺めてると火口からむくむく真っ黒な煙と明らかにヤバイ匂いのガスが吹き出してきて、鼓膜が破けそうなほどの轟音で火山が噴火する ウワーッ!?って二人で全力疾走で逃げながら、アレはコアまで到達したのか!?って聞くと掠っただけです!ここが噴火する程度です!!って叫び合う

2019-09-25 23:32:38
めでたし @astrohermes

で必死こいて逃げながら「貴様あそこまで達観したことを言いながら生き汚いな……」ってくれほが言うと「罪も罰も人の道理ですからね。私には関係ないことです。何人殺そうと私は生きますよ」としれっと言うので、くれほが人のこと言えないとは思いつつゾワ……ってする

2019-09-25 23:35:17
めでたし @astrohermes

でも走ってる最中にガスが充満してきて、くれほが毒ガスか……と言いつつ咳き込むと、「どうぞ」ってマスクを渡して変な優しさを見せてくる お前の分は?と聞いても「私は大丈夫ですよ」と言う でも二人で走ったり隠れたりしながら追っかけてくる煙と溶岩から逃げていると、だんだん体力が尽きてくる

2019-09-25 23:39:38
めでたし @astrohermes

それであと少しでくれほの車にたどり着きそうだという頃、不意にワイズマンが立ち止まって「……今女の子の声が聞こえませんでしたか?」って言うのね 疲れ切ってふらつく男はキョトンとしていて、しかしくれほの耳には火の爆ぜるぱちぱちという音しか聞こえない ワイズマンはもう一度耳をすませて、

2019-09-25 23:42:43
めでたし @astrohermes

すこし淀んだ目で「娘の声がします」って嬉しそうに言う くれほはハァ?と思って周囲を見るけど、火口の立てる地鳴りの音とパチパチと高い音だけが響いている 男は迫り来る黒い煙の方を見て、「やぁ、妻もいますよ」と掠れた声で言うので、ハッとしてこの男がずっとガスを吸い続けていた事に気がつく

2019-09-25 23:46:48
めでたし @astrohermes

だから片腕で手を掴んで「幻覚だ。落ち着きなさい」って言うんだけど、ワイズマンが本当に嬉しそうに「すみません、あなたをあんなに口説いたあとですが、やっぱり妻と娘は大事にしなくちゃ」って言って、「おーい」って黒煙に手を振るんですね

2019-09-25 23:49:42
めでたし @astrohermes

「ほら、かわいい娘でしょう。まだ三歳になったばかりなんです。あんなに手を振って」ってちゃんと愛おしげに言う男の手を力一杯掴んでいるはずなのに、疲れきった腕に力が入らなくて、男はするする火口へと向かっていく 「久しぶりだなぁ、久しぶりだなぁ。挨拶してきます。すぐに戻りますから」って

2019-09-25 23:55:18
めでたし @astrohermes

火口の方に嬉しそうに手を振りながら、煙の中に姿を消していく 最後にくれほは「おーい」って煙の中で呼ぶ男の声を聞いて、それから何も聞こえなくなったので、振り向いて山を降りていき、車までたどり着く

2019-09-25 23:59:44
めでたし @astrohermes

疲労困憊で息も苦しく、車に乗り込もうとしても足が上がらず、その場でうずくまっていると、おーいって手を振る誰かの影が見えるので、ああ、って思うと、青い髪の青年がわたわた駆け寄って来ていて、

2019-09-26 00:03:27

エピローグ

数ヶ月後の事である。

度重なる事件と長時間にわたる脱獄の結果、クLイの待遇は若干悪化していた。……というよりは、以前の待遇がおかしかったのだとクLイは考える。
この街は自分が挫折した時、クLイ・フォ一サイトの街ではなくなったのだ。
それを今更自分が口出しし、囚人の身でありながら優雅に茶をすすり、暇そうな刑務官と言葉を交わした日々の方がどうかしていたのだ。
新たに配属された看守が何事か言い、独房の中にトレイで2通の手紙が差し込まれる。
見ると1通は民間電気会社の会長から送られてきたものだった。
あの変態かと眉間を揉みながら封を開くと、事件後の事と近況報告が簡易に書かれていた。
要約すると、彼は執行猶予付きの処分となり、現在は会社経営から完全に退陣し、別居中だった年若い妻との同居を再開したらしい。果たして自分のような者に彼女と共にいる資格があるのだろうかなどと中年男の臆病な心境が綴られていたが、心底どうでもいい。
だが最後に「あの男の件について調べておいた。資料は別途手紙で送る」と記されており、もう1通の手紙へと目を向けた。
簡素な茶封筒の中身は、何枚かのレポートに分かれていた。目を通し、眉を顰める。
「やはりか」
送られた資料はワイズマンの経歴に関するものだった。
資料によると、武器商人ワイズマンという男は、この世には存在しない、という事だった。
正確に言えばジョン・ワイズマンという名の武器工廠を営む男は20年ほど前に死亡しており、ここ数年はその身内の存在も確認されていない。
さらに言えば収容施設には彼の妻と思しき人物の死亡履歴も無く、そもそも収容したという記録さえ残っていなかった。火口で男から過去の告白を受けた時も引っかかっていた。果たして、そんな人物いただろうか、と。
クLイにとってバ一ニッシュは希少な燃料資源であったが、その一方で管理は部下たちに任せている部分もあった。例えば大佐の管理をすり抜け、研究施設のスタッフが個人的に実験材料を収集し廃棄に至った、という可能性が無いわけではない。だが、自分の部下達がそんなことをするだろうか。
いずれにせよ、この街の権力者で無くなった自分にはこれ以上知る由も無い。資料には最後に、ワイズマンの工廠に訪れた際の記録が書かれている。
海沿いに建てられていたという工廠は最近まで稼働していた跡があるらしく、あの男がそこを根城にしていたことは間違いないだろうとある。
また、建物の裏手にある海に面した崖には、ワイズマンの名字を持った母娘二つの墓があった、と。
手紙は『私にはその墓を暴く気概はなかった。君もそうでないことを祈る』と結ばれていた。

そこまで目を通し、クLイは地名しか聞いた事のないその海沿いの崖上の、潮の匂いを嗅いだような気がした。

その時、看守が「面会だ」と声をかけた。
今日は木曜日だ。
誰が来るかはわかっている。
クLイは腰をあげ、面会室で待っている人間の元へと歩き出した。

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