『Twitter小説大賞』一次選考通過作品まとめ

@netabareOK

発表されたツイッター小説大賞一次選考通過作品のうち、トゥギャり可能なものについてまとめました.末尾はまとめ人のつぶやきです。気にしないでください。

@netabareOK

まとめました理由ですが，「多くの人の目に、『ツイッター小説（twnovel）』が読まれて欲しい」「これらの素敵な作品をきっかけに、新たに140字の小説に挑戦する人が増えて欲しい」「やっぱりアイコンが隣にないと寂しい」といった理由からです．

@netabareOK

また，ディスカバリーの発表ページや，このまとめを通して，「ツイッター小説、そしてツイッターそのもの」へ興味を持つ人が増えたらいいと思います．さぁ，素敵だと思った作品をふぁぼりましょう！　フォローしましょう！　もしかしたら，大賞作品とは多くの人にふぁぼられた作品かもしれませんね．

ネタバレ総受け @netabareOK

＝＝＝閑話休題＝＝＝

@netabareOK

「『Twitter小説大賞』応募作を公開しませんか！（応募作品募集中）」をトゥギャりました。http://togetter.com/li/14135

ネタバレ総受け @netabareOK

＝＝＝閑話休題＝＝＝

TAG @bttftag

#twnovel 浦島太郎は浜で子供たちに虐められていた亀を助けました。亀にとても感謝された浦島は、亀に竜宮城へと導かれ、海に入っていったそうです。そうですか。あれからもう30年も経ちますか。ええ、未だに戻りません。しかし、彼は正しいことをしたのです。それだけは間違いありません。

かわうそ @kawauso0815

#twnovel 技術の進歩は、料理名を入力すると全自動で調理してくれるという画期的な調理器を生んだ。古今東西の有名シェフのレシピも再現可能だ。ただ一つ入力してはいけない単語があるらしい。それは「おふくろの味」。これを入力すると、なぜか全てコンビニ弁当の味になってしまうそうだ。

@wakegiorino

#twnovel 仕事がねえ。飯食う金もねえ。友だちがガムをくれた。腹の足しにもならねえが、とりあえずくちゃくちゃ噛んだ。とことん味がなくなるまで噛んで、ぷっ、と吹き出したら、仏様の形をしていた。もう一度試すと､千手観音になった。そうやってガム仏師になったのよ、俺。ほんとほんと。

かわうそ @kawauso0815

#twnovel 友人の数学者は「世の中の全てのことは数字で表せる」が口癖だった。私がフラれた時、小難しい方程式を書いてなぜ私がフラれたかを解説してくれた。「それより私がフラれない相手を探す方程式を教えてくれよ」「いくらなんでも不可能を可能にする方程式なんてないよ」真顔で言うな。

simmmonnnn @simmmonnnn

#twnovel 寝たまま死を待つ男は妻に頼む。お前の好きなアロマとやらをやりたい。妻は少し喜び、道具を用意し毎日オイルを補充した。だが、男はそれを焚くことはなかった。男は深夜1人それを飲み続けた。味覚などとうにない。翌年、男は死んだ。火葬場を包んだ香りは、妻以外の参列者も癒した

市川烏賊蔵(初代) @umix147

#twnovel 天使は多摩川の土手に座ってる。いつもと変わらないきらきらとした川面、さやさやとそよぐ黄金色のすすき、彼方には夕日に染まる薔薇色の富士山。何も変わらない穏やかな夕べ。人類が死滅した以外は…「誰も止められなかった。止められなかった」天使は歌いながら天上へ飛び立った。

@hazuki08

我が肺は二個である。名前はまだない。何でも薄暗いところでたまに変な煙が入ってくるからニャーニャー鳴きたくなる。ご主人様は煙草を吸うらしい。我が肺を愛しく思うならばやめてもらいたいものだ。胃はおいしいものが食べられるのになんとも理不尽なものである。 #twnovel

Teruyoshi Arikawa @arikawa_t

#twnovel 「さようなら」と言った後、振り向いたら負けだと思った。電車を待つ駅のホームで携帯から君を消した。流れる街の灯を目で追いながら、窓越しに写る情けない顔。もう一度、携帯を開け、未練がましく君の痕跡を探す。消し忘れの送信履歴に気分が少しつながった。

yosirabi @yosirabi

#twnovel 小学生の時に埋めたタイムカプセル。記念の写真に写っているあどけない顔。この中に私はいない。遠くで暮らしていた父が死んでこの日は欠席したのだ。そしてあの惨事が起こった。写真の子たちは年をとらない。私だけが年をとった。５０年後、たった１人で開けたタイムカプセル。

束紗。 @madoromin

#twnovel 「空のから呼ぶ声がする。」立ち止まって、空を見上げた妹が微笑んだ。空には大きな赤い月が昇り始めている。かぐや姫のように満月の夜、空へと昇って行きそうな妹の手を、ぎゅっと握り河原の道を歩いていた。満月の赤い目に追いかけられて、家路へと駆けだした夏の夕暮れ。

@wakegiorino

#twnovel 深夜、軽トラックは国道から細い脇道に入り、1時間ほど走って止まった。男が降りてきて荷台からスコップを取り出し、穴を掘る。ざくり、ざくり。ざくり、ざくり。突然、豪雨が襲った。穴の中の男は滑って穴から出られない。雨に打たれ、息を吹き返した荷台の女は、土を戻し始めた。

藍　真史 @shin1960

#twnovel 俺は単身赴任中。久し振りに帰省した。妻との夕食。新鮮だ。中二の娘はクラブの合宿だとか。娘の顔を見ることなく、また赴任先に。次に帰省したときは、娘は友人と旅行に。そんなことが重なり、かれこれ一年ほど娘に会っていない。夢を見た。妻の手が、血にまみれている。

Gabb-- @itisnot

雨濡れで帰ってきた僕。姉は僕に乾燥ワカメをふりかけた。「じっとしてて」みるみるうちに、肌から余計な水分がとれていく。数分経ってワカメが払い落とされ、姉がにこりと笑う。僕もつられて笑う。塩まみれの肌に、ワカメじゃとれない服の水分、姉。全てが気持ち悪かったけど。 #twnovel

ぐるぐる @hitoriguruguru

「お前に、一年後に死ぬ呪いをかけてやった。この呪いは絶対回避できない」そう言って魔神が嗤う。「あ、ありがとうございます！」男は泣いて喜んだ。「医者に、余命一週間と言われていたので……」 #twnovel

ぽりぷろぴれん。 @kokuhyou

#twnovel 夜に迫害される夕焼けの空。地平線の向こう側の故郷へ腫れぼったい太陽が堕ちていく。親も友も置き去って不条理な刃から逃げ出した罪深き日を、ぼくはあと何度思い出すのだろう。涙に濡れた叫びは海に溶けて遥かなる陸に届けども、聞く人はなし。今宵も闇は更けゆく。

六葉時計 @black6leaf

電車のことを「トクトク」と呼んでいた。走る音がそう聞こえたから。血の流れる音も「トクトク」と聞こえる。血は命の電車。終着駅に辿りつき、停車したとき、命も終着を迎える。数年後に他界する祖父の背中を見つめながら、幼い僕は踏切が開くのを待っていた。トクトク、トクトク。 #twnovel

TAG @bttftag

町の小さな郵便局に今週も彼女は現れた。局員たちに水曜日さんと呼ばれる彼女が今日差し出した手紙にはしかし宛名がない。「これじゃ届きませんよ」苦笑しながら顔を上げた彼の目に映ったのは、うつむき加減できゅっと口元を引き結び、真っ直ぐに彼を見つめる真摯な瞳だった。 #twnovel

倉下 忠憲 @rashita2

「さしあたっての問題は自分が何をしているのか分からないってことだな」僕はつぶやいた。目の前に鎮座する２１インチのディスプレイはさも当然のように何も言わない。「結局、答えは自分の中にあるってことか？」僕の問いかけに対してもディスプレイは無言のまま。いつだって人生はそんなものなんだ。

@tagnovel

#twnovel 滅亡を悟った地球人類は、叡智を記し残す図書を集め、これを外宇宙に打ち上げた。間もなく地球人類は滅亡したが、宇宙を漂う図書館船はおよそ一億年の時をかけて、奇跡的に地球帰還軌道へと乗る。地球に新たに生まれ始めた生命と、旧世界の図書館船が再び巡り会うまで、あと四万年。