創作文 29

まとめ
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晴れ時々雨 @rio11ruiagent

一糸纏わぬ男の体に舌を這わす。緩やかな隆起を滑りくだり、微かな溝へ唾液の軌跡を残す。その道筋からもう一人の男が生まれ、それは雄々しさを捨て、快楽の掻痒に悶える蛞蝓になる。女は割れた舌でそれを弄い、限度の極地に追い込むのが好きだ。いつ蛞蝓の皮を打ち破り、猫鼬に変ゲするのかを見張る。

2019-10-16 21:18:29
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女が絶滅して子孫繁栄を望めなくなった男は、過去の文献から様々な方法を試行錯誤し始めた。ある古文書から発掘した手法が流行した。精子と皮膚の表面から分泌される老廃物を練り合わせひとがたを成型する、というものだった。 男たちは体のあらゆる部分を互いに摩擦しあった。公衆浴場は大繁盛した。

2019-10-16 20:20:38
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清流、天然水、湧き水、全国各地の名だたる名水を集めて混ぜたら濁って薄汚くなった。当地の水流はあれほど透明で清浄なのに、汲み上げた途端に清澄さが失われる。ところがある場所から採取した水を混合すると不思議と澄み、青を湛えた清冽な淵のようになる。 他は真水だが、それには塩分が含まれる。

2019-10-16 18:53:14
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そっとさわって確かめる ほんとに寝てるか #性愛俳句

2019-10-16 08:25:51
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空腹にキャラメルを貪る キャラメルはすごい 全部みたす #短歌

2019-10-16 00:52:44
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夕暮れの波止場まで迎えに出る。こちらに気づき駆けてくるのはデニムのスカートを履いた愛の塊。小さな手が私の手をひしと掴む。橙色の夕日が頬に焦げ付き、その歪んだ円に、誰かの面影が重なる。あれを殺したからこの子に出逢えた。けれど晴れた夕方、必ず追いかけてくる。

2019-10-15 22:30:50
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K君のインターホン破壊行動に業を煮やし、3度の被害を被った家庭はとうとう策に出た。インターホンを堅固な鉄柵で覆ったのだ。あの15cm四方の、世の中の物の中で小さい部類に入るインターホンをである。K君は2ヶ月後に再度そこを訪れ、鉄柵の上から殴打しその強固さに絶望するとすごすごと引き上げた

2019-10-15 19:15:26
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K君はまたそこいら中のインターホンを破壊しまくっていた。野球の趣味はないからわざわざそれ用の金属バットを買ってきて、人の玄関先のインターホン目掛けてスイングしている。うちも1週間前被害に遭った。破壊音が遠く続いていく。誰も出て来ない。あの形相の彼に文句を言える人などそうはいまい。

2019-10-15 18:11:49
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ペットショップでブルーイグアナの鱗を数えていた。イグアナたちは木の上で作り物のように完成された体で硬直している。個体差を認識できるほど君たちを知らず個々を判別できない僕には、工場で出荷されるのを待機している醒めたターコイズブルーのアンドロイドに見えた。水に浸けると魚に戻るのか。

2019-10-15 18:43:17
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最近おかしな事が続いている。昨日の朝、洗顔料で歯を磨いた。変な唾が湧いてもう一度確認すると、見かけはいつもの歯磨き粉なのにどういう訳か中身が違う。においは洗顔料だった。玄関が引き戸に変わっていて、開けるのに時間がかかった。雀がローラースケートを履いている。僕は待てのまま。#呟怖

2019-10-15 14:00:54
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コーヒーが土のにおいがした。回避できずに一口目を飲み込んでしまってからカップを覗いた。立ち込めた湯気の香りはコーヒーのそれではない。スプーンでかき混ぜるとざりざりと底に溶け残ったなにかの粒の抵抗を感じた。コーヒーの瓶を確かめる。内側が湿って汗をかいている。もぞ。何か動いた。#呟怖

2019-10-15 13:46:23
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自分で育てたという花を彼からもらった。可憐なピンク色の花をつけている鉢植えを見ながら、わけを考えていた。 君によく似ている。そう言われたが、腑に落ちなかった。お世辞にしても言い過ぎだし、皮肉かと腹が立ちすらした。

2019-10-15 11:04:42
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時期を迎え花は枯れた。なかなかしぶとかった。壁に掛けた鏡の自分の瞳と、枯れた花の色が同じだった。 電話をした折に、花が枯れたことを報告した。彼は言う。 1度水をやれば枯れるまで咲き続ける。枯れた姿が愛しいと。 鏡に映った自分と頭を擡げる鉢植えが重なる。 #四文転結の乱一回戦 遠い本音

2019-10-15 11:04:42
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#四文転結の乱一回戦 痩せる 服がきつい そうだ痩せよう 運動か断食か おやつを食べながらネット検索

2019-10-15 10:19:31
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大切だということも忘れ、ひたすらに育んできたものを失う。こんな日が来るなど、想像していなかったといえば嘘になる。ただそれは夢のように遠い、あるいは架空の出来事のように思っていた。成長を喜ぶだけではなく、それと同等の哀しみが影のようにつきまとう。願う。すべてにおいての健やかさを。

2019-10-15 01:34:30
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昨日作ってもらったやつ 昨夜から今朝のツイートはこの事を言ってる。せっかくかっこよくしてもらったから自慢しよう pic.twitter.com/W3WWGaR3P5

2019-10-14 15:17:56
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何を土産にしようか考え込み日が暮れてしまった。土産物屋でひとつひとつ手に取り、それぞれの品に思いを馳せる。旅に出なければならない性分の僕を、何も言わず出る時と変わらずに迎えてくれる彼女を思って土産を選ぶのは何度目だろう。店から締め出され、時間差で眺めている筈のこの星空を宿へ向かう

2019-10-14 00:57:41
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餌をやろうと金魚鉢を見る 数を増やしすぎて淘汰が始まった 逆転はない #生首ディスコのドレスコード pic.twitter.com/BdQ59ZsLcS

2019-10-13 15:54:05
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流動的ではあるけれども、決して交わり得ないことを知ってもいた。 だらか綺麗なんだね。いろんな色は混ざり合わないから美しい虹でいられる。 ひとりじゃない。それこそが幻想。 油膜で覆ったまま、まやかしの海に飛び込む。 #言葉の行方 永遠の嘘 現実という幻影

2019-10-13 15:24:01
晴れ時々雨 @rio11ruiagent

シャム双生児分離手術を受けることになって、右子は泣いてばかりいた。左子はせいせいしていた。自分と正反対の事をしたがる右子が邪魔だった。ぶつくさ言いながら結局従う右子のぐじぐじした性格が心底嫌いだった。 体にメスが入るとき左子はひとつ注文をつけた。髪は右子の方に長く残して欲しいと。 twitter.com/oto61887230/st…

2019-10-13 10:47:05
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昨日食べた子供は二人の口に合ったらしかった。それほど何度も食べたことはないが、やはり若い肉はたまらないようだ。内臓は若いものに限るが、老いた方が味わい深いのは眼球だと口を揃える。複雑な味が癖になる。その為だけに老けた者を喰う。口許の血糊をナフキンで押さえながら鉄臭いげっぷをする。 pic.twitter.com/l3bM6Uj81f

2019-10-13 10:25:42
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僕の中に眠る少女が二人 それはたまに目を覚まし、 ひそひそ話を始める 着替えた服のこと、 挨拶したおじさんのこと、 カフェのスコーンの硬さ、 停留所に降り立った鳩が啄んだタバコの吸殻の行方、 昨日貸した傘のこと あの人は傘を持ってくるだろうか 日傘代わりに僕の傘をさして twitter.com/oto61887230/st…

2019-10-13 10:03:14
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噂を聞き付け男が求婚にやって来る 男たちは血走った目で呼び出しを待つ 内緒で月へ帰ってしまった姉の代わりに駆り出された僕は、誰にも成長を喜ばれることなく姉のフリを続け、寸足らずの服に体を押し込み、裏声で受け答えする 悔しいことに、それが嬉しい #生首ディスコのドレスコード pic.twitter.com/Ct0Jfwx3bQ

2019-10-12 21:16:17
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