欲しがりたいの恋

よつげ @Eight_os

４５０ 「〜！！」 耳まで赤くなった彼女は頬を押さえた。 もっとこう、声出して喜ぶかと思ったのに ここまで可愛らしい反応するとは。 「…俺やばいかも知れへん」 「え？」 「何でもない…気にせんといて」 俺まで顔の赤さが伝染る気がして顔を背けて、部屋に戻った。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/TkMwYpqEPX

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４５１ ご飯を食べて、お風呂に入ってから思う。 しまったな… こんなあっさりなんだったら、下着もうちょっと可愛いの用意しておけばよかった。 正直、一日くらいは延ばされると思ってたから、明日学校帰りに買えばいいかな！なんて思ってた… #エイトで妄想

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４５２ いつもより心做しか念入りにスキンケアと歯磨きを… よし、OK。 そしてそのままリビングに戻る。 「おかえ…髪乾かしてへんやん」 あ、忘れてた。 でもなぁ… 「…ダメですかね？」 「ダメです」 ですよねー、ただでさえこれから裸になるんだし…ひゃーーー #エイトで妄想

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４５３ 「はいはい戻る戻る」 忠義さんに背中を押されて洗面所へ戻る。 …って、あれ？ 「…もしかして忠義さんがやってくれるんですか？」 だって、着いてくる意味ないじゃんね？ 「お前ほっといたら絶対適当に済ますやん」 「う…」 でもやってくれるとこが好きです。 #エイトで妄想

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４５４ 「髪長いとなかなか乾かへんよなぁ、やっぱ」 やけに慣れた手つきでブローしながら忠義さんが言う。 私はこんなにドキドキしてるのに、何でそんな気楽なこと言えるんだ。 「…切りましょうか？髪」 「どっちでもええけど、切るなら俺のためやなくて自分の判断で切って」 #エイトで妄想

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４５５ 後で後悔しないように、か。 「わかりました」 「ん」 ドライヤーを止めて、こんなもんでええか、と頭をポンポンされる。 手早くドライヤーを片付けた忠義さんは、未だドキドキして動けない私の髪を手櫛で梳かした。 その手つきの優しさにそっと振り返る。 #エイトで妄想

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４５６ 目が合った忠義さんは、何というか、ものすごく色っぽい目をしてて 頭の中に浮かんでたはずの言葉はどこかに飛んでいった。 洗面台の縁に手を掛けて忠義さんの顔が近づいて ゆっくりと唇が重なる。 味わうように舌を絡めながら、何度も、何度も繰り返した。 #エイトで妄想

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４５７ 「…前よりかは上達したやん」 顔を離した忠義さんは、もう完全に男の人の顔になってて 私はゴクリと唾を飲んだ。 「…ベッド行く？」 忠義さんのその質問に、たぶん拒否権はない。 #エイトで妄想

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４６３ 処女相手に年甲斐もなくがっついて何ランもして…はっず。 朝起きて伸びしたら腕当ててもうて「いでっ」と彼女が目を覚ます。 「おはよ、身体大丈夫？」 「だいじょ…うっ」 大丈夫ちゃうな、これは。 「…卒業式練習は自由登校やから休んでてええんちゃう？」 #エイトで妄想

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４６４ 「ありがとうございます… でも、忠義さんは学校」 「んー…」 少し考えて、ぎゅっと彼女を抱きしめる。 「知り合いの医者に風邪の診断書作ってもらうわ」 「え、ダメですよズル休みは」 「はいはい…」 休みたかったなぁーー俺も。 適当に朝飯作って持って行こうとしたら #エイトで妄想

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４６５ あいつが腰に手当てながら出てくる。 いやほんま申し訳ない… 二人で手合わせて食べるけど 当然時間の余裕はあまりないから俺は急いで食べる。 「お前はゆっくりでええよ」と言って身支度を整えた。 玄関を出る頃、彼女は玄関前に出てくる。 「食べててええのに」 #エイトで妄想

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４６６ 「食べ終わりました」 「事後でもまあまあ速いなw」 「じ、事後って…！」 もぉ、と唇を尖らせる姿がやけに可愛らしく見えて。 「そのまま俺にいってらっしゃいのチューしてくれへん？」なんて言ったら顔真っ赤にしたけど 肩に手を置いて、そっと背伸びして #エイトで妄想

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４６７ 触れるだけ。 「…行ってらっしゃい」 そう言った。 「…あかん、可愛ええ」 「え！？」 「ちょ、学校行きたなくなってきた」 思わず彼女を潰れそうなくらい抱きしめる。 「学校は行かなきゃダメです！」と背中叩かれながらも俺は、幸せ噛み締めてニヤニヤ笑ってた。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/vHkfRz6MIO

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４６８ 二日後。 私は学校の体育館に居た。 名前を呼んでくれるのが大好きな先生じゃないことはちょっぴり残念だけど 今日はおばあちゃんも来てくれてる。 忠義さんは、私の青春だった。 三年間ずっと、私は忠義さんを愛し続けた。 これからも。 だから、涙は流さない。 #エイトで妄想

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４６９ 私が次に泣くのは、多分、忠義さんとの別れが訪れる時だ。 …たぶん。 退場の時、果子ちゃんがボロ泣きしてるのが見えて笑いそうになってしまった。 体育館を出てすぐの渡り廊下 「おめでと」 章ちゃんが待ち構えててくれて 「ありがと」 笑ってそう答える。 #エイトで妄想

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４７０ 「これで思う存分大倉とヤ」 「ちょっ、まだ人いるからシーっ！ てかごめん、言ってなかったけど私」 「一足お先に卒業したんやろ〜？ソッチの方。顔見たら分かるし」 ほんとこいつは…いつまで経っても爆弾魔だ。 「てか、そっちは？」 「ん〜？」 #エイトで妄想

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４７１ それならこっちも聞きたいことを聞かせてもらう。 「梓先生との、教師生徒だけの関係？卒業しなくていいの？」 そう言うと、章ちゃんはあっさり 「あぁ、言うつもりないよ」 と答えた。 「えっ」 「年の差無理って言うてたし あの人」 「ちょ、そんな、えぇ！？」 #エイトで妄想

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４７２ 何でそんな驚くんよ、って章ちゃんは笑うけど いやいや、だって… 「卒業式とか…特大フラグでしょうが」 「フラグに乗っからなあかん法律ないし あの人困らせたないねん」 そうだけど…そうだけどー！ 「…私は、章ちゃんに幸せになって欲しいよ」 「うん、ありがとう」 #エイトで妄想

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４７３ そう答えた章ちゃんに 決意は固いんだなと思い知らされる。 「…わかった」 「ん、じゃあ教室戻ろ、お互い」 「うん」 章ちゃんとはこれからは会いづらくなるかもだけど これからも友達だよね。きっと。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/4LZu86rw6N

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４７４ 担任の長ーい長いホームルームと記念撮影が終わって 私は章ちゃんのクラスへと足を運ぶ。 もちろん、お目当ては別の人だけど。 そっと覗くと、こちらもホームルームも記念撮影も終わったようで 保護者と談笑する忠義さんの姿があった。 #エイトで妄想