すいこばなし【北方謙三水滸伝・楊令伝小噺集】10/19-27
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班光「…」 兵「班光、まだお前は下を隠さねえと体を洗えねえのか」 兵「史進殿の遊撃隊の風上にも置けない野郎が副官とは」 兵「なにを言っているのですか!」 兵「あなた達がもっと大人の立ち居振る舞いをするべきです」 兵「班光殿の姿勢を模範とするべきだ!」 兵「若僧が、だらしねえ…」
2019-10-19 22:48:28?「…」 兵「!」 兵「!」 班(なんだ?) 花飛麟「…」 兵「なんと神々しい身体を…」 兵「彫刻でもここまで美しい身体を見たことねえ…」 花「…」 兵「あの尻を見ろ!」 兵「天から桃を盗んできた男の話を聞いた事があるが…」 兵「もしやその桃が梁山泊に降臨したのではないか…」 班「…」
2019-10-19 22:48:29花「…」 兵「…俺たちは間違っていた」 兵「史進殿の尻を思い出したら、吐き気がしてきたよ」 兵「液状化して土に捨てたら、金輪際作物が育たなくなりそうな桃だ…」 兵「班光殿」 班「はい」 兵「俺たちが間違っていた」 兵「心を清められた心持ちだ」 兵「羞恥心を心に刻み付けることを約束する」
2019-10-19 22:48:29曹正「…どうしたお前ら」 楊志「折言って頼みたいことが」 石秀「どうか新しいソーセージを作ってくれ」 曹「…李立の魚肉ソーセージは?」 楊「そういうものではない」 曹「…減塩したり、添加物の使用を控えたものは?」 石「違うんだ、曹正」 曹「お前ら、俺のソーセージをなんだと思ってやがる」
2019-10-20 07:00:03楊「もっとこう、あるだろう!」 石「食卓を豊かにするような一工夫が!」 曹「ならお前らで作れよ」 楊「楊志のソーセージ…」 石「石秀のソーセージ…」 曹「作り方は教えてやるぞ」 楊「やはり俺たちは、曹正のソーセージがいい!」 石「もっとマイルドなツッコミにするから、また作ってくれよ!」
2019-10-20 07:00:03曹「呆れてものも言えん」 楊「曹正!」 石「俺たちを見捨てないでくれ!」 曹「…俺も散々調子に乗って道を誤ったが、もうお前らの口車には乗らん!」 楊「そんな!」 曹「お前らで新しい二竜山の名物を作れよ」 石「俺たちはただの優秀な司令官と副官でいいではないか」 曹「本当いけすかねえな」
2019-10-20 07:00:04曹正…完全にヒエラルキーが逆転したな。 楊志…兵の調練にも身が入らないほど思いあぐねている。 石秀…致死軍の頃、楽にこなしていた調練がこなせなくなるほど思い悩んでいる。
2019-10-20 07:00:12呉用「まさか扈三娘が林冲騎馬隊を志願するとは…」 鮑旭「失礼します」 馬麟「…」 呉「鮑旭と馬麟だな」 鮑「はじめまして、呉用殿」 馬「…どうも」 呉(これは…) 鮑「失礼だぞ、馬麟」 馬「…」 呉「配属先を決める面談だが、まずは他己紹介を行ってもらえるかな?」 鮑「それは?」 馬「…」
2019-10-20 12:00:04呉「鮑旭が馬麟を、馬麟が鮑旭を紹介するのだ」 鮑「分かりました」 馬「…」 呉「鮑旭」 鮑「馬麟は、鉄笛の名手です」 馬「…」 鮑「馬術が巧みで、暴れ馬を容易く御せるほどです」 呉「…」 鮑「また、馬麟のさり気ない優しさは子午山の麓の村でも人気で…」 馬「やめろ、鮑旭」 呉(これは絶対に…)
2019-10-20 12:00:05呉「馬麟」 馬「…」 呉「早くしろ」 馬「…鮑旭は」 鮑「馬麟?」 呉(照れてる) 馬「いい奴です」 呉「…」 馬「どこでも、上手くやれます」 鮑「ありがとう馬麟」 馬「うるさい」 呉「分かった。まずここで調練を受けてくれ。配属はその後だ」 鮑「承知しました」 馬「…」 呉(馬麟は林冲騎馬隊だな)
2019-10-20 12:00:05呉用…これで林冲と扈三娘の間はなんとかなるだろう。 鮑旭…溌剌と調練に臨んでいる。 馬麟…なぜいきなり林冲に引き合わされたんだ?
2019-10-20 12:00:09楊志「いかん。蔣敬がまとめた兵糧庫の一覧表を無くした!」 石秀「俺も!」 周通「…俺が持ってます」 周「…」 石「…模擬戦で周通に敗れるとは」 楊「一体何があった石秀」 石「なぜか体力が続かなくて…」 楊「…そういえば私も、吹毛剣の斬れ味が落ちたような…」 石「どうしたのでしょう…」
2019-10-20 17:03:23曹正「そんなことは自明だ、お前ら」 石「元ソーセージ!」 楊「どういう意味だ?」 曹「お前たちがソーセージにかまけている間、周通は毎日、堅実かつ確実に己を鍛え上げていたのだ」 楊「!」 曹「対してお前らは日頃の鍛錬も怠り、俺のソーセージにぶら下がっている始末」 石「言い方に気を付けろ」
2019-10-20 17:03:24曹「今のお前らがいくら吠えようと、なんとも思わん」 楊「…」 石「…」 曹「俺のソーセージに文句つける前に、まずお前らのだらしなさに目を向けろ」 楊「…そうだな」 石「悔しいが、かつての自分では考えられんほど弱くなってしまった」 曹「タンパク質はソーセージで補給しろ」 楊「営業するな」
2019-10-20 17:03:24周通…出番のない間、ずっと地道に鍛え上げてたけどよ。まさかこんな事になるなんて… 楊志…吹毛剣で岩を両断しようとしたら、半分しか斬れなくて取り出すのに一苦労。 石秀…公孫勝に違う意味で致死軍を追い出されてしまう、と戦々恐々。 曹正…タンパク質増量ソーセージが完成した。
2019-10-20 17:03:29楊志「まさか吹毛剣を刃こぼれさせてしまうとは…」 楊令「♪」 志「なんだ、楽しそうに」 白嵐「!!」 令「♪」 志「大きな犬だな」 令「父上!」 白「!!」 志「その犬は?」 令「白嵐といいます!」 白「!!」 志「…随分と、仲が良いではないか」 令「私の友です!」 白「!!」 志「…」
2019-10-21 12:00:07令「♪」 白「!!」 志「…」 令「走るぞ、白嵐!」 白「!!」 志「…待て、令」 令「父上?」 志「令、あの遊びをするぞ」 令「…なぜ?」 志「なぜでもだ」 令「私は白嵐と走りたいのですが」 白「!!」 志「白嵐!」 白「!!」 志「私の方が令と楽しく遊べるのだ!」 令「父上?」
2019-10-21 12:00:08白「!!」 志「私と令をかけて立合うというのか」 白「!!」 志「面白い。剣を取れ、白嵐」 白「!!」 志「!?」 白「!!」 令「頑張れ、白嵐!」 志「強い!」 白「!!」 令「父上をやっつけろ!」 志「待て、白嵐」 白「!!」 志「…」 済仁美「…」 令「本気で負けるなんて…」 白「!!」
2019-10-21 12:00:08楊志…拗ねて済仁美にずっと膝枕してもらってた。 済仁美…楊令より子どもすぎる旦那様も可愛い… 楊令…父上!母上に甘えすぎです! 白嵐…大きな白い犬。楊令の友。名前の通り、二竜山に嵐を巻き起こすか。
2019-10-21 12:00:13石秀「…ここまで走れなくなっているとは」 石「山中で一人鍛え直すのも大変だ」 白嵐「!!」 石「…お前は?」 白「…」 石「…撫でても良いか?」 白「!!」 石「…」 白「!!」 石「…」 白「…」 石「白くてでかいから、お前を公孫勝と呼ぼう」 白「!!」 石「一緒に走ってくれ公孫勝」
2019-10-21 18:49:58石「身体が思い出してきた」 白「!!」 石「さすが公孫勝。この距離を駆けて、息も切らさん」 白「!!」 石「撫でるぞ、公孫勝」 白「!!」 石「…」 白「…」 石「よし、もうひと頑張り!」 白「!!」 石「ありがとう!公孫勝!」 楊雄「…」 石「…楊雄ではないか!」
2019-10-21 18:49:58楊「近くに来たから久しぶりに会いに来たんだが」 石「…」 楊「お前、その犬に公孫勝って名をつけてるのか」 白「!!」 石「…」 楊「…」 石「白くて、デカいから、つい…」 楊「…」 白「…」 楊「確かにこの眼は公孫勝殿だ、石秀」 石「楊雄?」 楊「俺もお前を公孫勝と呼ぼう」 白「!!」
2019-10-21 18:49:58石秀…何かあったな、楊雄。 楊雄…体型がだらしなくなってないか、石秀? 白嵐…首輪についてるGPSからの情報があまりにも精密すぎて、逆に飼い主達が心配になった。
2019-10-21 18:50:05白勝「まさか二竜山で梁山泊のテレワークすることになるとは…」 秦明「私はこの機材について疎くてな…」 郝思文「ありがとう燕順」 燕順「これくらいは、呉用殿のマニュアル読んで、できるようになった方がいいですよ」 秦「この画面から梁山泊の養生所が映るのか?」 白「どんな事になってるやら」
2019-10-21 20:11:44