茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2362回「世界はクラスターからできていて、フラットで自由だ」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２３６２回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

現代の状況を考えるときに、もはや「メジャー」はなくて「クラスター」しかないわけだけど、そのことを徹頭徹尾自分の中で身体化、習慣化していないと、機会を失うし感覚が鈍る。「メジャー」という幻影を追い求めるのはある種のアナクロニズムである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

音楽でも、小説でも、映画でも、漫画でも、誰もが知っている「メジャー」というものがあって、それに対して「マイナー」があるのではなく、かつてならば「メジャー」だったかもしれないものも、今は「クラスター」で、そのクラスターが大きいか小さいかということに過ぎない。ロングテールである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

誰もが何かのクラスターに属している。その中ではかろうじて共有できる価値観や評価のようなものがある。しかし、横にいったら、そのようなことは誰も知らない。知っているとしても、遠い海からの響きとしてしか感じていない。そのような現代社会を、心の底から居心地が良いと思えたら、僥倖だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

誰かと出会ったとき、話していて、当然クラスターが違う。そうしたら、自分が知らないクラスターと出会うチャンスなのだから、耳をそばだて、感覚を開いて、未知との遭遇を楽しむというのが現代的には適応的である。そのような時に、メジャー、マイナー、権威で感覚を鈍らせている人は逃す。

茂木健一郎 @kenichiromogi

マスメディア全盛だったときにあった「メジャー」や「権威」といったものは今日では本質的に存在しないのだと心の底から納得すると、人は自由になる。世の中をフラットに見るようになる。すべてのクラスターは対等である。そして生態系の中でそれぞれのニッチを締めている。部族と部族はさまよい出会う

茂木健一郎 @kenichiromogi

年齢も関係ない。子どものクラスターと大人のクラスターは等価である。子どもが世界文学全集をいつかは学ばなくてはならないのではない。大人はマイクラのレッドストーンを知らない。子どもは大人の世界の権威を知らない。全く対等であって、どっちが未熟だとか、どっちが偉いとか、そういうことはない

茂木健一郎 @kenichiromogi

ダーウィン的に自然を見ると、もともと生態系のそれぞれのニッチは対等なのであって、上や下はない。マスメディアというボトルネックの時代に、たまたまメジャーとか権威とかが一時的にできた。その残像がまだ一部で影響している。世界はクラスターからできていてフラットである。そして自由だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２３６２回、「世界はクラスターからできていて、フラットで自由だ」をテーマに７つのツイートをお届けしました。