- nariyukichan
- 11797
- 0
- 2
- 2
大学三年のときさ、引っ越した友人がいたんだけど。そいつの手伝いにいったら、「この部屋なんかおかしいんだよね」っていってて。日もはいるし広いし、なんか気になるとこあるのかって聴いたら、「夜無茶苦茶騒がしい」って返してちょっと考えるような素振りを見せてから
2011-06-03 16:48:12「なんか、すごいどんちゃん騒ぎというかお祭りみたいな音が、深夜にするんだよ」と、すごく曖昧に説明してくれた。言葉にしにくい音らしいんだけど、彼が言うには、深夜に突然お祭りを外でやってるみたいに騒がしくなるらしい「何度かそれで朝かと思って起きた」
2011-06-03 16:50:37でも隣は寝静まってるし(そもそも深夜オールしてるときは一度も騒がしくなったことがない)、窓を開けても住宅地の静かなところで外で誰か騒いでた痕跡もないらしい。その話題でもちきりのまま、本棚を組み立てたりとか、まだ片付けが終わってないダンボールをまとめたりとかしてると終電間近になった
2011-06-03 16:55:51正直自分はその「お祭りみたいな音」がきになってしょうがなかったし、彼が自分でその話をして怖くなってるのを感じて、その日は泊まることになった。
2011-06-03 16:58:07荷物の移動とか日曜大工系の作業ばっかだったから、眠気は割とすぐきた。友人は自分の布団で、俺はそこから小さいテーブルを挟んで向こう側で座布団を繋いだもので寝た。多分深夜に鳴る耳鳴りとか、ストレスで五月蠅くきこえるとかそういうのだろうと、疲れて寝てるとだんだんそう思えてきた
2011-06-03 17:01:52変化が訪れたのはどれぐらい経ってからだろう、どんどこどんどこ、太鼓みたいな音がきこえて、ざわざわと人がすぐそばで歩き回ってるような音がしてきた。本当に、「あれ、外で祭やってる?」みたいな音が聞こえて、うわこれだ!って恐る恐る目を開けた。
2011-06-03 17:07:23身体を起こすと、同じぐらいのタイミングで友人も起きあがって。「これ?」ときくと、ひねり出すように「これ」と応えた。本当に起きるんだな、と冗談ぽくいいながら電気をつけて、時間を確認した。三時半。やっぱり深夜。
2011-06-03 17:09:44二人とも落ち着いていられなくてテーブルのまわりをぐるぐる歩き回ったりしながら、なんだこれほんと、とか、まじかよぉ、とか、無意味に呟きまくって紛らわせようとしてた。ひとしきりしてから、一応窓の外もみるかって話になった。
2011-06-03 17:12:13窓の外はあっけないほど普通の光景で、なんの形跡もないし、人もいなかった。そもそも、あんなでかい音量のなにかが通過すれば、俺達以外にも誰か起きてくるはずだが、そんな気配もなかった。
2011-06-03 17:17:57窓をしめて「落ち着こう」と友人がタバコを吸い、自分が冷蔵庫のお茶を取り出したところで、部屋のドアが乱暴に叩かれた。僕らは本当にもう声がでてしまうぐらい驚いたのを覚えてる。「隣の住人かな」「俺らが騒いでるって思ったのかも」正直そうあってほしい、そんな話をしながら、友人が玄関に向かう
2011-06-03 17:20:29「あれ」震えた声で友人が言う。「誰もいないんだけど」無意識に、えっ……と声が漏れた。ドアを開けて確認する根性はどっちにもなくて、僕らはひたすらタバコとお茶をぐるぐる回りながら消費した。
2011-06-03 17:25:23どれぐらいだったかわかんないけど、ほんの数分かわかんないけど、今度は石かなにかがドアに当たる音がした。気のせいだよね、気のせいと二人で言い合ったけど、認識できるぐらいの音量ではあった。し、それで終わりでなく、間髪入れず次は、窓を素手でノックしたような音がした。
2011-06-03 17:28:14その一連の流れで、僕らはもう縮み上がってしまって、情けない話怖くて動けなかった。もう四時すぎ、そろそろ外も明るくなるし、友人と無理矢理話して振り払うように、テレビを付けた。なんかよくわかんないテレビショッピングにつっこみを入れてたら、ぼくらは気付いたら寝ていた。
2011-06-03 17:35:21起きたら昼だった。普通に外は明るいし、腹も減ったので二人で松屋で飯を食って別れた。話は以上なんだけど、いまだに一つ怖くて確認できないことがある。友人から遠い位置にあって、リモコンは俺の手元に置きっぱなしだったのに、「お前、テレビ消した?」って
2011-06-03 17:40:13