2019/12/08 #暮鳥忌 山村暮鳥の資料等のTweet

城元太 @gigant2003

④（中略）神に対する過剰な内的葛藤もなければ、人工的操作を基軸とした意図的な言葉の増殖もない。暮鳥でなければ生み出すことができない、珠玉の信仰詩と呼んでよい。しかしこれらは暮鳥が無傷で獲得したものではなく、伝道師生活という激しい日常の闘争を通過し、初めて得られた貴重なものである。

城元太 @gigant2003

⑤暮鳥はキリスト者の自由を、イエスの言葉を通して得られる個の実現と判断し、それは聖書への盲目的服従によって得られるものではないことを主張した。ある面で、これはイエスの十字架の意味を無化してしまう恐れもあるが、暮鳥は正式に神から按手された伝道師として、（続く）

城元太 @gigant2003

⑥おそらくそのような危惧を充分に承知の上で冷静に判断したのであり、この発想を単純に異端視してはならないだろう。 ⇒つまり「ハコもの」のキリスト教を否定し、人間の根源をキリスト教に置いたということだろうか。

城元太 @gigant2003

⑦『聖三稜玻璃』収録の「模様」の詩 かくぜん めぢの外 秋澄み 方角 すでに定まり 大藍色天 電線うなる 電線目をつらぬき。 この詩など、中村氏は意味の解釈を放棄している。もはや言葉の解体なのだ。

城元太 @gigant2003

⑧白秋の『思ひ出』中の「感覚」の詩の一部 わが身は感覚のシムフォニイ、 眼は喇叭、 耳は鐘、 唇は笛、 鼻は胡弓。 これは「囈語」との共通点が多く、暮鳥内面のボードレールと、北原白秋の南蛮趣味に暮鳥が牽引された様子が覗える。 twitter.com/gigant2003/sta…

城元太 @gigant2003

③「囈語（うわごと）」 竊盜金魚 強盜喇叭 恐喝胡弓 賭博ねこ 詐欺更紗 涜職天鵞絨（びらうど） 姦淫林檎 傷害雲雀 殺人ちゆりつぷ 墮胎陰影 騷擾ゆき 放火まるめろ 誘拐かすてえら。 朔太郎；「一言でいへば無意味な言葉です。（中略）この特異な言葉には一種の説明しがたき美観があります」

2019-08-26 20:30:55

城元太 @gigant2003

⑨そして当時の暮鳥の作風がどっちつかずの印象であると、中山氏の評価は辛辣。 「力の詩」 くるしいか くるしいから美しいのだ 生きのくるしみ それが人間にこもつては力となるのだ 此の人間をみよ 樫の木のやうなその腕 鋼鉄（はがね）の歯をもつた胃ぶくろ （続く）

城元太 @gigant2003

⑩ 強い鋭い意志をもつた人間の目のうつくしさ それは黎明（よあけ）の青空のやうだ くるしめ くるしめ 鉄砧（かなしき）の上で鍛へることだ。 「科学と文芸」誌に寄稿した、民衆詩派との連携を果たした作品。でも個人的に、暮鳥がカラ元気を出しているように感じる。

城元太 @gigant2003

⑪「十字架」 十字架のおもさは歯をたて むごたらしくも肉体に喰入る 苦しむものの愛する十字架 苦しむものよ にんげんこそまことのキリスト そして道はながい ゴルゴダへの此の道 どこまで行つたらつきるのか 肩の上の十字架 （続く）

城元太 @gigant2003

⑫ よろめく足を踏みしめて進み行く くるしみをじつと耐へてすすみ行く みそなはせ 主よ、人間のこの強さを…… キリスト教者にありながら無神論者と語られがちな暮鳥だが、この詩に見られるようにキリスト信者として常に貫いている様子がわかる。

城元太 @gigant2003

⑬その後、難解な表現が影を潜め、日常語を多用する表現が増えたことに対し「たとえ個人的な感懐であっても、言葉の力で現状の悲惨な生活をもっと内面に掘り下げ、その現実を普遍化しようとする姿勢が見られない」と、ここでも厳しい指摘がある。

城元太 @gigant2003

twitter.com/gigant2003/sta…⑭そして晩年（４１歳で没）童話作家に転向した理由が、詩作では食い繋げないための苦肉の策であったとも証明している。 本書は暮鳥とキリスト教の関係を綿密に研究した資料だった。 大洗で夭折した詩人の波乱に富んだ生涯は、常にキリスト教と一体であった。

城元太 @gigant2003

⑤「詩人・山村暮鳥氏」（抄） 自分はいまびようきで その上ひどいびんぼうで やみつかれてやせおとろて 毎日豚のようにごろごろと 豚小屋のやうな狭い汚いとことで 妻や子どもらと一しよに ねたりおきたり のんだり 食つたり そしてやうやく生きながらへているのだ ほんとに豚だ

2019-08-26 20:38:26

城元太 @gigant2003

twitter.com/gigant2003/sta…　山村暮鳥『鼹鼠（もぐらもち）の歌』の事項；遺作のこの小説は暮鳥晩年の策で、生前は未発表。1962年全集に収録。明治以降の貧農や、部落の貧農の闘いを描いた、先駆的な作品。主人公の木闇専造青年は戦闘的なキリスト者で貧農の息子。兄妹愛の場面は清冽。（続く）

城元太 @gigant2003

③被差別部落問題を扱った『鼹鼠（もぐらもち）の歌』は、青森伝道の時に出会った須貝という友人を慕う肉屋の娘の不遇を描いたものではないかと筆者は推測。同時に末期の病床にあり、その日暮らしの大洗の漁民の生活をも含んでいるのではと述べている。twitter.com/gigant2003/sta…

2019-08-30 21:19:34

城元太 @gigant2003

（続き）大地主に小作料減免の契約書を書かせ、溺死するが、この交渉は丑松的卑屈さはない。しかし、作品の部落差別追及には誤りがある。 と容赦ない。「丑松的卑屈さ」とは当然『破戒』のキャラ。

朔太郎通信 @Sakutaro1917

磯濱の煙わびしき年のくれ 萩原朔太郎 山村暮鳥は1924(大正13)年12月8日、40歳で没した。 朔太郎は1939年10月、犀星とともに暮鳥晩年の地磯濱を訪れている。 #暮鳥忌

朔太郎通信 @Sakutaro1917

いそはまのよしきりのこゑここにきく逝きにしひとをまみに浮べて ふじ子 「夫の霊にささぐ」 山村暮鳥『よしきり』イデア書院1925 暮鳥没後に出版された童謡集 #暮鳥忌

神保町のオタ @jyunku

山村暮鳥の命日なので #暮鳥忌 そのとき谷崎潤一郎はスウェーデンボルグに開眼した - 神保町系オタオタ日記 jyunku.hatenablog.com/entry/20100828…

山村暮鳥 @Bocho1884

人生の大きな峠を、また一つ自分はうしろにした。十年一昔だといふ。すると自分の生れたことはもうむかしの、むかしの、むかしの、そのまた昔の事である。まだ、すべてが昨日今日のやうにばかりおもはれてゐるのに、いつのまにそんなにすぎさつてしまつたのか。一生とは、こんな短いものだらうか。……

山村暮鳥 @Bocho1884

… これでよいのか。だが、それだからいのちは貴いのであらう。 　そこに永遠を思慕するものの寂しさがある。 　ふりかへつてみると、自分もたくさんの詩をかいてきた。よくかうして書きつづけてきたものだ。…… 　 「序」 『雲』イデア書院 1925. #暮鳥忌

山村暮鳥 @Bocho1884

松にも 椎にも ほのかな風の翳がある しいんとして…… 月の匂ひが とめどなく 　　　ながれる 『月夜の牡丹』 紅玉堂書店 1926. （暮鳥没後に花岡謙二により編まれた） #暮鳥忌

朔太郎通信 @Sakutaro1917

『山村暮鳥』 山村暮鳥詩碑建設委員会 1958. #暮鳥忌

朔太郎通信 @Sakutaro1917

『山村暮鳥』 山村暮鳥詩碑建設委員会(萩原進編) 1958. 　 #暮鳥忌 pic.twitter.com/CCceKNvJNz

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山村暮鳥 @Bocho1884

朔太郎大兄 ニイチエは理智で行つた、そこを兄は情調でゆくんだ、……独乙はニイチエを誇るが、日本は─いな、大兄はまさに世界の宝である。 「新しき欲情」のやうな独特なものが、どこに求められやう。これが驚異に値しないとすれば。 …… イソハマにて 山村生 1922(大正11)年5月1日

群馬県立土屋文明記念文学館 @Bunmei_bungaku

12月8日は,郷土の誇る歌人 土屋文明と詩人 山村暮鳥の命日です。 本日、お二人の業績を顕彰するため高崎市文化協会群馬支部の主催により、当館を会場に｢第29回暮鳥･文明まつり｣が開催され、館内では、両者の貴重な写真展示や無料の茶席も設けられます ＃土屋文明 ＃山村暮鳥 ＃萩原恭次郎 ＃歌 ＃詩 pic.twitter.com/ahOXtbgYxN

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山村暮鳥のうた／KiMiMi／ガイダ吹き／大野慎矢 @yamamurabocho

今日はジョンレノンの命日でもあるけど、山村暮鳥の命日でもある。1924年の今日。 死後1年半後に友人の花岡謙二が編纂した詩集『月夜の牡丹』。中には「大正拾五年九月八日求」とサインがしてある。 暮鳥の詩はいつも、深呼吸をしたような場所に立ち返らせてくれる。暮鳥に出会えて本当にありがたい。 pic.twitter.com/dZPgcAw7fG

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山村暮鳥のうた／KiMiMi／ガイダ吹き／大野慎矢 @yamamurabocho

『月夜の牡丹』から 　朝顔 あさがほは 口を漱いでみる花だ まづしく ひもじく 　或る時 一輪の朝顔よ ここに 生きた瞬間がある 生くることのたふとさがある 　　＊ さいてゐる 花をみよ かうしてはゐられぬと思へ