茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2412回「カジノが成長戦略の目玉とはno brainer過ぎて笑わせる」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２４１２回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

IRの報道が急に増えて、誘致のプロセスやさまざまな人間関係の詳細がニュースになっている。思うのだが、このような調査報道は、検察による逮捕という「お墨付き」を得なくても、普段から通常運転でやっていれば、人々がIRをどう判断するかの資料になるのにもったいないなあと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

IRの核心はカジノで、カジノの本質は「ゼロサムゲーム」というか「マイナスサムゲーム」である。来場者は必ず何％か平均すると損することになっている。中には大当たりする人もいるだろうけれども、その幸福は他の誰かの不幸に支えられている。これは誰にでもわかる理屈。

茂木健一郎 @kenichiromogi

カジノで儲かるのは、結局、運営者側だけで、その運営者の儲けを、誰がどのように分配するのか、ということが本質になるわけだけれども、外資が入って外国にもっていくということになるんじゃないかと誰もが気にしている。その核心と今回の事件はもちろん大いに関係している。もっと報道して欲しい。

茂木健一郎 @kenichiromogi

それにしても、カジノを含むIRが成長戦略の目玉、というような報道が信じられないというか、そういう迂闊なことをいう政治家が信じられない。カジノのどこにイノベーションがあるというのか、ありものを持ってきて、でかい箱を建てる。結局は従来の箱物行政と何も変わらない。しょぼい成長戦略だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本に必要なのは、本当の意味でのイノベーションで、そのためには規制緩和とかいろいろなルールのアップデートとか真水の努力をしなければならない。AirBNBも、Uberも、新しいものがきちんと入ってこれないような国で、カジノという外国産のありものを持ってきて成長戦略とはしょぼすぎて笑わせる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

百歩譲って、カジノとともにコンベンションセンターやエンタメのある総合的な統合リゾートをつくるという目論見だとしても、別にカジノ要らないじゃん、ということになる。USJやTDLの大成功を見ていても、カジノがなくても別にIRなんてできるし、なぜカジノを持ってこなくちゃいけないのか論理はない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

一番わからないのは、IRのために膨大な投資をして、そこに目論見通り海外の富裕層が来てお金を落としてくれればいいけれども、あてが外れて大幅赤字になったら悲惨で目も当てられぬ。そんなことより、地道に規制緩和して社会の隅々までイノベーションを行き渡らせる努力をする方がよほど成長戦略だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

結局、カジノを持ってきてIRをやろうというのは技術的にもイノベーション的にもno brainer（全く頭を使わなくてもなんか意味ありげなことを言える）企画に過ぎない。そんなことよりも、もっと本当に頭を使って日本の未来を考えて欲しいと思う。例えば教育の立て直し。しょぼい入試改革じゃなくて。

茂木健一郎 @kenichiromogi

教育のプロセスを大幅に自由化し、大学設置基準や教科書検定、指導要領を大幅に緩和ないしは撤廃して、これからの時代に本当に必要な能力を身につける学校の参入を促した方がよほど日本、世界のためになる成長戦略だろう。カジノごときno brainerで成長戦略とは、頭使っていなさすぎて片腹痛い。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２４１２回「カジノが成長戦略の目玉とはno brainer過ぎて笑わせる」をテーマに９つのツイートをお届けしました。