渡邉義浩『人事の三国志』所感

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日光81 @nikko81_fsi

渡邉義浩氏『人事の三国志』を読み進める。漢代までの人の繋がりや国のあり方を概説いただいた上で、曹操が何を目指し、そしてなし得なかったかが明瞭に示される。昨年読んだ『曹操』の復習の意味もあるな。

2020-01-12 18:37:10
日光81 @nikko81_fsi

曹騰の人脈を受け継ぎつつも、人材をダイレクトに登用する仕組みを活用しつつ、そして登用した人材との軋轢との格闘。曹操が『自らの意を汲む』人材をいかに揃えて君主権力を構築しようとしたか、が興味深い。文学への人事基準変更は現代人にはわかりにくいが…

2020-01-12 18:41:24
日光81 @nikko81_fsi

それでも『辟召』の多用、唯才主義あたりは、混乱期にはそれまでの伝統に依拠する人材が君主権力の確立を妨げる存在となり、どう乗り越えるか?という観点で、専ら関心のある武田信玄と比較しちゃいたくなるなぁ。いろいろ前提は違うけど。

2020-01-12 18:48:05
日光81 @nikko81_fsi

一ヶ月ぶりに「人事の三国志」を読み進める。群雄時代の劉備から諸葛亮が加わることによる組織変容、劉備と諸葛亮の緊張感、諸葛亮が指示され続けた理由と後継者指名の見る目の高さ。そして蜀漢が崩れていく様が名士層のバランス感にあるという理解がしっくりきた。曹魏でいう荀彧ポジだな諸葛亮… twitter.com/nikko81_fsi/st…

2020-02-08 15:38:09
日光81 @nikko81_fsi

絶妙なバランス感覚と軍事的な才能、内に公平さを徹底する諸葛亮に改めて魅力を感じる。事後諸葛亮なんて今でも知性の象徴である諸葛亮が長らく支持され続け、また演義も経て今の諸葛亮人気を支える原点をみた気がする。

2020-02-08 15:45:45
日光81 @nikko81_fsi

『人事の三国志』読了。孫呉と西晉。曹魏や蜀漢だけでなく、君主権力から独立した自律性と儒教に強い基盤をもつ「名士」との対峙を三国も晉も経験し、君主権力と名士層あるいは儒教的価値観とのせめぎあいがある意味、三国時代の魅力であるように思えた。 twitter.com/nikko81_fsi/st…

2020-02-09 12:23:33
日光81 @nikko81_fsi

孫呉。スタートは劉備集団に似た趣だが、そこから「名士」との対峙の仕方でかなり遠回りした感。実は魯粛の立ち位置がすごく重要。漢室復興の手段とする諸葛亮に対し、江東という地域保全の目的として掲げた天下三分という魯粛の当時としては革新的な事象の捉え方に驚く。

2020-02-09 12:33:00
日光81 @nikko81_fsi

しかし曹魏や蜀漢に比べ、名士との関係の持ち方は長らくうまくいかなかった孫呉という印象。お互いの力を削ぎあったにも関わらず、三国でもっともながらえたのは、漢を継承した曹魏、これを認めず漢復興を国是とした蜀漢の本質的な対立の外にいたからだろうか?

2020-02-09 12:40:27
日光81 @nikko81_fsi

しかし江東という地域に根差した正統性の自覚が後に西晉を挟んで東晉から六朝に継承されていくのには魏蜀にない面白味を感じる。

2020-02-09 12:42:49
日光81 @nikko81_fsi

西晉。複雑な司馬懿子女の婚姻関係に曹操への追従から曹魏の儒教揺り戻しが現れつつ、名士として曹魏に入り込み人事権に一定の影響力を持つ名士層への支持をとりつつ、司馬昭の段階で権力拡大と合わせて司馬氏との婚姻関係を基準にした身分固定に向かい名士の君主権力からの自律性を奪っていく。 twitter.com/nikko81_fsi/st…

2020-02-09 12:52:00
日光81 @nikko81_fsi

が儒教国家たる西晉…というか武帝司馬炎は暗愚を理由に太子廃嫡に踏み切れず八王の乱、更に中原を奪われてしまう…曹魏を倒したはずの西晉に対し曹操のそれ見たことかという声がきこえる…自律性をもつ名士と君主との相剋、儒教的価値観への対峙が様々なかたちで広がる多様性こそ、三国志の魅力かな。

2020-02-09 12:59:52