オリジナル創作ギャグ小説 『あたしがなんで魔法おぢさんに！？〜モテカワ女子高生がメタボおぢさんに変身して悪と戦うお話〜』 第１章:魔法はニンニクマシマシニクチョモランマの香り

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エリカ 「なるわけないでしょ！って突っ込んだら相方認定されちゃうワケ？」 リサ 「あーそれは考えてなかったや！エリエリツッコミの才能あるよ！」 歩きながら他愛もない会話をする。 駅から出て歩き、もうすぐ学校が見えてくるだろう場所まで来た。

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どこからか叫んでいる様な声が聞こえる。 声のする方を見ると歩道橋の階段の辺りに数人の人だかりが出来て歩道橋の橋部分の真ん中を見ている。 エリカは鳥肌が立った。 (さっき電車の中で出会った男子生徒だ！) 先程電車内で会った他校の男子生徒が手すりに立ち叫んでいる。

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男子生徒 「もう！全てがおわってる！馬鹿馬鹿しい！終わらせたい！」 男子生徒は荷物を歩道橋下の車が走る道路へ投げ捨てた。 男子生徒に気づく車もいるが気づかない車もいる。 「な、なあ誰か警察呼んだのか？」 人だかりから声が聞こえる。

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(警察を...呼んでいる暇はない...かも) リサ 「ね、ねえ...エリカ...あれってさ、落ちたら死んじゃう...系だよね？」 交通量が多い大きな道路の歩道橋な為10メートル以上の高さがある。それに加えて手すりの高さもある。 運転手達も橋の上で異変が起きている事を察知し始めている。

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エリカ 「あーうん。これ、“系”っていうかマジでヤバイよ。警察..！スマホ...」 リサ 「ちょ！あたし止めてくる！」 階段の人だかりを押しのけてリサが階段を駆け上がる。 (まずい！リサが暴走してる！)

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知ってるはずの友達の知らない顔。 リサは...根は真面目だって知ってた。いや知っていたハズだった...！ ここまで向こう見ずな正義感があるなんて知らなかった...！ 興奮してる人に近寄って更に事態を悪化させる危険もあるのに！ 止まって！あたし達にはできない事もあるよ！

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階段を全速力で駆け上がるリサを追いかけてエリカも続く。 今までの人生で1番速いかもしれない。 それでもリサには追い付かない！ リサが近寄ってきた事に男子生徒が気づく。 男子生徒は顔が真っ赤で涙を流し、目が充血している。 息遣いも荒く、相当興奮している様だ。

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男子生徒 「なんだよお前ら！！！ 見てんじゃねえよ！！！」 リサ 「あの、さ。事情は分からないけど、そこ危険だよ？まず、さ。降りてくれないかな」 男子生徒 「事情知らねえのに指図すんなよ！！！！」 まずい無効どころか逆効果かも。

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男子生徒は手すりから降りた。 どうやら飛び降りるよりもリサの方に意識が向いているらしい。 別の危険が生まれた。 リサは身長165cm 男子生徒は175cmくらい エリカは168cm 男子生徒は年相応の腕力がある。

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リサ 「ごめん...ごめんなさい。勝手だよね。」 男子生徒 「ああ！？お前何様なんだよ！！」 ダメだ...会話は通じてない。 その時男子生徒がリサに掴みかかった。 (リサを...守らなきゃ！)

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エリカは男子生徒に体当たりをした。 リサが吹き飛ばされ倒れる。 勢いがあったから手を擦って傷が出来て血が出ている。 なんとか受け身は取れたみたいだけど軽く頭を打ってる。 (あたしは....) エリカは男子生徒に正面から首を掴まれ、歩道橋の真ん中の手すりから落とされそうになっていた。

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男子生徒 「あ...アハハ。もうどうでも良いや。お前を道連れに死んでやる！」 (グッ苦しい。凄い力...) フッと身体が宙に浮くのを感じた。 男子生徒と一緒にエリカは歩道橋から道路へ向けて落ちていた。 死 初めてなのに確信するこの感覚。 (あ　た　し　は　　助　か　ら　な　い

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当たり前の日常。 ママのお味噌汁。 パパのお洒落な車。 良い人だらけの学校。 あたしの部屋。 明日も続くはずだった日々。 こんな結果に？ 何故？

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？？？ 「ねえキミ魔法使いにならない？」 突然声が聞こえる。 いや、頭の中から聞こえる様な不思議な...声？ 周囲がゆっくりとした時の流れに感じる...というか止まっている？ これは走馬灯の一瞬なのだろうか。 こんな不思議体験をしても生きて報告する事は出来ないのに...

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？？？ 「ねえ！聞こえてるの？」 走馬灯がこんなにしつこいとは... そもそも走馬灯って死に際してそれまでの人生が素早く押し寄せてくる現象の事じゃなかったっけ？ ？？？ 「おーい？こっちみてよ！」

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見ると熊の様な猫の様な何かに似てるけれど何にも一致しない抱くのに手頃なサイズぬいぐるみ？が浮かんでいた。 ？？？ (あたしはどうなってしまったんだろう) エリカ 「えーと...あなたはあたしが見ている幻覚なの？」 ？？？ 「ああ〜君たちの世界とはかけ離れた存在だからそう思うんだね」

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？？？ 「ボクの名前はニゴ！この世界にボクの手伝いをして正義の味方になってくれる人を探しに来たんだ！ 正義の魔法使いにね！」 (？？？どうやらあたしは正気ではないらしい) エリカ 「あなたが何者でも構わないけれどあたしは今まさに落ちて死にそうなんだよ？」

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ニゴ 「あーっはっは！大丈夫！ボクが助けてあげる！ ボクの手伝いをしてくれなくてもキミとキミのお友達の正義のエナジーはとても素晴らしかったからね！ でもね、ボクに協力してくれるなら嬉しいな」 エリカ 「これが幻でもなんでも良いよ。助けてくれるなら協力でもなんでもしてあげる」

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ニゴ 「オッケー！じゃあキミには早速変身して貰うね！ えい！」 ニゴが掛け声をかける。 するとエリカの身体が輝き始める。 (ああ、これって幼い頃に見た事のある魔法少女の変身シーンだ...！) 今までに感じた事のない力強く心地よい感覚が全身に満ちてゆく。

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.... ..... ...？ .......！？

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指が太くなっている。 お腹が苦しい。 服が変わっている。 何が起きたんだろう？ エリカ 「ね、ねえ...ニゴ。あたしの身体に何が起きたの？」 自分の喉から出てくる声はいつもの自分の声ではなかった。 男の...中年男性のちょっと低い声...！？

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首を回して周囲を見る。 何故かあたしは眼鏡をかけている。 そしてビルの窓にあたしと男子生徒が映っている。 いや正確に言うと、あたしがいるはずの場所に肥満気味でお腹がかなり出ているゴマシオ頭の中年男性がこちらを見ていた。 これがあたし...？

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ニゴ 「どう？変身した気分は？ 立派なメタボ魔法使いおぢさんになれたね！」 エリカ 「あたし...いや私は魔法少女になるんじゃなかったの？」 思わず一人称を変えるエリカ。 ニゴ 「ん？いつそんな事言ったっけ？ ボクはキミに正義の魔法使いになって貰いたいって言ったんだよ！」

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エリカ 「.....」 ニゴ 「どうしたの？」 エリカ 「えっと...魔法少女に変身してステッキとか持ってあの...綺麗な魔法でパパーっと解決するのかな〜って思ってたからさ...」 ニゴ 「何それ？そんなのアニメや漫画の世界だけじゃないかな。ボクの業界ではそんなのあんまり聞かないね」

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エリカ 「あ、うん。そうなんだ...」 ニゴ 「その身体で魔法少女みたいな服を着させてあげる事は出来るよ」 エリカ 「お願いだからやめて」 ニゴ 「まあ魔法にステッキとか必要ないしね」 エリカ 「....そうなんだ」