[メモ]間質性肺炎と「急性増悪」…風邪様症状の後、急激に呼吸困難が出現する「急性増悪」

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間質性肺炎|KOMPAS

http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000261.html

(抜粋)

間質性肺炎(かんしつせいはいえん)とは、肺の間質(肺の空気が入る部分である肺胞を除いた部分で、主に肺を支える役割を担っている)を中心に炎症を来す疾患の総称です。
特発性肺線維症(単に肺線維症ともいう)など多様な病型を含んでいますが、その多くは原因が不明であり、また治療も困難な疾患です。

また間質性肺炎は風邪などの感染症をきっかけとして、急激に進行・悪化することがあり、これを急性増悪といいます。
急性増悪の症状としては、発熱や急激に悪化する呼吸困難、咳、痰などがあります。

胸部画像検査(単純X線およびCT)
肺の中での病変の広がりや肺の縮み具合をみます。また、CTでは間質性肺炎の中のどの病型かをある程度見分けることが可能です。
胸部X線の場合、間質性肺炎の初期には肺の下の方または肺全体がぼやっと白っぽく見える「すりガラス様陰影」が特徴的です。

1.身体所見
診察上、特徴的なのは胸部聴診の所見で、パチパチとかパリパリという音が聞かれます。
これは髪の毛をつまんで捻る音に似ていることから捻髪音と呼ばれたり、マジックテープをはがす音に似ているため、マジックテープのメーカーであるベルクロ社にちなんでベルクロ音と呼ばれたりします。
また手足の指の末端が太鼓のばちのように丸みを帯びてくる、ばち指がみられることもあります。

特発性間質性肺炎(指定難病85) – 難病情報センター

https://www.nanbyou.or.jp/entry/156
(抜粋)

風邪様症状の後、急激に呼吸困難が出現し病院に救急受診することもあり、「急性増悪」と呼ばれています。
間質性肺炎の原因には、
関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)、
職業上や生活上での粉塵(ほこり)やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入(じん肺や慢性過敏性肺炎)、
病院で処方される薬剤・漢方薬・サプリメントなどの健康食品(薬剤性肺炎)、特殊な感染症など様々あることが知られていますが、
原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」といいます。

特発性間質性肺炎は
主要な特発性間質性肺炎・まれな特発性間質性肺炎(2つ)・分類不能型特発性間質性肺炎の3つに分類されます。主要な特発性間質性肺炎は病態の異なる6つの疾患からなりますが、頻度からすると「特発性肺線維症」、「特発性器質化肺炎」、「特発性非特異性間質性肺炎」の3つの疾患のいずれかに診断されることがほとんどです。

特発性間質性肺炎の急性増悪におけるウイルス感染の役割 | 日本胸部疾患学会雑誌/33 巻 (1995) 7 号

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrs1963/33/7/33_7_723/_article/-char/ja/
[PDF]
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrs1963/33/7/33_7_723/_pdf

本文引用

血清IgA値がどの程度気道局所の免疫を反映しているかは不明ではあるが,気道でのウイルス粒子に対する免疫能が低下するためウイルス感染が成立し,その結果として急性増悪を来たすという病態が推定される.

しかし,両群問で有意差が認められたといっても,両群とも正常範囲内の値である.
可能であるなら,末梢血IgA分画を分泌型,非分泌型に分けて測定し,唾液,気道分泌液,あるいは肺胞洗浄液中の分泌型IgAと対比させ両群問で比較検討し,より正確に気道局所の免疫状態を把握することが将来必要と考えられる。

抄録

特発性間質性肺炎(IIP) の急性増悪症例におけるウイルス感染の関与を血清抗体価・喀痰封入体検査から検討した.
当科に入院したIIP 105名のうち急性増悪(1ヵ月以内に自覚症状の増悪, PaO2 10 Torr以上の低下, 胸部レ線像の悪化のすべてを満たすもの) を呈した症例を対象とした. 経過中にウイルス抗体価の4倍以上変動を認めたか, 喀痰ウイルス封入体を証明したかの, いずれかの例をウイルス関与ありとした.
これらの症例につき, 関与したウイルス, 臨床像などを検討した. 急性増悪例は全IIP患者の27% (28例) であった.
ウイルス関与ありは増悪例の39% (11例) であった. 関与したウイルスは Influenza: 6例, Parainfluenza: 1例, Adeno:1 例, Herpes simplex: 1例, RS: 1例, Cytomegalo: 2例であった. ウイルス関与群は非関与群に比べ, 増悪前の血清IgA値が有意に低値であった (p<0.05). これらの結果から, 急性増悪では血清IgA低値と関連したウイルス感染の可能性がある.