ホラー言わんこっちゃない！〜恐怖のTwitter小説集〜

おーさん @osayas811

自分が死んだのを忘れて会社に来てしまった。生者は死に、死者は生き返るという薬を飲んだのだ。この世に未練はないが、幽霊になってもつい習慣で仕事をしてしまう。「課長、お久しぶりです」え、この女子社員には私が見えるのか？そのとき気がついた。私は昨日まで死んでいたのだ。 #twnovel

おーさん @osayas811

「ハイオク満タンですね」俺は運転手に声をかけると、何気なく後部座席を見た。そこには青ざめた子どもの死骸が。その途端、俺の体は消滅した。……「炎天下、車内に置き去りですか」「もう20年前だ。自分が死んだことに気づかず魂だけが成長して、ここで働いていたんだな」 #twnovel納涼祭

おーさん @osayas811

このラーメン屋は異世界に通じているらしい。「へいお待ち。サービスで特盛にしときました」「え、いいの？こんな安い値段で」「あ、そこに出てる値段は条件をクリアした場合です。失敗したらその10倍ですよ」「条件って？」「1分で完食」……ふう、クリア。一瞬あの世が見えた。 #twnovel

おーさん @osayas811

突然、部屋の壁から釘が突き出した。すると玄関に女性の声。「隣の部屋の者ですけど、私壁に釘を打っちゃって」「ああ、こっちに出てきましたよ。釘が突き抜けるなんて薄い壁ですね」「すみませんでした。でも、おかげで地球が丸いことが証明されました」何だ、反対隣の部屋なのか。 #twnovel

おーさん @osayas811

少女は汗をぬぐうことさえ忘れ、人々にビラを配り続ける。彼女の髪からほどけたリボンを、俺は拾って手渡した。「ありがとう」「親切も悪くないな」俺が呟くと、少女は笑って「ここまで来て何言ってるの？大王様がお待ちよ」そして俺にも「地獄の心得」と書かれたビラを差し出した。 #twnovel

おーさん @osayas811

「ゴクン。ふー、さっぱりした。暑い日に冷たい水を飲むと、シャワーを浴びたような感じになるな」「飲んだ水がシャワーに？バカな、体内に入れた水が瞬時に外に出るはずはない。まて、お前の体を見せてみろ」「何するんだ」……「やっぱり。お前の体はクラインの壺と同じつくりだ」 #twnovel

おーさん @osayas811

喫茶店で隣のテーブルに座った少女が、ずっと僕を見ている。可愛い子だなと思ったら、その後ろのテーブルに友人を見つけた。彼が駆け寄ってくる。「あの子がずっと僕を見てるんだ」僕が言うと、「え、俺のほうも見てたよ。変だな、お前後ろにいたのに」まさか後ろにも顔が……。 #twnovel妖都

おーさん @osayas811

ハロウィンの仮装コンテストに参加した。私は魔女。扮装には自信があったのに、優勝は血みどろのゾンビになったまなみだった。「そのメイク、自分でしたの？」私が聞くと、「これはメイクじゃないの」そのとき、友だちから電話が。「まなみがさっき交通事故で死んだって」 #twHalloweenS

おーさん @osayas811

ハロウィンの日、女子生徒が消えた。僕が悪戯でロッカーに閉じ込めたのだ。騒ぎが大きくなり、僕は彼女の居場所を言えなくなった。彼女はそのまま見つからず、15年の月日が過ぎた。教師になった僕は母校に赴任した。ハロウィンの日、僕の目の前であのロッカーが開いた。 #twHalloweenS

おーさん @osayas811

「あなた、パーティーの時間よ。子供たちも待ってるわ」「ああ。思い出すな、10年前のハロウィン」「あなた何の仮装だったっけ」「死神か狼男かで迷ったけど、結局あれにしたんだ」「何？」「お前の婚約者だった竹内。アイツに変装したまま、10年が経っちまった」「あなた誰？」 #twnovel

おーさん @osayas811

今日は私たちのライブに来てくれてありがとう。自己紹介するね。私はかすみ。担当カラーは透明。珍しいでしょ？私たちまだ無名だけど、一度だけ新聞に載ったの。私が透明になった日。そのときから年に一度だけ、普段は5人組なのが6人になるの。じゃあ、また来年のお盆ライブでね。 #twnovel