しきしまふげんさんの語るはやぶさ「ラストショット」

しきしま＠teardrop @shikishima

「はやぶさ」カプセル分離の時間が過ぎましたね。「はやぶさ」はカプセルの分離に成功したのはよいのですが、400kgの体で17kgのカプセルを放出した為、その反動でグラングランと揺れ始めています。

しきしま＠teardrop @shikishima

大気圏突入まで残り3時間です。「はやぶさ」は地球に向けてカメラを向けようとしますが、姿勢制御装置は殆どが死んでしまっているので、体の揺れを止めたりも出来ず、ましてやカメラを地球に向けるには正攻法だと何時間もかかります。これでは地球撮像など不可能です。どうする「はやぶさ」！

しきしま＠teardrop @shikishima

さらには地球撮像に使用するカメラはイトカワ探査以降使われておらず、しかも電気の節約のためにこの4年半電源も入れられていないままでした。ヒータもないまま低温で放置されたままだったのです。果たしてカメラは動くのか、ONC-W2運命の電源投入！

しきしま＠teardrop @shikishima

「はやぶさ」の姿勢制御装置は残り二つ。一基のリアクションホイールと、ナノニュートンの力しかないイオンエンジン中和器によるキセノンジェット。これだけでぐらぐらと味噌すり運動を行う重量400kgの「はやぶさ」を制御しなければなりません。（ここから先はつくはアイコンで。）

しきしま＠teardrop @shikishima

それでも○×△な姿勢制御がうまくいき、「はやぶさ」は姿勢を多少落ち着かせることに成功します。同時に4年半放置していたONC-W2カメラにも電源が入ります。起動成功！「はやぶさ」による地球撮像が始まりました。

しきしま＠teardrop @shikishima

ガスがぽわぽわと出るだけなのでもっとずっと小さいです。 RT @MOLTA_T: @shikishima キセノン生ガス噴射もナノニュートンのパワーしかないのでしたっけ？というか、どれくらいの力があるか知らないので…。イオンエンジンの出力と、期せずして同じくらい？

しきしま＠teardrop @shikishima

再突入に向けて時間は刻一刻と過ぎていきます。揺れる「はやぶさ」から懸命の地球撮像作業開始。試験撮像1枚目。しかし「はやぶさ」から送られてきた写真、そこに写っていたのは「なにやら明るいもの」でした。

しきしま＠teardrop @shikishima

試験撮像失敗！しかしそれは無理からぬ事でした。今回撮像に使ったカメラはそもそも地球の様な明るい天体を撮るためのカメラではありません。なので明るい地球を撮るためのには露光などの条件出しを模索する必要もあったのです。

しきしま＠teardrop @shikishima

「はやぶさ」は落ち着いたとはいえまだぐらぐら揺れています。その為、さっき写った「明るいの」が地球なのか太陽なのかもよく分かりません。ぶっちゃけていえば、カメラがコマンド通り動いているかすらよく分からなかったのです。そしてこの地球撮像の最大の障壁、それは1枚の撮影に20分かかる事。

しきしま＠teardrop @shikishima

撮影は一瞬で出来ますが、そのダウンロードには20分以上を要します。地球への再突入まで2時間半。暴れる「はやぶさ」をなだめ地球を向かせ、カメラの撮影の条件だしを行う。1枚とって20分、また向きと条件を変えて20分・・・そうして撮られた6枚が全て失敗。

しきしま＠teardrop @shikishima

そして運用終了から40分前、姿勢計担当者の「今、ＯＮＣ（カメラ）の視野に地球が入っているはずです」の連絡を受けて最後の撮像を実施。（後日担当者の方に聞くと間に合いそうだったのでデータを無圧縮で撮った、とのこと）。この一枚が有名な「はやぶさ」ラストショット。

しきしま＠teardrop @shikishima

残念ながらこの写真はデータ送信が間に合わなかったため下1/4は無くなってしまいました。2228時、最後の局であった鹿児島局との交信が終了し、「はやぶさ」は夜の側に入っていきます。そして太陽光による発電が出来なく無り、2245時「はやぶさ」はここで永遠に活動を停めることになります。

しきしま＠teardrop @shikishima

以上、うろ覚えモードでしたが「はやぶさラストシューティング」をお送りしました。続きは明日のシャッツキステで！

しきしま＠teardrop @shikishima

同志諸君。探査機に乾杯(￣Д￣)ノ □