岡田斗司夫のTwitter公開読書 「仕事道楽―スタジオジブリの現場」

岡田斗司夫さんが、Twitterで 「仕事道楽―スタジオジブリの現場」 (鈴木敏夫・岩波新書)を公開読書してについて呟かれていました。ジブリ創世記のことをつぶやかれていたのでまとめてみました。
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岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎駿からある日電話「ちょっと来て!3種類描いてみたよ!」 一つが今のナウシカみたいな精密タイプ。もう一つが単純な線の、宮崎言うところの「松本零士」タイプ。三つ目がその中間。「精密なほうなら一日1枚が限界。でも松本タイプなら毎日24ページは描ける」!

2010-04-17 22:41:29
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex で、ナウシカの連載が始まったら、大人気。「アニメにしよう」という機運がどんどん高まってきた。鈴木が宮崎にその話をすると、「ひとつだけ条件がある」「なんですか?」「高畑勲にプロデューサーやって欲しい」

2010-04-17 22:43:42
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex ナウシカの時代、宮崎は諸事情で干されていた。だから知り合いにプロデューサーして欲しいんだな、と安直に考えて交渉に行った。しかし・・・

2010-04-17 22:45:08
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex プロデューサーを依頼したら、高畑は返事をしなかった。2週間後、高畑に呼ばれて一冊の大学ノートを渡される。ノートは高畑の書き込みで真っ黒。日本の、米国の、欧州のプロデューサーの違いまで研究が並んでる。で、最後のページに「だから僕はプロデューサーに向いてない」

2010-04-17 22:48:26
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex さすがに鈴木敏夫も呆れ果てて、あきらめて帰った。で、宮崎に会いに行く。「宮さん、高畑さんがプロデューサーじゃなくちゃダメなんですか?」 黙り込む宮崎駿。ず~っと黙って「鈴木さん、お酒を飲みに行きましょう」

2010-04-17 22:50:24
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 筋期斗司夫は酒を飲まない。それは宮崎も知ってる。宮崎駿自身も普段は酒場に行く人間じゃない。その宮崎が酒に誘った。飲み屋で日本酒をガブ飲みする宮崎。そんな宮崎、見たことがないので驚く鈴木。さんざん飲んで、やっと酔っぱらえた宮崎駿はポロポロ泣き出していた

2010-04-17 22:52:38
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 言葉をかけられず絶句する鈴木。宮崎は黙って、ただ浴びるように飲んでいる。そして絞り出すようにひと言「オレは」

2010-04-17 22:53:45
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎駿「オレは高畑勲に自分の全青春を捧げた。何も返してもらってない」

2010-04-17 22:54:39
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎の思いを聞かされた鈴木は言葉も出ない。これ以上聞かず、その場を辞して、その足で高畑を訪ねた。

2010-04-17 22:55:57
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex ゴメン、なんだか泣けてちょっとtwitterできない

2010-04-17 22:56:23
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 高畑を訪ねた鈴木「やっぱりやってください」 高畑「だから向いてない」 鈴木「宮さんが、ここまで欲しいと言ってるんですよ。友人が困ってるのにあなたは力を貸さないんですか!」と、生涯一度だけ高畑勲に怒鳴りつけた。もう理屈じゃない。

2010-04-17 23:00:11
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 怒鳴りつけられた高畑は「はあ、すいません。わかりました」とプロデューサーを引き受けちゃった!

2010-04-17 23:00:57
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

RT @kurekuretako: かつてセロ引きのゴーシュの上映会の時に、高畑監督にサインをお願いしたら、急に両手で頭を抱えて「僕はサインなど書けないし、そもそもサインなどする立場じゃない」なんて言い始められて。こっちが驚いちゃいました。 #otakingex

2010-04-17 23:03:10
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex いったん引き受けた高畑は、プロデューサーとして凄まじい働きをはじめた。拠点やスタッフの確保、予算の立て方も原画カットいくらと全員の作業を数値化して単価を決め、積み上げ方式で算出→部門ごとの基準額を設定。生まれて初めてのプロデューサー業でそこまでやった。

2010-04-17 23:06:07
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex この時の高畑の方法論、積み上げ式の予算算出法などが今のジブリの根本原理になっている。

2010-04-17 23:07:24
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex しかし、高畑は優秀なプロデューサーにはなりきれない。やっぱりギリギリで作家。ナウシカが公開に間に合いそうもない、と言う時に鈴木が「どうしましょう?」と聞きに言ったら答えた言葉が「間に合わないのはdしょうがない」

2010-04-17 23:08:55
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 「間に合わないものがしょうがない!」と高畑さんがでかい声で怒鳴って会議は誰も動かなくなった。すると宮崎駿が「もういいです」と言って、その日から徹夜を続けて完成させた。もうどっちが監督だかわかんないw

2010-04-17 23:10:31
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex ハイジの時は高畑が監督で、宮崎はスタッフ。オープニングが決まらず急かされると、高畑は「なぜテレビアニメは毎週、かならず放映しなければいけないのか?」と議論をはじめた。それが二時間も三時間も続く。呆れ果てた宮崎は高畑に相談なしにOPアニメを作った。

2010-04-17 23:13:03
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 鈴木敏夫「このハイジのオープニングの話、僕は宮さんから100万回は聞かされました」 いい話だなぁw

2010-04-17 23:14:12
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 第4章「企画は半径3メートル以内」宮崎の映画作法

2010-04-17 23:14:46
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎駿は写真を撮らない。いい光景にあって撮影すると「シャッター音がうるさい」と怒られる。でも、あとで「資料を欲しい」と悪びれずに借りに来る。

2010-04-17 23:16:30
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎は細部を覚えていない。だから想像で繋ぐ。想像で繋ぐから、宮崎の描く絵にはオリジナリティがある。

2010-04-17 23:17:49
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 宮崎の映画鑑賞法も独特。朝から出かけて「五本見たけど、面白かったのは一本」 タイトルも見ずに途中からでも映画館に入る。つまらないとすぐに出て、隣の劇場にはしご。面白いと見るけど、最初からちゃんと見たりはしない。

2010-04-17 23:19:32
岡田斗司夫@オタキング @ToshioOkada

#otakingex 映画の感想を聞くと「チンギスハンの映画が面白かった。あの時代の鎧がどうなってるか、やっとわかった」「内容は?」「内容はよくわからなかったです」

2010-04-17 23:20:29