- iwashiryo1
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話の内容はわりと普通で、そりゃ感染対策必要だよねという話なのだが、ひとつだけ不自然な点がある。それは「ビュッフェ形式の食事は個別提供するなどの感染防止策を義務づけ、国交省が確認して宿泊業者を認める」というところ。
2020-07-14 23:21:47ここが何故不自然かというと、感染防止という観点は医療分野であり、公衆衛生分野である。であるならば、本来は保健所の仕事であり、厚生労働省の管轄のはずだ。それを国土交通省が確認するというのが不自然。
2020-07-14 23:21:47ついでに言えば、宿泊業者を管轄するのは厚生労働省だ。宿泊施設は旅館業法に基づいて営業ができる。ホテル・旅館・民宿・カプセルホテル・民泊、全部引っくるめてこの法律。mhlw.go.jp/bunya/kenkou/s…
2020-07-14 23:21:48であれば、旅館業法に基づいて管轄している厚生労働省なり各都道府県、そして自治体の保健所などが衛生当局として感染防止策を確認すればいいわけで、そうではなく国土交通省がやるというところが、ことの専門性を考えると不自然なわけだ。
2020-07-14 23:21:48国全体で取り組む政策という前提で省庁間の事前のすり合わせができていれば、この感染対策の有無の確認は厚生労働省みたいな分担も可能だったわけで、そういう分担がなく、国土交通省の名前しか出てこないというところからも、ほのかなきな臭さを感じる。
2020-07-14 23:21:49ちなみにそもそも論として、今回のGo To キャンペーンの仕組みは妙。例えば旅行代理店や予約サイトで、パッケージツアーとして予約すれば宿泊費・交通費の双方が補助対象になるが、個人が直接予約した場合は、宿泊費のみ補助対象になり、交通費は補助対象からはずれる。
2020-07-14 23:21:49パッケージツアーの場合、その内訳のいくらが宿泊分で、いくらが交通分かというのは公開されておらず、そのためこれを分けてそれぞれ補助をするというのは不合理なので、パッケージの代金全体に対して補助をするという考え方は自然ではある。
2020-07-14 23:21:50しかし個人予約でも、宿泊費が宿泊施設の領収書などで証明可能であるように、例えば新幹線や飛行機に関わる費用、あるいはレンタカー代なども領収書で証明可能だ。個人予約の場合のみ交通費を補助対象にしないというのは明らかに不自然で、個人予約から宿泊代理店へと誘導しようとしている。
2020-07-14 23:21:50さて、ここで問題になるのがまた許認可権の話。旅行代理店などの根拠法は何か。そしてどこの官庁が所管しているか。正解は旅行業法で、国土交通省の外局である観光庁が所管している。故に冒頭にあるように赤羽国交相が会見している。mlit.go.jp/kankocho/shisa…
2020-07-14 23:21:51冒頭に「宿泊業者救済というよりは旅行業者救済の側面がかなり強くなってきている」と書いたのはこういうところ。ホテルや旅館を救うためというより、旅行業者を救うため。
2020-07-14 23:21:51そういう趣旨で行われる政策なので、唐突に感染対策を宿泊施設に求めだしたように、今後次々と宿泊業者に対してはハードルを上げてくる可能性が高い。元々国土交通省所管の業界じゃないし。一方で旅行業者に対してはハードルは上がらない。ここを保護するがためのものだから。
2020-07-14 23:21:52今後の関係者の発言に要注目といったところだけども、大手ホテルとかへの要求に比べ、JTBとか近畿日本ツーリスト、JR各社、JALやANAに甘ければ、ここで書いていたことは正解と考えられる。乞うご期待。
2020-07-14 23:21:52追記。旅行業の話をしたのに、JTBとか近畿日本ツーリストだけじゃなく、JR・JAL・ANAが含まれていることに疑問を持った方もいらっしゃるかと思うんですが、JR・JAL・ANAは新幹線や飛行機と宿泊施設をセットにしたパッケージツアーの販売もしており、旅行代理店の側面もあるからです。
2020-07-15 00:08:24JR・JAL・ANAが旅行代理店と言ってもピンと来ないかたも多いかもね、と後から気づいて追記。もちろんこの三社は運輸の担う企業なわけで、どっちみちバリバリ国土交通省所管でありますが。
2020-07-15 00:08:25中田大悟氏「経済で余剰人員は他の産業に吸収されればいい、というタイプの議論が、一体、何を削ぎ落としているのか」
GOTOの1.7兆円を、観光業の休業支援に回せ、という政治家のつぶやきを見たのだけど、この額で裾野の広い観光業を支えることが(選別含めて)可能だろうか?僕もGOTOはあまりに危険な賭けだと思うが、直接給付で支えるために本当に必要な予算額を出さないと議論ができないのではないだろうか。
2020-07-14 11:30:17前もつぶやいたが、GOTOの次善の策としては、一都三県と大阪圏は、目的地としても利用者としても、GOTOの対象から除外する、という選択肢しかないのではないだろうか。もう間に合いそうにないのだけど。
2020-07-14 11:33:46いろいろと批判されるかもしれませんが、あえて書いてみました。 →しかし、このままだと観光産業は死ぬ ~Go Toトラベルをどう考えればいいのか~(中田大悟) - Y!ニュース news.yahoo.co.jp/byline/nakatad…
2020-07-14 16:20:15「どうせ観光はダメなんだから一回潰した方が」みたいな反応をたまに見かけますが、とても僕はそんな考えには至れない。計算上はただの調整コスト。しかし、その調整には生身の人間の血と嗚咽が伴う。ましてや外生的ショックで人生が左右されるのを、最小限に食い止めなければ、何のための政府なのか。 twitter.com/dig_nkt_v2/sta…
2020-07-15 00:37:30僕が小学生の頃なんですが、故郷の街の基幹産業だった造船が、造船不況の直撃を受けて壊滅したんですよ。造船の労働者、技術者たちは田舎街の数少ない「高給取り」だが、この人達が路頭に迷った。当然その家族も巻き添えを食い、家族ごと街を出た者も多かった。街の人口減少が始まった。↓
2020-07-15 00:45:52ここから、僕は絵に描いたような街の没落を目の当たりにすることになる。造船労働者たちの需要にぶら下がっていたサービス産業がドミノ倒しのように潰れていった。先ずは飲み屋街。若いお姉さんたちがいるような店が灯りを消して、それに引っ付いていた洋服屋がシャッターを下ろす。↓
2020-07-15 00:49:25そのうち、街全体の人通りが減り、街の灯りがまばらになる。大人たちも、自分たちの仕事の将来の見通しを下方修正し、なんかとして今の食い扶持だけは守ろうと保守的になっていく。念の為に付け加えると、これは、いわゆるバブル景気がやってくる直前の話。日本全体は、極めて上昇志向の時代。↓
2020-07-15 00:56:29