せん妄について

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

せん妄、をご存知でしょうか。 様々な要因で引き起こされる意識の障害のことです。 認知症と似ていますが、異なる部分は ①症状が急激に出現するが速やかに消失する事（数時間〜1週間） ②可逆的であること。 ③環境の変化により誘発される事がある。 などです。 #VRアカデミア #Twitter薬学会

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

せん妄は単一の原因で起こることはなく、 ①準備因子（高齢である、基礎疾患がある、など） ②誘発因子（痛みがある、体力が落ちている、など） ③直接因子（新たな疾患の発症、薬剤の変更、など） の組み合わせにより生じると言われており。リスク要因が積み重なって生じると考えられています。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

せん妄のリスクとなる薬剤は BZ系薬（ブロチゾラム、トリアゾラムなど）、抗うつ薬（三環系抗うつ薬）、ステロイド、抗コリン作用を有する薬剤（H2 blockerなど）が挙げられます。我々薬剤師はこの辺りをチェックしたいところですね。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

補足ですが、一般的にせん妄に対してBZ系薬はよくないとされていますが、アルコール離脱性せん妄には使用するのでご注意ください。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

せん妄に対する薬物療法はエビデンスが十分ではないので、まず行いたいのは 慣れ親しんだものを周りに置く、頻繁な声かけ、こまめな現状の説明、身体的苦痛の除去。 などの非薬物療法です。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

しかし、急性混乱があったりと投薬せざるをえない例もあります。 2011 年 9 月に厚生労働省からクエチアピン、ハロペリドール、ペロスピリン、リスペリドンについて「器質 性疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易怒性」にならば適応外使用を認めるとの通知はあり、使用することが可能です。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

ちなみに、脳動脈硬化症に伴うせん妄の改善に対してはチアプリドが元々保険適応をとっています。

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

詳細はこちらです。 出典は以下のとおりです。 薬物療法検討小委員会編:せん妄の治療方針.日本総合 病院精神医学会治療指針 I，星和書店，東京，2005，p20. pic.twitter.com/U2iKsWuTGZ

拡大

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

65歳以上で内科に救急搬送された患者に対するせん妄予防で、メラトニンを２週間予防内服すると発生率が低下するという報告があります。 12%（メラトニン） vs 19%(プラセボ) Int J Geriatr Psychiatry 2011; 26 (7): 687

ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

ただせん妄の予防に使えるお薬についてはエビデンスが十分であり、さらなる検討が必要そうです。 やはりまずは、非薬物療法を進めていきたいですね。