マフラー勇尾

夏目一加 @natumeitika

毎年手編みのマフラーを弟にプレゼントしている異母兄弟の妄想しておった。 夏の盛りの頃に「今年は何色がいいですか？」って、リクエスト聞いて、チクチク編み始めるの。

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マフラーを付ける季節の頃に編み上がって、「今年もありがとうございます。あったかいです」って、お礼言われてはにかんじゃう兄。

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付き合いの年数分いろんなマフラーがるから、服に合わせて昨年以前にもらったマフラーしたり、兄が借りて使ったりする。 毎年じゃないけど、セーターくれる年もある。あったかぽかぽか。

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初期のマフラーはまだ技術的に未熟で、それを二人で見ながら 「ははっ、この頃はまだ下手くそでしたなぁ」 「懐かしいです。勇作はこのマフラー大好きですよ。ここの網目を間違えちゃってるところもかわいいです。ふふ」 編物初心者だったのに、自分のために兄が毎年どんどん上達していくのが嬉しい弟

夏目一加 @natumeitika

初期兄が網目を間違えたの気が付かずに完成させちゃって、でも、弟が楽しみにしてたから、今更渡せないなんて言えなくて「すみません。ここ間違えちゃったんですけど……」って、しょんぼりマフラー渡す。弟はとても喜んでくれたけど、その分申し訳なくて、来年こそは！と、リベンジに燃える兄。

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そんなこんなで、いつもマフラーの出来に満足できない兄は「来年はこそは、もっと完璧なものを……！」って、がんばるので、編み物スキルは年を追うごとにめきめき上達していったのだった。

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夕飯の後とかに、リビングで兄がチクチク編み物をするのを見てるのが好きな弟。 ときどき網みかけのマフラーを首にあててもらったりすると、とても嬉しい。とても幸せ。