タイラント・オブ・マッポーカリプス：後編 ＃2

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウオオオーッ！」着弾地点の黒煙を割って飛び出したのは、ナムサン！ネザーメアに騎乗したクワドリガ！その背後では輝かしきナガシノのチャリオットが砕け、トドメとばかりオルトロス級突撃車両から浴びせられる火炎放射によって燃え捻じくれてゆく！ナムアミダブツ！　22

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「惰弱！惰弱！惰弱！」クワドリガは走りながら突撃車両を切り裂き、さらなる砲撃を馬ごとの跳躍で回避、車両上に着地、飛び渡りながら、砲塔を上から下へ順に串刺しにしていった。クワドリガはまさに獅子奮迅。だが、幾何学的用兵術によって、UCAの戦力は執拗に展開し、彼の動きを封じてゆく。　23

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「奴か……！」クワドリガは遠方、アレス級原子力機動要塞を……そしてその無限軌道備えし巨大空母の艦橋頂点部に腕組みして立つニンジャ存在を睨み据えた。確かにその者と目があった。ニンジャは組んでいた腕をゆっくりと動かし……親指を下向け、クワドリガを挑発したのである。　24

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DOOOOOM！DOOOOOOM！DOOOOOM！DOOOOOOM！背後で爆音が轟いた。クワドリガは振り仰いだ。そして見た。一定の間隔で展開する光条と、降り注ぐ光の柱。異彩の空を悠然と旋回する、翼ある白きニンジャの姿を。「「AAAARGH！」」オニたちが悲鳴をあげ、ヘグイがのたうち、ディダラが地響きを立てる。25

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クワドリガは法螺貝を構え、凄まじき肺活量で吹き鳴らした。ブオウ！ブオウーッ！「「AAAAARGH！」」オニ達は指示に応え、鬨の声をあげ、レーザーに焼かれた死骸を踏み越えて、進軍を再開した。「ｻﾌｫｻﾌｫｽｿ」ヘグイはヌチャヌチャと音を立て、それら死骸を食べながら続く。ディダラが這う。　26

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「文明が小細工弄すれど惰弱也！」クワドリガは再び南を向き直り、法螺貝から斧に持ち替えて、アレス級原子力機動要塞を指し示した。然り、この程度で止まるネザーの軍勢ではない。しかし……彼の采配に勇気づけられて歓声をあげるゲニンの声はまばらだ。代わりに彼の手の中にあるのはジゴクの戦力。27

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苛烈な戦いのなかで伸び切った補給線。北から供給されぬ武具。崩れ立つゲニン達を補い、置き換わっていったのは、偉大なるタイクーンのキキョウ・ジツがもたらしたネザーの空の下を闊歩する超自然の者達だ。彼らはクワドリガを主と認識し、粛々と従う……だが、これは、何なのか。　28

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「殿」クワドリガは首を振り、惰弱なる迷いを捨てた。「我は偉大なるタイクーンに身を捧げしシテンノ、クワドリガ。率いるものがニンジャであろうと、ネザーの魔物であろうと、畢竟構いませぬ。これ即ち天下布武。惰弱文明を焼き尽くし、カラテを芽吹かせる真のイクサの先陣ここに在り！イヤーッ！」29

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クワドリガは馬を駆り、益々意気高く切り込んでいった。コクダカを通して全身にキキョウの気が満ち溢れ、無限のカラテを与える！「イイイイヤアアーッ！」彼のカラテにあてられ、這いずっていたディダラがよろよろと立ち上がった。「ゴウオオオオン……」「ボオオオオン……！」　30

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ディダラはオニ達を踏み潰しながら、その巨体ゆえの歩幅で、あっという間に最前線に到達した。そして堅牢なシールドと掘削ドリルを前面に据え付けたタイタン級重装甲突撃車両を掴み上げ、放り投げていった！「ゴウオオオオオオン……！」KRAAAASH！DOOOM！DOOOOOM！　31

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「カカレ！」「「アバーッ！」」「カカレ！」「「アバーッ！」」「カカレーッ！」「「アババーッ！」」クワドリガは歩兵を縦横無尽に切り裂き、前へ、前へと突き進む。ディダラが装甲車両を無残に破壊してゆく。荒れ果てた戦場を、オニの群れが上書きしてゆく！「恐れよ！ネザーキョウここにあり！」32

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◆◆◆ 33

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「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」響き渡るカラテ・シャウトとバトルグラウンドに満ちる黒い砂塵を、五重塔頂上のデストラクターは悠然と見下ろす。「妙なタイミングで参戦することになったようですね」彼女は襲撃者の共有IRCチャネルに語りかけた。「内輪揉めの最中な？」 34

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「イヤーッ！」「グワーッ！」殴り合うゲニン達。一方は白装束であり、もう一方は紫のハチマキを締めている。オムラ企業戦士にはわからぬ事だが、即ち、ジョウゴ親王の手勢が今や隠すことすらせず大っぴらに正体表し、かつての同胞に牙を剥いた事を示すハチマキであった。さらには……北方向！　35

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「AAAAAARGH……」巨大な鎧甲冑が巨大な鳥型兵器と共に市街を蹂躙し、今やホンノウジ・テンプルの城壁を破りにかかっている。デストラクターはエンパイア・ネットワークのデータベースを参照する。鳥型兵器は通称コヒバリ。甲冑の正体は不明だが、そのオムラ性に彼女の心はざわつくのだった。　36

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「シャギャアアアーッ！」彼女の頭上を邪龍が飛翔した。鱗の隙間を噛んだハープーンに繋がる鎖を、ハヴォックは力を込めて引き絞る。「龍め！頭が高いぞ……！オムラは雷神であり、弊社の方が時価総額が高い！」「ハンニャアアア！」濁った目が光り、動き、たしかにハヴォックを見据えた。　37

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「イヤーッ！」「アバーッ！」ジョウゴのゲニンを胴体切断したタイクーンは、頭上のオオカゲに叫んだ。「我が友よ！いつまで遊んでおるか！」「ハンニャアアアアア！」龍は咆哮で答える。タイクーンは視線を戻す。狂乱するゲニンを撥ね、ニンジャスレイヤーが再び向かってくる。「「イヤーッ！」」38

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二者は近接距離でカラテ応酬を再開する。砂塵越しに、オムラのアダマントが彼らの姿を捉えた。「目標物、発見。排除します」タイクーンをめがけ、恐るべき鉄球をアンダースローで投擲する！「イヤーッ！」「グワーッ！」割って入った影が、鉄球を胸に受けた。メジャードーモである。「殿……！」　39

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「ヌウーン」アダマントが遠く、鉄球を手元に引き戻した。メジャードーモは血を吐き、力強く命じた。「ホワイトヘルム＝サン！ブラインドラム＝サン！モーンタイガー＝サン！デスマスク＝サン！チェストナット＝サン！かかれ！殿のイクサ、汚させるべからず！」「「「「イヤーッ！」」」」　40

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この異状に駆けつけたニンジャ達を、メジャードーモはすぐさまオムラの戦士たちに振り向けた。アダマントは身構える。「イヤーッ！」チェストナットがアダマントに向かう！「イヤーッ！」鉄球投擲！チェストナットのメンポを破砕！「グワーッ！」だが、彼は踏みとどまり、アダマントに攻撃！　41

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」チェストナットとアダマントが競り合う横を、ショーグネイターは通り過ぎる。「タイクーン発見。早々に暗殺を遂行し、ホンノウジを占領します。だが、戦っている相手は何でしょう？訝しいです」「イヤーッ！」立ちはだかるのはブラインドラム！「惰弱文明め！」　42

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「フー……」ショーグネイターは眉をしかめて足を止め、ブラインドラムの頬を無雑作に張り飛ばした。「イヤーッ！」「グワーッ！？」首が145度回転！彼はその頭頂部を押さえつけ、無雑作に首を刎ねた。「イヤーッ！」「アバーッ！サヨナラ！」ブラインドラム爆発四散！「ちょっとシツレイしますよ」 43

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「デアエ！」「デアエ！」ゲニンカタナを構え、向かってゆく。ショーグネイターはゲニンの両目に指を突き立て、脳を破壊。そのまま持ち上げた。「アバーッ！？」「シツレイします。イヤーッ！」「グワーッ！」ゲニンの身体をデスマスクに叩きつける！ショーグネイターは向かってゆく！　44

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「イヤーッ！」デスマスクは手術刀を構え、ショーグネイターに飛びかかった。顔面をぐるりと刳り剥がし取る恐るべきカラテだ。「イヤーッ！」ショーグネイターは眼前に来たデスマスクの両頬を手で挟み込んだ。「アバーッ！？」デスマスクの目が飛び出す。マンリキめいて押し潰されたのだ！　45

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「アバーッ！アバーッ！」死にながら、デスマスクはショーグネイターの胴体を蹴りつける。胸元の年収表示【12,206,550】が明滅すると、ショーグネイターは目を血走らせ、デスマスクを足元に叩きつけ、繰り返しストンピングした。「いけませんね！いけませんね！」「アババーッ！」ナムアミダブツ！　46