#野辺山特別公開

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縣秀彦 @agata_naoj

祝:オンライン特別公開 #野辺山特別公開  お昼休みの休憩時間をお借りして、 ラジオ深夜便「ようこそ宇宙へ」で5/25にお話した野辺山宇宙電波観測所の紹介を、特別公開日に併せて連続ツイートを以下させて下さい。 twitter.com/prcnaoj/status…

2020-08-29 12:07:39
国立天文台 @prcnaoj

#国立天文台 野辺山特別公開 ⚡️ライブ配信一覧 4Dシアター:youtube.com/watch?v=gPfME8… 特別講演:youtube.com/watch?v=Gyl5Xo… アルマ ミニ講演:youtube.com/watch?v=GJE-AV… アルマ ミニ講演2:youtube.com/watch?v=d6eBn0… 特設ページはこちら:nro.nao.ac.jp/visit/open2020… 今日一日、じっくりとお楽しみください✨ pic.twitter.com/s8zw30CX7F

2020-08-29 09:53:13
縣秀彦 @agata_naoj

長野県、信州は、私が生まれ育った所です。野辺山観測所の皆さんはじめ地元信州の皆さんと一緒に、2016年11月から「 #長野県は宇宙県 」という、信州の星空の素晴らしさを伝える活動にも参加しています。 nro.nao.ac.jp/~uchuuken/html… #野辺山特別公開

2020-08-29 12:08:38
縣秀彦 @agata_naoj

信州の中でも野辺山は、八ヶ岳山麓、山梨県の清里と連なり、首都圏からアクセスが楽な天体観測の適地として、昔からその綺麗な星空が魅力的な地域。星空が澄んで綺麗なのは、都会からの都市光・人工光を避けて夜空が暗いのみならず、大気中の水蒸気量が少ない乾燥した場所であることも関係しています。

2020-08-29 12:09:32
縣秀彦 @agata_naoj

また、観測に適しているのは、目で見る星のみではなく、天文学者は可視光のみならず電波でも宇宙を探っています。45m電波望遠鏡を有する野辺山宇宙電波観測所が、ここ野辺山に設置されたのも、人工電波を避け、大気が澄んで水蒸気量が少ない、電波観測に適した場所だったからにほかなりません。

2020-08-29 12:10:56
縣秀彦 @agata_naoj

野辺山観測所は、長野県南佐久郡南牧村、八ヶ岳のふもとの標高1,350 mの野辺山高原にあります。冬は-20 ℃以下となる寒冷地で、冬季は水蒸気が少ないため大気による宇宙からの電波の吸収が少なく、日本国内においてはミリ波電波観測の適地と言われています。 #野辺山特別公開

2020-08-29 12:11:31
縣秀彦 @agata_naoj

天文学は文字通り、天からの文を読み解く学問です。文、すなわち天体からの情報は、光(電磁波)として地上に届きます。長年にわたって、人類は目に見える光=可視光のみで宇宙の謎を解こうと試みてきました。しかし、20世紀前半、天体が放つ微弱な電波も天からの文として捉えられるようになりました。

2020-08-29 12:11:52
縣秀彦 @agata_naoj

最初に成功したのはカール・ジャンスキー。無線電話に及ぼす空からの電波飛来の影響を研究する目的で回転テーブルに載せた独特な大型アンテナを製作。この実験の途中に、恒星日(23時間56分)の周期で変動する電波雑音が天の川銀河の中心から到来していることに気づく。宇宙電波の発見(論文1933年)。

2020-08-29 12:13:10
縣秀彦 @agata_naoj

それから90年近い今日、遠く離れた日本で、電波天文学は日本のお家芸と呼ばれるほど元気のよい研究分野に成長しています。  その中でも、ミリ波という波長が短い(赤外線に近い)電波天文学の日本における発展をここまで築きあげたその中心が野辺山宇宙電波観測所です。 #野辺山特別公開

2020-08-29 12:13:44
縣秀彦 @agata_naoj

ミリ波(波長が1-10 mm程度の範囲の電波)という短い波長での電波観測をいち早く提唱し、1970年、東京大学東京天文台の構内に6m電波望遠鏡を建設したのは長野県出身の天文学者赤羽賢司さんや、以前ご紹介したことがある森本雅樹さんや海部宣男さんでした。(お三方とも、すでに星になられました。)

2020-08-29 12:14:41
縣秀彦 @agata_naoj

当時、この新しい観測分野へ優れた若手研究者や技術者がこぞって集まり、研究開発が活発に。この頃の電波天文学者の勢いはすさまじいもので、「できるはずがない」と批判されていた野辺山電波観測所の45m電波望遠鏡の建設計画が1970年代に承認され、1982年に45mが完成、観測が開始されました。

2020-08-29 12:15:57
縣秀彦 @agata_naoj

基礎科学の分野で日本から世界に最先端の観測データを供給できる初めての大型観測装置。そして、共同利用という現在の方式を国内で初めて実現。アイデアと能力のある方なら何処の大学の先生も学生も提案書を出して、認められれば、観測をおこなうことが出来るようになりました。

2020-08-29 12:16:28
縣秀彦 @agata_naoj

主な研究成果としては、例えば、 ・原始星(L1551)をとりまく回転ガス円盤を発見(1983年)など星形成に関する成果多数

2020-08-29 12:17:02
縣秀彦 @agata_naoj

・新星間分子C3Oの発見(1984年)以降、数多くの星間分子を発見(C6H(1986年)、C2S、C3S、環状C3H(1987年)、CH2CN、プロピナール(HC2CHO)(1988年)、C2O、C4Si、H2C4、H2C3(1989年)、MgNC(1993年)ほか) ・銀河NGC4258に巨大ブラックホールを発見(1995年) ほか枚挙に暇がないぐらいです。

2020-08-29 12:17:19
縣秀彦 @agata_naoj

最近でも、天の川の詳しい電波地図を作成しています。 #野辺山特別公開

2020-08-29 12:17:31
縣秀彦 @agata_naoj

今でも国際観測拠点として多くの電波天文学者がここを訪れています。そこで育った人材と培われた技術が、アルマ望遠鏡などその後の電波天文学の発展へとつながったのです。 #野辺山特別公開

2020-08-29 12:18:16
縣秀彦 @agata_naoj

野辺山観測所には、45m電波望遠鏡のみならず、「ミリ波干渉計(10m6素子)」、そして、太陽電波の観測装置「電波ヘリオグラフ(口径80cmのパラボラアンテナ84基)」などがありますが、すでに運用を終了しているものも多くあります。電波ヘリオグラフも28年間の運用をもって昨年度末で停止しました。

2020-08-29 12:18:49
縣秀彦 @agata_naoj

現在、国立天文台のみならず、日本の学術機関や研究所・観測所は予算不足で疲弊しています。 国が配分する予算、運営費交付金が小渕政権時代(1999年度)からほぼ毎年減少を続けているのです。

2020-08-29 12:19:21
縣秀彦 @agata_naoj

消費税が10%になるだけでも大打撃なのですが、その他押さえることが難しい経費支出も多く、国立天文台では2021年度末(来年度末)で野辺山観測所の現在の方式での共同利用を終了せざるを得ないとの方針を出しています。

2020-08-29 12:19:31
縣秀彦 @agata_naoj

また、一部報道で伝えられましたように、岩手県奥州市にある国立天文台水沢VLBI観測所も野辺山同様に厳しい運用局面を迎えています。 新型コロナウィルスの深刻な影響によって、経済状況はさらに悪化していますので、今後の学術や大学教育等はさらに厳しい環境を覚悟しなければならないことでしょう。

2020-08-29 12:19:56
縣秀彦 @agata_naoj

しかし、このような非常事態だからこそ、星空や天文学が潜在的に持っている「人々を勇気づけたり」、「未来を見据えようとさせたり」する力を信じたいと思います。

2020-08-29 12:20:34
縣秀彦 @agata_naoj

また、天文学コミュニティーが提唱する「国際協調の大切さ」を世界中の人たちと共感しあえる「ユニバーサルな視点(宇宙的な視点)」の大切さをこれからも広く訴えていきたいと思います。 以上   引き続き、#野辺山特別公開 をお楽しみください。 12:30- ミニ講演です。 nro.nao.ac.jp/visit/open2020…

2020-08-29 12:22:33