今井哲也、TVアニメ版「神様ドォルズ」を語る。

今井哲也 @imaitetsuya

神様ドォルズみた。これは良いアニメだ

今井哲也 @imaitetsuya

美術がとても良かった。あっ歌舞伎町だ！ パセラだ！ 西武新宿だ！ とか思ってわーわー観ていたらエンディングに店名やフィルムコミッションの名前が協力でクレジットされていてへえーってなった。最後にはお見舞いのメッセージまで。丁寧に作ってる感じがすごくする

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いろんなところに話通して綿密に取材してるんだな･･･手間かかっただろうな･･･そして村って茨城なんだな･･･

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取材にもとづいて、アニメに実在の場所をかなり正確な描写で登場させるっていうのは最近すっかり当たり前になった感じがするけど、個人的には、神様ドォルズの1話を観てそれが一番光っていたと思うのは室内の場面。

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主人公が新宿から電車に乗って帰るところと、その前の通路のところ。あと帰宅後の侵入者とのやりとりのシーン。それから巨乳お姉さんの家のリビングで案山子を呼び出すシーン。なにが良いかというと部屋が狭いこと。

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アニメの登場人物の部屋って大体、いつも真四角で妙に広くて、下手するとカットによって広さが変わったりするじゃないですか。ゆるゆり1話冒頭のアッカリ～ンの部屋とかまさによくある感じでしたけど。神様ドォルズは東京の集合住宅とか一軒家のリビングの狭さをけっこう気をつけて描写していた

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室内の間取りがこうで、大人が部屋の真ん中で両手を伸ばしたら大体こんな感じ。こっちにもうひと部屋あってそこは電気がついていない。こっちには窓があって外はベランダ。玄関に向かう通路のここはちょっと壁が張り出している。というふうに。生活感の演出というのは小道具の描写だけではないのだ

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で、その、きちんと狭い部屋の描写が、そこに人よりも巨大ななにか異質なものが入ってくるっていう違和感とか暴力性に、すごいなまなましい実感を与えている。妹が連れてきたでっかいものが、勢いあまってカップごと壁に腕を叩きつけてしまうところから、そのあとに続く乱闘シーンの緊迫感はすごかった

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狭い部屋にあんなでっかいものが2体と人が3人もいたらもうほとんど身動き取れないくらいぎゅうぎゅうになる。その中でいきなりあのでっかいのにのしかかられて、首を押さえられるっていう圧迫感。美術を丁寧に描くっていうことがロボの巨大さと強さを演出する材料になってる。

今井哲也 @imaitetsuya

前半に登場した死体はなんだかまだ主人公にとって現実味がないけど、部屋にあれが入ってきたときはこれやばいほんとに死ぬっていう感じがした。巨乳お姉さんの家でもあのでっかいのが出てきたらやっぱり部屋はぎゅうぎゅうになる。妹もあれをどこに呼び出したらいいか相当困ったんだろう

今井哲也 @imaitetsuya

お隣さんが｢うるさい！｣って怒鳴りこんできたり、巨乳お姉さんが｢これ圧迫感あるし･･･｣ってぽろりと言う台詞にもだからすごく実感がこもっていた。西武新宿駅やパセラみたいな実在の場所を作中に登場させるっていう方針は、このへんの演出意図と明確に地続きになってる。大変好みでした

今井哲也 @imaitetsuya

これがたとえば、ローゼンメイデンのジュンの部屋みたいな場所で展開されてたら、｢こんなものが東京の真ん中で暴れたら大変なことになる感｣は大分薄かったと思うんですよね。ローゼンの場合は薔薇乙女自体が小さくて迫力がないし、物理的な破壊でなく精神世界に食い込む話だからあれでいいんですけど

今井哲也 @imaitetsuya

実在しそうな狭い部屋をほんとにそのとおり狭く描くのはレイアウトが取りづらいから大変なのだ。このシーンの登場人物が全員部屋に入ったらカメラ置く場所がもうない！ ここからじゃ全員フレームに入らない！ みたいな。現場的な話だけど、だからこれをやろうとするとけっこう明確な意図と意志が要る

今井哲也 @imaitetsuya

隣の家に住むヒロインが毎朝主人公を起こしに来るためだけ、にあるような部屋だったら、そんなところにいちいちこだわってても仕方ないし、演出意図としてノイズになることもあり得る。マジカノやABはそうだったのでそこは排除されていた。神様ドォルズはそこはちゃんとやろうっていうアニメだった

今井哲也 @imaitetsuya

おわかりでしょうか･･･今井が単に岸誠二ファンなので岸誠二のやることを全部イイって言ってるだけだということを･･･あと音楽が石川智晶なのでもう完璧な俺得アニメでした。あとたまには巨乳女子大生もいいね

今井哲也 @imaitetsuya

美術といえば異国迷路のクロワーゼもすごく良かったけど、美術の雰囲気や生活感の描写以外で僕があのアニメに期待していたものは、ほぼ全部GOSICKのほうが上回っていてひじょうにあおちゃんどこ！？っていう気分でした。おもしろかったけど。