身売りする以蔵さんの話

かむい @sunyaxxx

五千円で身体を売るいぞさんの話をします。もぶがでますので注意。 りょいです。(なるのかな？なれるのかな？) うだるような暑い日だった気がした、実は涼しい日だったかもしれない。もう記憶は曖昧で初めての事は覚えていない。目の前で自分の名を呼び続けて汗かいて必死で動かれてるだけ。でも名前を

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呼んでくれるから嬉しくて。金はついでだった。初めては三万。だが下手だから五千円まで根が下がったが五千円だと客のつきがいい。たった五千円が自分の価値。安すぎるとわかってはいるが五千円だと呼んでくれる。時々その五千円ももらえない時があるが。そんか時はする前にそこらのジャンクフードだっ

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りコンビニの弁当だったりで一応の見返りがある。全然割にはあってないが。それでもいい。必要だと言ってくれるし呼んでくれるから。それでその間だけは満足できる。そして今日は五千円ももらえて、しかも外ではあるが車中でしてもらえるから身体が汚れなくてすむ。いや、汚れてはいるのだが土で汚れ

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ないというだけだ。自分の上に乗って必死になってる男が小さく呻いた。どうやら終わったらしい。一息つかれて、すぐ身支度。車から下ろされて「また」そう言って一人駐車場に捨てるように下ろされた。さてここはどこだろう。だいぶ遠くまで来たからスマホで位置を確認する。「まあ、歩いて帰れん距離や

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ないにゃあから」そう呟いてだるい足を動かして朝までには帰れるだろうと歩き出せば狙いすませたようにスマホが鳴り名前をみれば嬉しいことに幼馴染みの名前が表示されていた。これで歩いて家に戻るまで退屈はしなくてすみそうだと出ることにした。

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何時間か歩けば「おやすみ」そう言われて通話が切れる。時間を見れば0時を回っていた。「おやすみさん」0時まで話してくれてありがたい。話に夢中で思ったよりも早い時間に家につきそうだ。ポケットに入れた五千円札を握り、こんな時間まで話をしてくれた幼馴染に何か奢ってやろうと思う。明日は学校は

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休みだから家に着いたら昼まで寝て昼飯でも奢ってやろう。確か両親と兄姉がいなくて一人だと聞いていたからちょうどいい。一応LINEを入れて明日の予定を…と思ったが、やめてしまう。だって小さい頃とは違い成長するにつれ距離感が変わったことを思い出した。幼い頃は泣いたり笑ったりと忙しいが年下の

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自分がいないと何もできない奴だったのに今は違う。人に頼られ必要とされ常に誰かがいる。自分などがいなくても大丈夫になった。それが寂しいと思うが小さな子供のままでいることなんてできない。苦笑すれば「あいたあ、寝坊助やき目覚ましでも買うちゃろうかの」あいつの龍馬の寝起きの悪さはよく知っ

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ている。また暇があれば声をかけてくれるだろう、その時に渡すか…それか家に渡しに行ってもいい。満月お月様を見上げてちょっと寂しと思うが仕方がない。もうすぐしたら高知を出て東京に受験しに行くとも行っていたし時計と合格祈願のお守りでも買ってやろうと思った。

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「以蔵さん、最近、あんまり会えないし電話も忙しいのか出られなかったみたいだけど今日は出てくれた声聞けて元気そうでよかった」龍馬は以蔵と話ができたのが嬉しくてベットの上で転がる。龍馬は以蔵が好きだ、男とか女とか関係なく。泣き虫で弱虫だった自分を諦めず側にいてくれる嬉しい存在だ。

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そりゃあ何度となく怒られもしたし一緒に泣いたりもしたが、以蔵は龍馬の前で強がってなかなか泣かないしそれどころかわざといじめてもきた。いじめといってもそんなたいそうなことではない他愛のない子供の悪戯レベルだ。まあそれでよく泣かされもしたが。小さい頃から以蔵は可愛いが格好いい存在だ。

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笑った顔は太陽のように明るく豪快に笑うし泣く時が歯を食いしばって我慢する怒る時は激しいが、案外と自分のことで怒ることは少なく龍馬を理不尽にいじめる相手がいたら年上だろうと構わず叩きのめしにいってくれた、もちろんそのあと龍馬を叱り飛ばし泣くその背中を蹴り飛ばされた。それでも最後は

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泣き止むまで黙って側にいてくれた。そうしてるうちに好きだと感じた、これが恋だと自覚するのは早ったしわかれば以蔵に見あうだけの格好良い男になろうと頑張った。頑張るうちにいつの間にか周りに人が集まるようになった。自分を必要としてくれる人が増えた。それはとても嬉しいし、けれども以蔵との

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時間が減ってきて寂しくもあった。あんなに一緒にいたのに…と思う。だけどもそれも大人になるまでの辛抱だ。あと少しもう少しだけ待っててほしいと思う。学校を卒業し社会人になって以蔵を堂々と迎えに行けるようになったら告白しようと決めている。男とか女とか関係なく君がずっと好きですと一緒にな

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ってほしいと。龍馬も以蔵も男だから一度は断れるだろう、だが簡単に諦め切れるような想いではないのだ。ずっとずっと『昔』から抱え育ててきた『想い』なのだから。 それまであと数年…待っててほしい。必ず迎えに行く。今度こそ寂しがり屋ね強がりな君を迎えに行って隣にずっといてもらう。今度こそ

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絶対だ。 龍馬は以蔵が何をしているかなんて知らず何を求めているのかもわからず…どうしていつも以蔵にだけは持ち前の勘の良さも運の強さも動かないのか働いていないのか…龍馬はこのあと絶望に違い後悔を再びすることになる。

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「ごめんね、今日は用事があるから」久々に定時で仕事を終わらせたというか切り上げた。急ぎの仕事はだが。だけども今日だけは大事な月に一回の日だから。龍馬の仕事は多忙極まりないが月に一回だけ必ず定時で上がるか丸一日を休む。そのためにこの月に一回の日のためだけに仕事を毎日を頑張る。

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今日は大事な一日。「失礼するよ」柔和な顔で微笑んでみせ会社を退社する。「大事にされてるよね、彼女さん」「遠距離だったっけ？」「は？幼馴染だろ？」「男だよな」男女の意見が食い違う。「遠距離恋愛でしょ、あんな顔で笑うのよ、男なんて体面だけよ」「だってなあ、写真見せてもらったけど男

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だったぜ」なあと同意を求めると男連中はうんうんとうなづくが「体面よ」女連中も同意を求めてうんうんとうなづく。双方ともの意見が違うが、それはまあ結局のところ龍馬の相手が男でも女でもました犬や猫でも大事にしてるんだなあで落ち着いてしまうもので。

かむい @sunyaxxx

「ごめん、以蔵さん、お待たせ！！」賑わう居酒屋に全く似合わなスーツ姿の龍馬が来れば「おん、なら行くかの」テーブルに置かれていたジョッキに入っていたビールを一気に飲み干して立ち上がる。「えっと…もう行くの？」「当たり前じゃろ、おまんのその姿でここにおれるか、ここで呑みたきゃ、もっと

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ラフな格好で来んか」「だって職場からまっすぐ来たし」「着替える時間もながか？」「まあ…急いで来たから…」「べこのかあ、そがに急がんでも、おまんのことじゃわし相手に無駄に明日は休みにしとるがやろう、なら居酒屋で飲みたいならそがなくっそ高そうなスーツなんぞ着てこんでラフな格好で来いや

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」「だって…」「だってもクソもなか、ほれしゃんしゃん出え、わしんく行くぜよ、冷えたビールやらこじゃんとあるきに」そう言ってくしゃくしゃの五千円札を払って居酒屋を出ていく。

かむい @sunyaxxx

「以蔵さん、ねえ、起きてる？」以蔵の住んでるアパートは築年数いつだよな昭和感溢れるそれはそれは古い安アパートだ。キーロックだってないしなんとチャイムをないという本当に古めかしいものだ。もっとセキュリティのしっかりしたところにすまないのと言ったこともあるが『寝に帰るだけのもんに高い

かむい @sunyaxxx

金は払いとうない』そう言われてしまった。幼い頃から以蔵を知っているが以蔵は腕っぷしは強い。そんじょそこら相手にも負けない強さをもっている。長物を持たせたら本格的に負け知らずだ。そんな安アパートに以蔵は角部屋に部屋の一階に部屋を借りている。そして隣と上の階には住人がいないのだ。

かむい @sunyaxxx

だから多少騒いでも大丈夫だが、まあ防音もしっかりしていないので本当に多少になるのだが。前に隣に見知らぬ誰かが住んでいたが…そのこの薄い壁一枚隔てた向こうが真っ最中の声がした時には驚いたのだがそれは龍馬一人で以蔵は全く気にせず次々にビール缶を開けて『ビールがうまい！！』なんて言って