俺とよるほーのだいたい365日

カイン @gyoniku

「おーう、今帰ったぞォーッ、よるほー！！」 「こんなに酔っ払って……。ほら、よるほーはTLでしないと」 「わァーってらい！ どれどれ、よる……よる、ほ……よ、よ、ヨロロロロロ」 「もう、言わんこっちゃない。お布団、敷いてありますからね。よるほーも代わりにしておきますから……」

カイン @gyoniku

漫然と過ごす日々の区切りにそっと一言を挟み込んで、その日あったことを振り返ってみたり、明日は何しよっかなと考えてみたり。しおり、みたいなものかな。知ってる？ ……「よるほー」っていう、魔法の言葉を。

カイン @gyoniku

「たかがよるほー、一日サボったところで何も変わるまい」。……そう、何も変わらない。よるほーをサボっても、勤勉なことに毎晩のよるほーを欠かさなかったとしても、何も変わらない。変わらないのだ。そのことを思い出し、僕はそっと、「よるほー」と呟いた。静かな夜だった。

カイン @gyoniku

いらっしゃい。何にする？ ……よるほー、かい？ 珍しいねえ。それを目当てにここにやってくる人、久しぶりだよ。確かにこのタイムラインはかつてよるほーで栄えていてね。日付が変わるたび、皆が口々に……おっと、思い出話はここまでにしようか。よるほー。明日も普通の一日でありますように。

カイン @gyoniku

@sora_ware よるほーをやめたら俺はツイッター無職になってしまう……。

カイン @gyoniku

早いもんだ、あれから一年か……。よう、あっちでも元気でやってるか？ 俺の方は……ハハッ、来年に期待ってところさ。なに、お前の心配なんてすぐ無用になるからよ。……そうそう、今日はお前の好きだったアレをやり来たんだ。“よるほー”。空の上と時差があったらすまねえ。じゃ、また来るぜ……。

カイン @gyoniku

「聞きましたか？」「なんだい藪から棒に。まあ……“4時”のことだろ」「はい。彼らが言うには、謎の一体感があると」「そうマジな目をしなさんな。形は違えど、僕らは仲間みたいなもんだ。ここに“終わったコンテンツ”なんてものは無いんだから。僕らに出来るのは、よるほーし続ける。それだけさ」

カイン @gyoniku

彼は今日も何も言わず、ただじっと目の前のキーボードを見つめ続けている。以前、一度だけ語ってくれたことがあった。“ツイッターの終わりを見届けるまでこれを続けるのが仕事”と。そうしているうち、ゆっくりと彼の指が動き出した。“よるほー”。 「また来ます」――物好きなものだ。彼も、私も。

カイン @gyoniku

「……ああ、もう！」「荒れてるねえ」「荒れもしますよ！ ここまでに張った伏線……犯人っぽい言動だとか、思わせぶりな小道具だとか、全部無視して“完”ですよ？ 信じられない」「まあ、そう言うなよ。僕らも知ってるだろう？ 全ての伏線を超越した魔法の言葉を。ほら、このポストも」よるほー。

カイン @gyoniku

かつて僕たちの間で流行っていた言葉がある。今思えば、何が面白かったのか、どういう意味だったのか……とにかく、誰かが唐突に言い始めたその言葉は瞬く間に広まり、気づけば僕らの合言葉とも言えるものとなっていった。……よるほー。今も変わらず掴みどころの無い言葉に、どうしてか、涙が零れた。

カイン @gyoniku

「お帰りなさい！ ご飯にする？ お風呂にする？ それとも……よ・る・ほー？」「ごめん。出先でよるほーしてきちゃって」……それっきりだ。今でも、独り寂しくよるほーするたび、あの時のことを昨日のように思い出すんだ……。

カイン @gyoniku

よるほー、ね……。俺がまだ駆け出しだった頃、よくやってたよ。懐かしいな。今は……ほら、分かるだろ。長く続けてるとさ、色々あるのよ、しがらみみたいなものがさ。若気の至りだよ。ホント、恥ずかしい過去さ……って……いやいや、違う違う、このアラームはよるほーのためのじゃなくてだな……。

カイン @gyoniku

「今日はなにして遊ぶ？」 「うーん。ウチ来る？」 「嫌だよ……お前んちに行ってもよるほーぐらいしかすることねえし……」 「お爺ちゃんが言ってたぜ。よるほーはあらゆる遊びの基礎になるって」 「お前のお爺ちゃん、ヘンだからな……」 「じゃあ何するのさ」 「……よるほー？」 よるほー。

カイン @gyoniku

「よるほーとかそういうものもありましたね」ぐらいのスタンスが長続きさせるコツ。

カイン @gyoniku

「ねえパパ、見て！ 時間通りのよるほー！」「偉いぞ、流石はパパの息子だ。じゃあパパも」「ずるい！ もう時間だよ！」……一時か。父はまともな時間によるほーしなかった。零時丁度によるほーすることだけが目標だった僕は、父と同じ時間に生きられなくなってからようやく気付いたんだ。よるほー。

カイン @gyoniku

皆さん、お元気ですか？ 僕はなんとかうまくやってます。よるほー。……しまった。こちらでは時間丁度なのですが、時差があることを忘れていました。いえ、決して、寝過ごしたワケでは……いやホント、海外ですしココ……うん……あっ、ちょっとファミ通を立ち読みしないといけないので！ よるほー！

カイン @gyoniku

よるほー。……さて。こうして毎晩よるほーと呟き続ける中でひとつ、気付いたことがある。それは、よるほーは孤独だということ。目的もなく、報酬もなく、喝采もなく。それでも毎晩制限時間だけが迫ってきて、こうして滑稽にも頭を悩ます自分がいる。……よるほー。これは、自分へのささやかな労いだ。

カイン @gyoniku

空っぽな人生でした。起きて、なんとなく一日を過ごして、寝るだけの。……よるほーと。そう、毎晩一言、よるほーと呟くようになってから、私の人生の時計は再び動き出したのです。ただ一瞬、よるほーを交わすその一瞬だけでも……私の人生が満たされたのです。よるほー。時計の針が、またひとつ。

カイン @gyoniku

帰りは遅くなります。よるほーはタイムラインの中です、先にしていてください。

カイン @gyoniku

「禁よるほー、してんのよ」「うん」「これがなかなか辛くて。何せよるほーだ、ついつい口をついて出ちまう」「へえ」「ま、たまにはこうして一言もよるほーと呟かない期間があっても……って、これじゃよるほーになっちまってるな！ へへへ……」「ほう」「……ごめんなさい。よるほー」「よろしい」

カイン @gyoniku

父さんは不器用な人で、親子らしい思い出は殆ど無いけど。子守唄代わりによるほーしてもらったこと、今でも覚えてる。なかなか眠れない僕に、「母さんには内緒だぞ」ってさ。そりゃそうだ。日付が変わるまで寝付けないなんて、母さんは怒っただろうね。でも、僕にとっちゃ大事な時間だったんだ……。

カイン @gyoniku

えー、以上のように、我が国の優秀な情報部は敵国の暗号を9割9部9厘解明するに至りました。ですが、ただ一つ……「よるほー」だけが解読出来ずにいます。試しに毎日のよるほーを始めた我が国の諜報員からは「クセになる」との報告があり……まあ、銃殺致しましたが……目下調査中であります。

カイン @gyoniku

家に帰るまでが遠足です。よるほーするまでが一日です。

カイン @gyoniku

「大人になってから思い返せば、なんであんなことに熱中してたんだろう、って不思議に思うこと、沢山ある。心の奥の引き出しへ今でも大事にしまってある、小さな思い出。蝉の抜け殻。綺麗な小石。秘密基地。よるほー」「何それ」「……は、さておき。次は……」「いや何それ」「忘れて」「……」

カイン @gyoniku

久しぶり。何年ぶりだっけ？ 懐かしいなあ……変わってないね、君は。今は何やってるの？ ……え？ あは、ほんと全然変わってないんだ、あの頃と。ん、私は……やめちゃったんだ。約束、守れなくて、ごめんね。うん……結婚、したの。そんな顔しないで。ほら、時間だよ。“よるほー”、してよ……。