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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ラスト・エンペラー・メドレー(ピアノ)~同名映画より~ youtu.be/6FSvkqHTHhs @YouTubeさんから

2016-08-21 06:57:48
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤で囲った部分の謎が解けたか。五度上昇し、半音下がって四度下降。つまり五度の上昇アーチのすぐ内側に四度の下降アーチがある。これ、どう解釈すべきかというと、C長調とF♯長調の音が並走しているのです。鉄道風にいうと白鍵線と黒鍵線。 pic.twitter.com/vxdOLCjsdz

2016-08-21 07:02:32
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

五度、四度、半音。これらの共存によって無調風でありながら背筋の通った旋律が生まれる…Before Longのあるパートでも印象的に使われていました。あの曲は『NEOGEO』収録でしたね。『ラストエンペラー』のこの曲も同年のほぼ同じ時期に作られたのだったか。

2016-08-21 07:08:52
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

F♯長調、というかC長調から理論的には最も縁遠い調でありながら実際の線路はお隣さんという関係にある調と、C長調のあいだを揺れ動く旋律部分。白鍵の国の音と思わせて黒鍵の国に迷い込む感じ。調じたいが半音下降の関係ゆえにさっと転調しやすいため、違和感なく響く。

2016-08-21 07:12:45
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

調性が揺さぶられるわけです。それなのに何か一貫したものも感じられるという。

2016-08-21 07:15:21
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

で、この小節で旋律はまたF♯長調という黒鍵の国に舞い戻って「ミ」「レ」の音を鳴らす…その直後に白鍵国に逸脱する。C長調の「ソ」の音が鳴るのです。F♯長調だと思っていた私たちの耳はこれで意表を突かれる。 pic.twitter.com/AmJsx2k8Z1

2016-08-21 07:20:31
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ミ→レとくればドがくるんでしょ、と思ったら♭レに進んでしまうのだから。この瞬間耳がギアチェンジして「そうかこれはミレではなくレドだったのか。それで次はシが鳴ったんだな。F♯長調と思わせて実はG♯長調なのか!」と感じる。

2016-08-21 07:22:51
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

フェイクで流川を抜く澤北のよう。 pic.twitter.com/WLzeS2J0un

2016-08-21 07:27:50
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

そういえば龍一先生は中学一年のとき半年ほどバスケやってたんだよね。そのあいだ、音楽からは離れていたとか。テレビのお笑い番組で卓球をやってたときも反射神経の良さを見せつけていた。

2016-08-21 07:29:10
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ここからがまたすごい。「レ」「ド」「シ」と下降して、上昇に転じるのですが、「シ」「ド」と続くから次は「レ」だろうとフェイクをかけて「♯ド」に行ってしまう。半音上昇の二連発。これでまた調性が崩される。何の調だかまたわからなくなる。 pic.twitter.com/St2WXDt6OA

2016-08-21 07:34:24
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

調性が崩れたところに、再びの五度上昇アーチ、そしてその半音下部に今度は五度「下降」のアーチ!これで調性が生まれる。ファ↗ド、シ↘ミ。つまりこの小節でE長調という調性がよみがえるのです。 pic.twitter.com/THXKT4K9xR

2016-08-21 07:40:28
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

この後、旋律はこの調性を維持します。前に説明したとおりです。 pic.twitter.com/RUX6WpTwAm

2016-08-21 07:41:45
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

"What one man can invent another can discover," said Holmes. (神ならぬ人間の発明品なら必ず解けるさ」とホームズは言った) pic.twitter.com/qFZ8ded8UI

2016-08-21 07:50:25
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

後半を移動ドで表記するとこうなる。一か所、増四度音程がある。 pic.twitter.com/iWxwBzGra3

2016-08-21 08:39:42
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

左手パート二小節目で♯ファが鳴る。これもたぶん調性ずらしの技です。C長調と思わせてF長調に調性をずらしている。耳はこのわずかな変化を聞き逃さずハッとなるのです。 pic.twitter.com/Wsy6t876LC

2016-08-21 09:19:46
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ところが次の小節ではもう♯ファではなくファが鳴る。それも左手パートではなく右手パートで。これでまた調性がF長調からC長調にずらされる。調性が揺さぶられる。 pic.twitter.com/aT63gMfRCo

2016-08-21 09:24:07
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

まず♯ソ(赤)が鳴って、左手パートのレ(緑)と増4度音程(緑の矢印)を形作る。不安定な響きに。それを解消するかのようにレ(緑)が半音下がって♭レ(青)になる。安定の完全五度音程になるわけです。この♯ソ(赤)と♭レ(青)によって pic.twitter.com/nAqJPmLMeo

2016-08-21 11:25:04
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

調性はC長調かなーと思い込んでいたところにA長調へ変化。調性が揺さぶられる。

2016-08-21 11:26:25
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤は先と変化なしなのに青は先のより半音下に。このとき縦に響くのは「シ」「ド」「ミ」「♯ソ」の音階…C短調かもしれないし、ほかの短調かもしれない。とにかくA長調と思っていたところにここでまた調性の揺さぶりがくる。 pic.twitter.com/dpSNgX21iP

2016-08-21 11:34:32
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

このあとは「♯ソ」の音は消えて、すべて白鍵の音になる。つまりC長調(原曲ではなくこの移調楽譜上でのことです)に調性が着地する。

2016-08-21 11:37:08
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

この曲(の序章部分)は作曲者本人もうまく解説できなかったという難解な響きですが、私がこうして分析してみせたわけです。

2016-08-21 11:38:18
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

改めて順に解説します。まず1小節目。赤の音はAの和声的または旋律的短音階に聞こえるし、青の音もAの旋律的短音階に聞こえる。ということはこの曲はAマイナーだな、と聴き手にフェイントをかける。 pic.twitter.com/B0RxO8BSdE

2016-08-21 13:09:06
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ところが2小節目で調性が崩れる。旋律(赤で囲った部分)だけで判断するとD長調(=B短調)に聞こえる。ところが青の音はこの調ではけっして鳴らないはずの音。要はベースが半音上昇して調性を崩しているわけです。 pic.twitter.com/csbA28BiWl

2016-08-21 13:16:46
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

あ、少し訂正します。1小節目から2小節目にかけて左手パートが半音上昇します。調性を揺るがせる基本技です。右手パートはD長調(=B短調)の音を鳴らすのに、右手パートはそうでない音が混じるのです。 pic.twitter.com/Lunt7sYGvr

2016-08-21 13:22:28
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