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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤紫色で囲った音が、右手の奏でる調ではありえない音です。しかし半音上昇という横からの力によってねじこまれ、この2小節目の調性を揺るがせる。 pic.twitter.com/z0Dl59y2No

2016-08-21 13:27:04
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さあ赤の部分をご覧ください。半音下がって、半音上がりの二連発。なぜかわかりますか。まず半音下がりは出だしで提出されたこの曲のモチーフです。しかしこのモチーフを逆流させると、ミ→ファまたはシ→ドと解釈され次に鳴る音が予想されてしまう。 pic.twitter.com/s0nKueIYnv

2016-08-21 13:32:27
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そこで再度の半音上昇をする。これで調性のフェイントをかける。耳の予想と違う方向に音が進むわけです。半音上昇二連発の音階は通常考えられないので、耳が驚く。「なんだ?この曲は無調なのか?!」と。

2016-08-21 13:34:23
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

さてこの青で括った和声をどう解釈するか?長三度音程はメジャー調の響きがしてしまって、不安感を狙うこの曲にはなじまないはず。なのにどうして♭レが鳴るのか。実はこれも調性を揺さぶるための布石です。旋律がファーミファと鳴るでしょ。 pic.twitter.com/DMBhIzn9RK

2016-08-21 13:38:08
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旋律の「ミ」の音が「♭レ」と短三度の音程を形作る。さっきは長三度だったのに今度は短三度になって、また長三度になる。メジャーの響き→マイナーの響き→メジャーの響き。調性が揺さぶられるわけです。

2016-08-21 13:40:27
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

左手パートでまた半音上昇。調性の揺さぶりです。 pic.twitter.com/rLrwdxhgYp

2016-08-21 13:44:28
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この小節については前に分析した通りです。五度上昇のアーチのすぐ内側に四度下降のアーチを置くことで、調性が半音ずれて聞こえる。赤紫で囲った部分をよくご覧ください。前半のは黒鍵で後半が白鍵。F♯長調とC長調がきしみあっている。 pic.twitter.com/0YeIeh0ziP

2016-08-21 13:50:00
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左手パートは前の小節と同じ。ただし途中でトップが半音上がりをする。 pic.twitter.com/o6ZFCoJ7g3

2016-08-21 13:57:02
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

なぜトップの音だけが半音上昇し、ベースはしないのか?おそらくF♯長調→F長調という半音下がりの転調効果を出すためでしょう。

2016-08-21 13:58:42
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤で囲った音。どうしてこの音でないといけないかわかりますか?前の小節で黒鍵の王国から白鍵の王国に移り、この小節で再び黒鍵の王国に戻ることで調性をまた揺さぶるわけですが、黒鍵の王国つまりF♯長調の三度の音を選ぶことで pic.twitter.com/gwQvkKIx4S

2016-08-21 14:05:18
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

「おら黒鍵の王国に戻ったで」と強調し、次に二度の音を鳴らして「ほら黒鍵の王国やろ」と聴き手にフェイクをかけて、次になんと半音下の音を鳴らして「なーんちゃって」とはぐらかすのです。

2016-08-21 14:07:08
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤の音に進むと思わせて、実際は青の矢印方向に音が進むのです。フェイクです。 pic.twitter.com/7ZFwYEYusP

2016-08-21 14:10:10
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

で、次の小節では赤の音に上昇するのかなーと思わせてそれより半音下の音に進む。半音上昇二連発によるフェイク。先ほどもありましたよねこういうの。これで調性をまた揺るがせる。 pic.twitter.com/GlyTrIjeQX

2016-08-21 14:13:42
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ここから先が後半です。E長調上をドシラソファミレドと旋律が下降していくのが基本骨格。 pic.twitter.com/n32ElVoLUI

2016-08-21 14:15:01
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

音楽は恐ろしい。聴けばいい悪いが一発でわかるのに、理論で説明するとものすごく手間がかかるし、読む側も読み解くのにものすごく手間がかかる。

2016-08-21 14:17:17
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

謎を解くことにこそ歓びがある。そういう星の生まれてしまった。解けてもほとんどのひとには理解してもらえない謎だからこそ挑みたくなる。

2016-08-21 14:34:47
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

後半パートの分析いきます。移動ド表記にしてあります。元の楽譜ではE長調なのでここではC長調に移調したわけです。 pic.twitter.com/21GbApxc8J

2016-08-22 02:54:55
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

前半パートのあるモチーフが後半冒頭でも繰り返される。しかしよく見ると、赤と青はまったく同じというわけではありません。前者は五度上昇のアーチのぴったり内側に四度下降のアーチですが、後者は五度上昇アーチの半音下に五度下降アーチだから。 pic.twitter.com/TSdGZkpc6u

2016-08-22 02:57:14
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

もうひとつの相違点は、前者は調じたいを半音下げするのに対し、後者は同じ調の音ですべて構成されるところ。

2016-08-22 02:58:25
GoodEveningDave @GoodEvenigDave

前半パートから後半に移るときの旋律をよくご覧ください。半音上昇の二連発です。なぜこうなるかは先に分析したとおりです。調性が生まれるのを避けるためです。一度生まれた調性を崩すため、といってもいいでしょう。 pic.twitter.com/r4Qgsm2BD8

2016-08-22 03:02:14
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

赤と青を比べてみてください。青では♯してる。これも調性崩しですね。♯ファによって調がCからG長調になる。 pic.twitter.com/xQy0PVC8Vo

2016-08-22 03:06:02
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

1小節目ではベースの動きをみてもA短調まるだしで、それが2小節目ではラが途中で♯ラ(♭シ)に変わることで、左手パートだけみるとA短調がD短調に揺らいだように感じられる。 pic.twitter.com/1DFY4WimsI

2016-08-22 03:18:34
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

2小節目の調性揺らしの技をより微分的に見てみましょう。まず赤で囲った響きは、D長調。それが青になると左手パートで♭シが鳴るためD長調でなくなる。D長調では鳴るはずのない音だから。 pic.twitter.com/TDA3OZ2lDP

2016-08-22 03:24:56
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GoodEveningDave @GoodEvenigDave

ミ→ファの動きがA短調を保証していたところに、ほかの音が混じって調性を崩してくるということです。

2016-08-22 03:28:21