- Uroak_Miku
- 2215
- 2
- 0
- 0
ブルバキ数学史〈上〉 (ちくま学芸文庫) ブルバキ amazon.co.jp/dp/4480089772 線形性研究史の章が示唆に富む。ポアンカレによる外微分形式は19世紀末の発明で、グロスマン外積と同じ形式と喝破したのはカルタン、それも20世紀半ばになってから。大学教科書では一気に習うので背景がわからなかった。
2020-10-06 14:41:33ベクトル解析30講 (数学30講シリーズ) 志賀 浩二 amazon.co.jp/dp/4254114826 書名に偽りありの良書で、グロスマン外積→外微分→リーマン計量までジェットで駆け上がるかっこよさ。しかしブルバキ以後に整理されたものを数学史と絡めて語るのでどうしても説明に捻じれが生じるのが難。
2020-10-06 14:50:48[続き]線形関数で変数が二つになる場合を常微分へのアナロジーで語る頁で「どうして内積だとさっさと種明かししない?」と前に思ったけど本書は20世紀になって整理(構造化)されたもの準拠で、一から順に語っているわけね。 amazon.co.jp/dp/4254114826
2020-10-06 15:00:23線形という構造へ―次元を超えて (大人のための数学) 志賀 浩二 amazon.co.jp/dp/4314010460 これもそうですねタイトルにも「構造」とあるし。集合論がわかっていないとどうしようもない。
2020-10-06 15:06:59受験数学の秀才が、大学数学で挫折するパターンについて考えていくと、 ① 小→中→高→受験用 この順で学んだ数学 ② 各時代の数学者たちによる試行錯誤の過程 ③ 20世紀にブルバキ以後整理された数学体系 この三つが混濁するのです。一つのPCに複数のアプリが入って機能不全になる感じ。
2020-10-06 15:31:23[続き]例えば内積は高校で習うし入試でも頻出だから馴染みがあるけれど、誰がどうやって編み出したのかを大学でもろくに教えないなか、ブルバキ以後の体系で内積を学びなおす羽目になるから、①②③が混濁して受験秀才たちは数学を半ば放棄して単位取り用と割り切ってくるわけです。
2020-10-06 15:38:10教える方々も①②③すべてをカバーしているわけではなく、③に適応しきったひとがほとんどだから、学生の苦しみがわからない。そもそも②をろくに習っていないから、質問されても「諸君これも修行だ」と開き直って胸を張ったりする。
2020-10-06 15:41:16以下は補足
地球が残り千年で太陽系ごと滅びると判明して冷凍胎児や人工子宮を使って別の太陽系への子孫移植を計る際に、地球のあらゆる科学や芸術を検閲して無臭化した情報のみが外宇宙移植宇宙船とともに持ち出されるお話。おかげで宗教を有さない文明が異星に育つけれど科学も芸術も覇気がないユートピア。 pic.twitter.com/54EHwHleC7
2020-10-06 20:03:39[続き]惑星サラッサにも数学者や科学者はいるけれど、完成された体系で地球の英知を学んでいるらしい。「構造」のひとことでひたすら抽象数学を習わされる現代の数学学徒の様。
2020-10-06 20:06:32[続き]ある日、この惑星に巨大宇宙船がやってくる。太陽系滅亡の寸前にぎりぎり完成した有人移民船で、目的地はさらに遥か先の惑星。サラッサには二年留まり、地球の英知を譲りわたす。かつて検閲され無臭化された情報についてもナマモノを提供していたのかな?興味深々。
2020-10-06 20:10:17