死者の回想 よにんめ、ごにんめ、

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

彼はゆっくりと歩きだし、宿の中へゆらゆら、そして2階へと、一歩、また一歩、のぼっていく。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

辿り着いたのは、客室の中にありながらも今までは開けるのことのできなかった部屋。

ものくろ @bakeneko_mono

「…ここにしたのですね。…お開けしましょう」

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

中に入ると、そこは小奇麗な部屋だった。 宿の客室とは、全く異なる――どこか、別の家の部屋のように見えた。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

白いカーテンにはレースがあしらわれており、アンティークの家具達が、その空間を飾っている。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

机の上には、青い花が花瓶に大切そうに活けられている。 隣の写真立ての中では、少女の姿をした彼と、母親らしき女性が仲睦まじく笑っていた。 pic.twitter.com/wOkuzDiPpZ

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しかし、この美しい部屋の中心には明らかな異物が存在していた。

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…赤い、あかい花々の塊が、天井から吊られている。 それは、人間と同等の大きさに見えた。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

まるで、首を吊っているような―――。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

彼の『影』は、ゆらりとその前へと崩れ落ちた。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

座り込んだ彼は、吊られた『それ』を、ひどく緩慢な動作で見上げる。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

ほろりと、瞳から雫が落ちる。

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

ひとつ、ふたつ。 それはとめどなく、彼の頬を濡らした。 pic.twitter.com/5MWbvFTqAu

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灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

そうしてそのまま、彼は動きを止めてしまった。

ものくろ @bakeneko_mono

「…彼の『影』とは…この部屋でお会いできます」

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

女将は、座り込む少年の影を見下ろしてから、ゆっくりと顔を上げた。

ものくろ @bakeneko_mono

「…次は…、」

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

ぴたりと、女将がその動きを止める。

ものくろ @bakeneko_mono

「……」

鈴ヶ家 鳴美 @naru_tomosibi

「……？」

ものくろ @bakeneko_mono

「…次は…少々、遠い…ですね…。皆様、ご案内いたします。」

談葉道 彗恋 @tomosibisama_KS

「…………遠い？」

三日月 怜央 @aoyama_tomosibi

「……遠いんですか……？」

灯美論破【続編：化け猫論破】 @OriR_tomosibi

▽女将のあとに続き、次の場所へ向かってください。

三日月 怜央 @aoyama_tomosibi

「……」←(周りを見ながらついて行き)