堀潤アナによる国と原発事故自主避難者の交渉実況

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

今、参議院議員会館地下B107という会議室。これから原発事故によって「自主」避難を強いられている住民の皆さんと、国との交渉が始まる。自主避難者の皆さんに対しては、現在東電などからの仮払いがされていない状況。自主避難者や区域外避難者に対する今後の補償などについて交渉が始まる。

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今回の国との交渉は福島県内から東京などへ他県に避難した方々をはじめ「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」「国際環境NGOFoeJapan」等の皆さん。国が定めた「年間20ミリシーベルト」を基準とした避難区域。しかし区域外であっても住民の皆さんの不安は大きく自衛している状況。

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交渉はこの後午後１時から。国側からは、原子力損害賠償紛争審査会事務局から原子力損害賠償対策室の次長などが参加。自主避難者への賠償の審議状況などについて質疑応答が行われたあと、自主避難者が現状を訴える。

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【住民側】要請書国に提出「福島には放射性汚染のリスクとその不確実性を目の前に自分や家族を守るために避難したいのに避難できないでいる人たちがたくさんいます。避難区域外であるだけで避難は自己責任と認識され補償や行政的サポートが得られる保証がなく職場や学校の理解を得ることができません」

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【国側】「現在も賠償に向けた指針作りを行っています。損害賠償として相当因果関係が説明しやすいものについて指針を出す方針。既にまとめた一次指針に次いで、今月中に全体状況を含めた中間指針をまとめる予定。こういうことも踏まえて今後指針作りを行っていきたいと思います」

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【住民側】自主避難の住民へ直接国は聞き取りなどは行っているのでしょうか？【国側】事務局で直接聞く場合もあるし、内閣府の支援チームが聞き取りを行っている。【住民側】どういう聞き取りを行ったのかは今後明らかにしてもらえるのでしょうか？【国側】審査会として決定が為された後公表します。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】中間指針の検討過程で、資料から自主避難者への賠償に関する記述が削除された理由はなんでしょうか？【国側】まだ検討中の課題で、決定ではありません。聞き取りを行っていく中で、様々な状況で避難している人がいることもあり、検討を続けているという状況です。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【国側】自主避難の状況は色々な事情がある中でどう類型化していくのか、検討をしているところです。【住民側】きれいに類型化するというところが私たちの求めではありません。枠にあてはまらないような人たちを生むような類型化をするのではなくしっかりと賠償をしていただけるような対応を望みます。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【国側】賠償審査会の活動として、指針内でできること、和解の仲介でできること、そうしたことを組み合わせて住民の皆さんに損害が受けてもらえるようにしっかりと進めていきたいと思っています。

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【住民側】福島県内で空間線量や土壌汚染などが深刻になっている状況を受け止めてしっかりと国には検討を進めていただきたいと思います。よろしくお願いたします。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】住民の皆さんからの声を紹介します「線量が高い。家の中で毎時１マイクロシーベルトを越えます。そんな環境に子供を住まわせていいのかと不安です」という住民の声。固定資産税の支払いが当たり前のようにくる。価値がなくされたのだから補償や賠償があって当然だと思います」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】「５月に出産しました。３歳になる子もいます。駐車場で10マイクロシーベルト以上。家の中ですら0.5マイクロシーベルト前後あります。恐ろしくて住めません。子供を病気にするつもりで産んだんじゃない。借金覚悟で逃げるしかありません」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】子供たちを放射能から守る福島ネットワークのものです。私の２４歳の娘の言葉です。「私はこの地から離れたい。でも家族がここに残らなければいけないのなら、私は子供を産みません」こうした状況を国の皆さんにもわかってもらいたいです。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】自主避難しているものです。原発の事故が起きる中、避難中に欲しい情報必要な情報が全く伝わってこなかったです。流されている情報は、安全なところから呼びかけされたものばかりでした。自主避難者に対しても検査をしっかりやってもらいたい。費用負担のガイドラインの策定をお願いします」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】福島市内から自主避難しているものです。３号機の水素爆発の映像をみて山形県に避難しました。当てもなかったのでビジネスホテルに泊まりました。その後新潟東京と移り住み経済的に苦しい状況でした。現在は災害救助法の枠組みの支援でホテルに滞在しています。しかし今後も支援が必要です。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】福島中通りから家族を連れて避難しています。避難するまでの間焦りが大きくなっていきました。土地に残る息苦しさは相当のものです。水道水であっても基準値以下であるといっても私たちにはどのようなさじ加減で決められているのか計り知れないのです。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】内閣府の調査チームで、住民の声を直接聞いていると説明がありましたが、私たちの耳には届いていません。そのような活動があるのであれば、多くの人たちに周知をしてもらい、もっと広く実態をわかってもらいたいです。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】「現場の保険師さんたちから子供たちの様子がおかしいという声も増えていると聞いています。正確な情報をもって、健康被害について過大評価ではなく、しっかりと対応してもらいたいです」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】「私の家族は海外に避難しました。稼ぎもあまりないなかで、引っ越しも大変で、お金もたくさんかかって。私は国立に住んでいるんですけど。都内でも焼却灰から高濃度の放射性物質が検出され不安で。正確な情報をしっかり出して、せめて福島の方々へはしっかり補償してもらいたいと思います」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】住民一人一人からのヒアリングをしっかり行ってほしいです。 【国側】一人一人からの聞き取りはそれぞれの事情や状況がありますので、一刻も早く指針作りをすすめていかなければいけないと思っています。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

【住民側】「現場の保健師さんたちから子供たちの様子がおかしいという声も増えていると聞いています。正確な情報をもって、健康被害について過大評価ではなく、しっかりと対応してもらいたいです」

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

原発事故による自主避難を強いられている住民の皆さんと国側との本日の交渉が終わった。国側の説明で印象的だったのは「どのように類型化を進めるか」という文言が目立ったこと。かつて「消えた年金問題」の取材をした時にも「類型化」が記録が消えた住民と国との間に高い壁を作った。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

先日、宮城県石巻市で“二重ローン”の取材をした際にも「ローンを抱え支払っている状況は一人一人違う。それぞれの状況を踏まえ、支援の内容にもある程度の選択肢を設けてもらいたい」という話を聞いた。今回、原発によって避難を強いられている人たちの状況も様々だ。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

国側は今回の交渉の中で「指針作りを急ぎ、枠組み意外の状況については審査会で和解に向けた取り組みを行いたい」と説明があったがこれまでの取材実感からいくとそれでは解決までに膨大な時間がかかる。個別の事情を細部にわたって聞き取り反映させた指針内容でなければ結局迅速な救済は実現されない。

堀 潤　Jun Hori @nhk_HORIJUN

住民の皆さんが自主避難者への国の対応を求める理由として「補償されるという安心があれば自主的に避難ができる人が出てくる。今は避難区域であれば社会的な理解を得られるが国が定めた区域でなければ“気にし過ぎなんじゃないの？”と周囲から見られてしまうことも壁になっている」という声が切実だ。