社会学徒「ハグプリ（『HUGっと！プリキュア』）は不幸な作品だった」 #precure #ハグプリ

見習いのプリキュア @ccc999ccc01

ハグプリ47話、48話観ました。事実上の最終回だと思うので、最終回は垂れ流しながら、少しだけ、ひとまず言いたいことを述べますね。「ハグプリは不幸な作品だった」ということを話そうと思います。

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ハグプリの不幸とは何か。「なんでもできる、なんでもなれる」に象徴される自己実現、ひいてはアイデンティティという題材がジェンダーやLGBTといった、まとめるとポリコレの話に回収されてしまったこと。これは完全に構成のミステイク。

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具体的に言うと、15話が分水嶺で、19話でハグプリという作品のメッセージの受容のされ方が決定づけられてしまった。「女の子がギター」「男の子だってお姫様」。ここが転機だったかと。

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本来であれば、33話のような、より一般的なアイデンティティの話を先に持ってくるべきだったように思いますね。そして、その一類型に性役割を位置付けるべきだった。各論から入ってしまったなぁ、という印象を強く受けます。

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自己実現の物語としてはすごく良い素材が揃ってたんです。克己を描いたほまれの物語。社会との葛藤を描いたえみる、アンリの物語。個人を阻む自己と社会を描く素材はあった。

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41話のえみるの失語症なんていうのは、ダブルバインドなアイデンティティ葛藤状況が象徴されていて、アイデンティティの物語としてはとても良い演出だった。

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アンリにしても、33話で社会的自己と「本当の自分」（そんなものがあるとして、だが）というこれまた古典的なアイデンティティの物語が展開されていた。

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しかし、全てが遅すぎたんですね。15話から19話で鑑賞の態度が決まってしまったわけです。本来であれば、アイデンティティ確立の物語として受け止めることが「できた」。でも、構成がそれを許さなかった。そう思います。

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また、自己実現には社会との葛藤を調停するだけではなく、自らを高める克己心も必要。それはほまれの役回りだったように思います。すなわち、スケートですね。

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しかし、彼女のスケートシーンは思いの外薄くて、いつのまにかハリほまというカップリングが中心になってしまった。もちろん、恋愛は人の成長に貢献しますが、個人的にはもっとスケートを描いてほしかった。だって彼女がプリキュアになれた契機はそれですからね。

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ハグプリは神作品です。 pic.twitter.com/GiFAVKZGbD

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もう一度言います。ハグプリは神作品です。 pic.twitter.com/cJDiGfwmyD

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ラストシーン、バックで流れるOPに出産の絶叫を被せるのは確かに度肝抜かれるな。

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僕がハグプリで好きな回は承認を経糸とした回ですね。11話や35話、秋映画もですね。これは「応援」というテーマにも沿うものだったし「育児」とも通底する。

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しかし、惜しむらくは決定的に育児をしていないという。いや、していないは言い過ぎかもしれないが、「赤ちゃんを連れてるだけ」であることが多かった。だから48話で急に「赤ちゃんはみんなで育てる！」とか言い始めて度肝抜かれた。マジか、と。

見習いのプリキュア @ccc999ccc01

まとめると、1.構成が厳しい（各論から入ってしまった）、2.主要テーマである「育児」深掘りされなかった。これがハグプリの不幸の根源であったように思われます。特に決定的なのは1.ですね。 えみるを生んだ功績はありますがそれだけではペイできない欠点です。ｵﾜﾗｾﾃｲﾀﾀﾞｷﾏｧｽ!!

見習いのプリキュア @ccc999ccc01

えみルーのラストのまずさって、えみるがトラウムと同じ轍を踏むようなことをしているってことなのよね。すなわち、かつて出会ったルールーの代用としてミニルールーを作ってしまった。