プロバイダから意見照会書が届いた方へ、パターン別ごとの自分でできる反論【藤吉修崇弁護士】

発信者情報開示請求について
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藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

【プロバイダから意見照会書が届いた方】 訴訟と無縁な生活の人が突然誹謗中傷の発信者情報開示請求をされる恐怖は大きい。 しかし、意見照会はあくまで手続きのスタートに過ぎず権利侵害はないと反論できる場でもある。 以下にパターン別ごとの自分でできる反論をまとめたので参考にして欲しい。

2020-11-15 10:47:28
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

プロバイダから「発信者情報開示に係る意見照会書」が届いた時点で、Twitterなどに書き込んだ内容が誹謗中傷にあたるとして、IPアドレス開示の仮処分が出ている。しかし、仮処分はこちらに反論の機会はなく迅速な手続きに過ぎずひっくり返る可能性もある。大切なのは意見照会書で適切な反論をすること

2020-11-15 10:47:28
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

プロバイダへの発信者情報開示請求訴訟は、プロバイダと請求者で争う。弁護士に意見照会書の作成を依頼することもできるが、自分で書くことも可能。 では、意見照会書でどのような反論をすればいいのか、 開示請求を受けた誹謗中傷を ①名誉毀損型 ②プライバシー侵害型 ③侮辱型 に分けて解説する。

2020-11-15 10:47:29
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

【名誉毀損型】 「藤吉修崇は弁護士資格を持っていない」など、事実無根のことで対象者の評判を落とす書き込みが該当する。 この場合は、書いた内容は真実だと根拠を示すこと、できない場合は、投稿によって評判が下がっていないと主張することもできる。 例:彼は単なるYouTuberだと認識されている

2020-11-15 10:47:29
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

最近、わりと有名なビジネス系YouTuberの経歴詐称が話題となった。 もしも彼の経歴が嘘だったと批判して、開示請求を受けた場合は、経歴を詐称の裏取りをした上で、その資料を添付して根拠があったと意見照会書で丁寧に記載をすればいい。 書いた理由もそれっぽく書く。 被害者を増やさないためなど。

2020-11-15 10:47:29
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

【プライバシー暴露型】 「こいつにはこんな秘密がある」などと相手が公開していないことを書いた場合。 すでにネット上では広まっている情報なら「書き込み前から公になっている」と主張すればいい。 そして重要なのが「書き込んだ内容に何らかの価値がある場合は誹謗中傷にならない」ということ。

2020-11-15 10:47:29
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

「あの弁護士が不倫している!」などと書いた場合、一見プライバシーを侵害しているように見えるが、その弁護士が離婚問題を仕事としていた場合はどうだろう。 パートナーの不倫に悩んで弁護士を探している依頼者にとって、弁護士を選択する判断基準になるため、誹謗中傷にならない可能性がある。

2020-11-15 10:47:30
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

【侮辱型】 容姿や人格の否定など、書かれた側の心情を著しく害するものが該当する。 侮辱したことで開示請求された場合、書かれた人がどれくらい我慢の限界が超えたかが問題になる。 客観的にはなかなか証明しにくいが、書かれた側の普段の言動や立ち振る舞いを軸に反論をしていくのがいいだろう。

2020-11-15 10:47:30
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

あるYouTuberに「気持ち悪いんだよハゲ」と言及したとして開示請求された場合。 彼がYouTubeのサムネなどでわざとインパクトのある変顔をしてそれを売りにしていたり、他の人に対して普段から同じように悪口を言っていたりするなら、そこを主張すれば「誹謗中傷に当たらない」となる可能性はある。

2020-11-15 10:47:30
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

大きく分けると以上になる。強調しておきたいのは、これは開示請求を逃れるテクニックではない。匿名で誹謗中傷をするべきではないし、軽い気持ちだったとしても相手を深く傷つけていたら反省すべき。 ただ私の事務所に来る開示請求された人の相談でも「それは訴えられて仕方ない」というケースは多い

2020-11-15 10:47:30
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

誹謗中傷は根絶すべき。 書いた側はちょっとした嫌がらせのつもりでも、書かれた側は生きているのが苦しいほど精神的に追い詰められることもある。 苦しみ続けて弁護士を頼ってきた人のために長年誹謗中傷問題に取り組んできた。 発信者情報の開示請求は、そうした苦しむ人たちを助けるためのもの。

2020-11-15 10:47:31
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

一方、懸念すべきことは誹謗中傷にあたるか微妙な書き込みまで開示請求をちらすかせ、相手を萎縮されるようなケースも増えている。そんなものは、単に法律の使い方を完全に誤っているいるとも考えられるし、本当に苦しんで困っている人が開示請求をするうえで影響も出てくる。

2020-11-15 10:47:31
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

真っ当な批判で開示請求されたとしても、そして万が一「開示の仮処分決定が出ている」としてもまだ諦める必要はない。 これまでのことを参考に意見照会で主張すべきことをするべし。弁護士に依頼するのも手だが費用がかかる。 スラップ気味の無理な開示請求は自分でも対応可能だと知っておいてほしい。

2020-11-15 10:47:31
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

誹謗中傷は無くすべきだが批判とはきちんと区別されるべき。 開示請求はネット上で謂れのない悪意を向けられた人を助けるためのもので、自分の反対意見を封殺する道具では決してない。 開示請求が怖くて批判の一つも言えない建前と賞賛の声ばかりのインターネットなんてクソつまらないでしょう?

2020-11-15 10:47:31
藤吉修崇@YouTuber弁護士・税理士 @fujiyoshi_ben

こちら私が誹謗中傷問題に取り組む理由を語っているので参考にしてほしい。 できればチャンネル登録などをしてもらえると泣くよ。 youtu.be/baHYne733yA pic.twitter.com/GipsATOJK8

2020-11-15 11:03:55
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