2011年7月18日

生人形と喜三郎

人形に秘められた謎
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カルヴァドス @cornelius0321

①横溝正史の『幽霊男』に河野十吉という人形師が出てくる。河野の人形は等身大で生身の人間にそっくりという設定だ。

2011-06-19 23:35:27
カルヴァドス @cornelius0321

②かつてこの河野のような人形師は実在した。熊本出身の松本喜三郎(1825年~1891年)とその周辺の人物である。松本たちの人形は「生人形(いきにんぎょう)」と言われた。

2011-06-19 23:35:18
カルヴァドス @cornelius0321

③確証はないが、横溝作品に出てくる本物そっくりの人形は、こうした「生人形」の可能性が高い。映画の『幽霊男』にも、生人形のような工房が出てくる場面があった。

2011-06-19 23:35:06
カルヴァドス @cornelius0321

④松本喜三郎について、7年ほど前に大阪と熊本で、初の本格的展覧会が開かれた。 http://t.co/nJhlbAM http://t.co/Gy547Fs

2011-06-19 23:34:48
カルヴァドス @cornelius0321

⑤私も行ったことがあるが、会期終了直前だったので、図録はもう完売だった。最近ようやくこの展覧会の図録を手に入れた。

2011-06-19 23:34:37
カルヴァドス @cornelius0321

⑥それによると、こうした人形師は「職人」という範疇に属し、大学教授や大御所が支配する美術界からは、蔑視され、黙殺に近い扱いだったという。

2011-06-19 23:34:27
カルヴァドス @cornelius0321

⑦生人形は、祭りの見世物として作られ、歌舞伎や怪談話をモチーフにしたものが多く、恐怖に満ちた人形の表情は、とても木製と思えぬほど真に迫っていた。

2011-06-19 23:34:16
カルヴァドス @cornelius0321

⑧喜三郎の人形のほとんどは、現在では散逸・紛失してしまった。しかし、「貴族男子像」というのが、完全な状態でスミソニアン自然史博物館に所蔵されている。

2011-06-19 23:34:06
カルヴァドス @cornelius0321

⑨この「貴族男子像」、あるアメリカ人の依頼で喜三郎が制作したもので、もとは「貴族女子像」と一対だった。「男子像」は頭から足先まで人間そっくりで、本物の人毛を使うほどの徹底ぶりだった。しかし、「女子像」のほうは、「消失してしまった」のだそうだ。

2011-06-19 23:33:56
カルヴァドス @cornelius0321

⑩しかし、これに関して図録には「惜しむべきは失われた女子像の行方である。男子像の完璧な保存状態を考えれば、女子像が大破によって消失したという理由にリアリティがない」と書いてある。

2011-06-19 23:33:45
カルヴァドス @cornelius0321

⑪さらに、「ならば、その女子像の大破とは、何ゆえのものだったのか。人体標本以外の機能について、その消失が語るものこそ、生人形の存在の本質を開示するような気がしてならないのだ」とも書いてある。

2011-06-19 23:33:35
カルヴァドス @cornelius0321

⑫真実というのは、「文字に書かれたこと」よりも「書かれなかったこと」のほうにあることも珍しくない。私もこれ以上書くのは控えるが、おそらくは今も誰かが所有する「女子像」が「どのような使われ方をしてきたか」が垣間見える。

2011-06-19 23:33:26
カルヴァドス @cornelius0321

⑬そして「このような人形の使い方」がしばしば横溝作品にも出てくることを考えれば、あながち作者の創造によるものではなく、「人形」に関する珍奇な事件がはるか昔の日本や海外にあったのではないかと思われる。だとすれば、小説よりも恐ろしい話である。<この話題終わり>

2011-06-19 23:33:15

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