柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 『第一話 柳生十兵衛、町田に来襲』
- YYYYY_revival
- 776
- 4
- 0
- 0
【文庫一冊分量で大完結済】 柳生一族が支配する暗黒現代日本の町田を舞台に狂人・柳生十兵衛と異常怪人軍団(武装メカ女、柳生ベイダーなど)が大激突するエンタメ小説『柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』の再放送アカウントです。 kakuyomu.jp/works/11773540… カクヨムでは絶賛完結済み!
2020-11-01 15:40:08togetter.com/t/YYYYY こんな感じの内容です。カクヨム版連載当時の大盛り上がりの実況はこちらのURLから参照可能です。 pic.twitter.com/ARe0Ymv9Zk
2020-11-01 15:42:52柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 第一話 柳生十兵衛、町田に来襲
2020-11-03 18:03:21柳生暦37564年、死都町田は大いに色めき立った。押しも押されぬ柳生界のスーパースター、柳生十兵衛がこの街に表敬訪問に訪れるという。十兵衛の首を獲れば金も狂気も思いのままぞ。十兵衛、ブッ殺るべし。柳生、ブッチ斬るべし。 1
2020-11-03 18:08:15かくして東洋一の大魔窟、町田に蠢く海千山千魑魅魍魎有象無象の怪人物どもは、一目散に打倒十兵衛に突き進むこととなった。口裂け女markⅡがいた。内臓館の女主人 マダム・ストラテジーヴァリウスが蘇る。柳生一族に復讐を誓う生き生首、千利休改め二兆億利休が怒る。 2
2020-11-03 18:13:16“濃尾平野の三年金縛り太郎” “一人タイガー&ドラゴン”こと、悪夢堂 轟轟丸が二千万騎の構成員と突っ走る。新陰流史 最悪の忌子、柳生ベイダーがとなりの村からやってきた。人間兵器庫 ウォーモンガーたみ子が全身から銃弾を乱れ撃つ。 3
2020-11-03 18:18:16そしてここにもう一人…男、滅びの二分間で十兵衛の剣を二度止めた男がいる。名をマサと言った。その日からは百手《へカトンケイル》のマサと呼ばれた。結論から言うと、柳生十兵衛はとんでもなく強かった。 4
2020-11-03 18:23:18町田に足を踏み入れて初めの一太刀で住民の八割が即死し(ここで市長が死んだ)、二太刀目で残りの大半も死んだ(ここで副市長も死んだ)。マサは二太刀目を受けきるとすっ飛んで逃げ、三日が経った。昼、サイレンが街に響く。市役所の防災無線だ。 5
2020-11-03 18:28:20市民の皆さん こちらは 防災 放送 です 柳生 十兵衛が 本町田一丁目から 三丁目に 出没しています お近くの方は 大至急 あきらめてください職員は全員死んだはずなのに放送だけは続けている。律儀な連中であった。鶴川駅前、廃バラック群の一つからマサがのそのそと這い出た。 6
2020-11-03 18:33:22「兄貴!今日こそ十兵衛をぶっ殺しに行くんでしょ!」「やっぱりアニキはすげえや!」近くの浮浪児たちが駆け寄ってくる。みな、あの日に十兵衛に親を殺されたり、もしくはそれ以前に勝手に親を殺したりしたみなし子たちだ。 7
2020-11-03 18:38:20「言ってるっしょ、まだ機じゃないって」その言葉は嘘ではない、が、誤魔化しではあった。マサは十兵衛の剣を二度止めた。だが、それだけだ。あたり一面を首なしの群れへと薙ぎ変えた十兵衛の魔剣を確かに二度止めた。 8
2020-11-03 18:43:21が、そこで剣は折れ、十兵衛に一太刀入れることも構わず、あとはほうほうの体で遁走し、このバラック群に落ち着いた格好だ。「剣がいるんだよ…ヤツと張り合える剣が」 9
2020-11-03 18:48:19とはいえ…いつまでもここで燻る訳にも行くまい。何より、この子供たちをあしらい続けるのも骨だった。期待外れと思えば、その晩には寝首を掻いて懐を漁りにくるような連中だ。 10
2020-11-03 18:53:22そう言って子供をあしらうと、マサは歩き始めた。町田でそうした魔具を求めるなら、行くところは一つ、内臓館だ。だがマサは内臓館には出禁の身。たとえ出禁が解かれたとしても、ジャージに無精髭のこの風体ではどのみち入店拒否だろう。出禁はさておき、身だしなみは整えねばなるまい。 11
2020-11-03 18:58:20バラック群を抜けて、大通りに出る。昼と言うのに人気は全く無い。これは十兵衛により町田の人口が激減したからではなく、元からの光景であり、単純に町田の治安の問題だ。この辺りには追い剥ぎホスト団が良く出る筈だ。マサは考えた。 12
2020-11-03 19:03:21連中を狩れば人並みの服が手に入る。カウンター追い剥ぎはアパレル業界が壊滅した町田では最も手早い衣服調達手段の一つである。もっとも、奴らも十兵衛に一掃されていなければの話だが…「これは…手間が省けたかな?」 13
2020-11-03 19:08:13通りには既に追い剥ぎホスト団の無残な肉片が——翔の、龍我の、そしてNo.1ナオキの残骸が散らばっていた。追い剥ぎホスト団の肉体の徹底的な破壊ぶり、生半可な破壊力の相手ではあるまい。そして死体には、まだ熱が残っていた。 「いや、却って手間が増えたか…」 14
2020-11-03 19:13:20マサの表情が曇り、手近な瓦礫に身を隠す。キュラキュラキュラキュラ…キャタピラの音が辺りに響いた。マサは察した。あのウォーモンガーたみ子が近くにいる。直接対峙したことは無いが、凶暴なバトルサイボーグと名高い。この惨状を見ても、油断ならないのは明白だった。 15
2020-11-03 19:18:20「もういねぇかァー!?泣くホストはいねぇかァー!?」威圧的な叫びとともに、右腕に直結接続されたガンランチャーを振り回しながらウォーモンガーたみ子がビル陰から現れた。彼女の本来の下半身に代わって換装されたキャタピラは、瓦礫を物ともせずに辺りを自由に動き回る。 16
2020-11-03 19:23:20直後、たみ子の死角、廃ビルの屋上からコールと共に斬りかかるものあり。「ナオキが死んでーッ!自分が殺らないーッ!?訳がないーッ!友情一気友情一気、友情一気!」元No2の聖也である。(ナオキの死によりNo1に昇格) 17
2020-11-03 19:28:21自由落下の勢いのついた背後からの一撃。タイミング、間合い共に申し分ない。「へェ」陰からそれを見るマサも密かに感心した。所詮は追い剥ぎホスト団と思っていたが、あの一撃ならあるいは。『シンギュラリティ…』 18
2020-11-03 19:33:23視線すら向けることなく、たみ子の肩に直結接続されたドゥームミニガンが反転し、聖也を狙う。BRATATATATATA!ドゥームミニガンからの銃弾の濁流が聖也を粉々に粉砕し、地面に着地する前に原型を留めぬゴアミンチと化した! 19
2020-11-03 19:38:20「あれは、レーダーか…?ありゃ相手にしたくないな…裏から回るか」「そこに隠れてる生肉あと一匹ーッ!大人しく出てきたら惨たらしくぶっ殺してやッヨ!」「バレてるか…ま、不思議じゃないよな」マサは瓦礫から大人しく姿を現す。 20
2020-11-03 19:43:19キャタピラのキュラキュラ音を響かせ、ウォーモンガーたみ子がマサに正対するように移動する。右手には直結ガンランチャー、右肩にはドゥームミニガン”エターナル”、左肩には低反動キャノン”ブルータル”の二門、左右の腰には三連ミサイルランチャー。 21
2020-11-03 19:48:19左手が空いているのは、いつでも中指を立てられるようにするためだ。腰から下は全地形対応型バーニア機能付きの無限軌道。髪型はツインテール、赤の眼鏡、一見可憐ですらあるその顔を、場所問わず打ち込まれた大量の鋲ピアスが一気に暴力的に仕上げている。 22
2020-11-03 19:53:18