夏の京都の風物詩
0
カルヴァドス @cornelius0321

「報道ステーション」の前身番組が、久米宏キャスターの「ニュースステーション」だった。このニュースステーションの開始前に、サントリー提供の「味の招待席」という5分間のミニ番組があった。

2011-04-20 23:24:32
カルヴァドス @cornelius0321

「味の招待席」は、関西落語界の重鎮である桂米朝師匠が司会を務め、関西各地の名店の料理をその作り方から紹介するという番組だった。米朝師匠の洒脱な語り口によって、紹介された店の料理を食べたいという気になったものだ。

2011-04-20 23:24:19
カルヴァドス @cornelius0321

ある時、鱧(はも)料理を紹介する回があった。鱧といえば京都の夏の料理に欠かせない食材だ。京都市は内陸で海がないため、腐りやすい魚は使えない。鱧は非常に生命力のある海魚なので、漁港から京都市内まで生きたまま輸送できる。

2011-04-20 23:24:09
カルヴァドス @cornelius0321

こうした鱧の特性を生かして、京都では鱧料理が好まれるようになった。中でも、ひらがなの「つ」の字になっている鱧が良いのだそうだ。私は、米朝師匠の語りによって鱧についてのこんなエピソードを知った。

2011-04-20 23:23:58
カルヴァドス @cornelius0321

2年ほど前の夏、仕事先の人たちと京都の貴船に行った。夏の貴船は「川床」料理で知られており、風情がある。私たちは貴船のある料理屋で「鱧懐石」を食べることにした。席に着くと私は、先ほどの鱧のエピソードを、仕事先の人たちに話した。

2011-04-20 23:23:47
カルヴァドス @cornelius0321

しばらくしてその店の仲居さん(中年女性A)がビールを持ってきたので、私はその仲居さんに、「あの…、鱧って海の魚ですか、それとも川魚ですか」と聞いてみた。もちろん私たちはその答えを知っている。暇つぶしにわざと聞いてみたのだ。

2011-04-20 23:23:34
カルヴァドス @cornelius0321

私は内心、「へえ、鱧は海の魚どす。京都は海がないよって、生命力のある・・・・」という回答が仲居さんから聞けると思っていた。

2011-04-20 23:23:20
カルヴァドス @cornelius0321

するとその仲居さんは「さあ、そんなん考えた事ありませんわ。ほら、川床いうくらいやから川魚でしょ」と答えた。

2011-04-20 23:23:06
カルヴァドス @cornelius0321

この仲居さんはたまたま知らなかったのだと思い、今度は別の仲居さん(中年女性B)に同じことを聞いてみたが、返ってきた答えは、BさんもAさんと同じく「さあ知りませんわ」だった。

2011-04-20 23:22:51
カルヴァドス @cornelius0321

仲居さんが変わるたびに、私が同じ質問をわざとするので、周りの人たちは笑いをこらえるのに必死の様子だった。その店では、中年女性の仲居さんは「鱧が海魚なのか川魚なのか知らないし、考えたこともない」という意外な調査結果が得られた。

2011-04-20 23:22:29
カルヴァドス @cornelius0321

今度は、若いお兄さんが料理を運んできたので、私は同じ質問をしてみた。すると彼は「鱧は海魚です。鱧は生命力があるので、夏の京料理に使えるんです」と答えた。次に、若いお姉さんが料理を運んできたが、この彼女もまた鱧が海魚であると答えた。

2011-04-20 23:22:14
カルヴァドス @cornelius0321

このお兄さんとお姉さんは、たぶん夏休みにアルバイトしている大学生だろう。短期間だけのバイトの学生さんが鱧のことを知っていて、その店の年季の入った従業員である中年女性の仲居さんたちが鱧のことを知らなかったというのがなんともはや・・・・。<この話題終わり>

2011-04-20 23:21:52