スマード・グリッド導入や発送電分離、電力事業への新規参入促進などはサイバー攻撃に対する脆弱性を高めることはないか?

専門外故に知識が限定的だが、脱原発や再生可能エネルギー促進などの文脈でしばしば語られる、スマート・グリッド導入や発送電分離、電力事業への新規参入促進などの議論において、安全保障の観点、特にサイバー攻撃への脆弱性という観点からの検討がどこまで行われているのかが少々気になる。分散型の電力供給のスタイルはサイバー攻撃に対する脆弱性を高めることはないか、という問題提起。
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fj197099 @fj197099

完全に専門外なので知識が限定的だが、脱原発や再生可能エネルギー促進などの文脈でしばしば語られる、スマード・グリッド導入や発送電分離、電力事業への新規参入促進などの議論において、安全保障の観点、特にサイバー攻撃への脆弱性という観点からの検討がどこまで行われているのかが気になる。

2011-07-19 21:13:41
fj197099 @fj197099

基本的には、これらの議論にはこれまでの電力業界の中央集権的なお役所体質を改め、もっと自律分散型で民間の活力と柔軟性を生かせる体質への転換が必要だとの意識が感じられるが、それ自体は尤もだとしても、同時に気になるのはそれで国家安全保障上のリスクが高まることはないのかという点である。

2011-07-19 21:17:55
fj197099 @fj197099

スマート・グリッド導入は従来の中央制御方式を改めて中央から末端までの多数の制御機器をネットワーク化することで電力の需給調整の最適化を図るというものだそうだがこれは要するにサイバー攻撃の観点から言えばハッキング可能な「端末」ないし「結節点」がそれだけ多いということになりはしないか。

2011-07-19 21:21:04
fj197099 @fj197099

良くは知らないが、どれか一つの「結節点」でも侵入に成功してしまえば、容易に他の制御機器もコントロール化に置くことができ、広範囲の停電や電力不足を引き起こせてしまう結果になるのではないか。中央制御方式なら管理可能だったサイバー攻撃への脆弱性をわざわざ高めてしまう結果とはならないか。

2011-07-19 21:24:06
fj197099 @fj197099

発送電分離や電量事業への新規参入促進もこれと同じ効果がありそうである。これまでは電力の供給者が限定されていたからサイバー攻撃への対処もある程度国家の管理化で行うことが出来たが、電力事業への新規参入が相次げばサイバー攻撃への脆弱性克服を管理するのは極めて難しくなるだろう。

2011-07-19 21:26:30
fj197099 @fj197099

要するに「規制緩和を促進すれば新規参入が相次ぐ代わりに国家の管理は甘くなる」というお馴染みの現象である訳だが、電力事業が他の事業と異なるのは、エネルギー供給は国家(と国民)にとって戦略的重要性を持つ事業だということである。サイバー攻撃に脆弱な供給者ばかりが増えればリスクが高まる。

2011-07-19 21:28:22
fj197099 @fj197099

実の所、最近の米国ではサイバー攻撃についての議論が喧しくRichard A. Clarke著のCyber War(邦訳あり)等の著作の影響もあって懸念されているのだが、この本の中にも将来の戦争では国家の電力網は必ず狙われる旨の記述がある。電力を断たれれば全てが動かなくなるからだ。

2011-07-19 21:32:03
fj197099 @fj197099

この種の問題ではそもスマート・グリッドの発想を米国から借りてきたように米国に議論の一日の長があるが、その米国でさえ検討はまだ不十分という段階で、対策は十分に行われていない模様である。それを考慮すれば日本が現在焦って自律分散型の電力供給のあり方に早期に移行すべきかはやや疑問である。

2011-07-19 21:35:02
fj197099 @fj197099

この話は同時に「リスク」の捉え方についての熟考を要するということも示している。分散型の電力供給は、原発が一箇所に集中していることから、事故が起これば電力供給が不安定になる懸念故の発想と思うが、同時にそれはサイバー攻撃に弱いという分散型特有の脆弱性を有しているようにも感じられる。

2011-07-19 21:37:22
fj197099 @fj197099

こういう事情を勘案すれば国家にとって戦略的重要性を要する電力供給についての議論は(脱原発云々を抜きにしても)少々慎重に行わねばならないのではと思える次第である。いろいろ新しい案は出ているがどうも国家安全保障という観点からの議論が十分とは思われない。慎重な検討が欲しいところだ。

2011-07-19 21:39:32