- light_snow
- 26508
- 19
- 3
- 0
この台湾沖航空戦、みんなネタとして使うけれど実態を知っている人はどのくらいいるのか謎である。知らん人のために言うとこの航空戦で「敵機動艦隊撃滅」とされ、それを信じた大本営はフィリピンで決戦を決意してレイテ沖に行っちゃうのだが実際は一隻も沈めていませんでしたという歴史的誤認である。
2020-11-27 17:36:07何ゆえに誤認が起きたのかというと、まず使用されたT部隊の問題である。精鋭を集めたT部隊であったが、陸軍は当然ながら初雷撃かつ夜間攻撃だ。熟練でさえ魚雷命中を正確に判断するのが難しいのに、初陣の彼等に命中の正確性を求めるのは酷である。必然的に「火が見えた→命中」と誤認してしまう。
2020-11-27 17:40:20また人情の問題もある。何しろ何機もの戦友が目の前で爆発四散しているのだ。彼らの犠牲が無駄ではなかったと思いたいが為に「命中した」と判断してしまうのは無理からぬ事だろう。他にも技術的なアレコレもあり、前線部隊による戦果誤認は必然であるともいえた。 問題なのはソレを受けた側である。
2020-11-27 17:42:10通常、搭乗員の戦果報告を受けた参謀などは検討会を開いて「どのくらいが正確な数値なのか」と判断する。前述の理由で搭乗員たちが正確な報告をするのは当然ながら不可能だ。そのため帰投した搭乗員全員の報告などから現場の状況を仮定し、出来るだけ正確な戦果を出す必要がある。
2020-11-27 17:46:09どっこい、この台湾沖航空戦の際、司令部は何をトチ狂ったのか搭乗員の報告を全部鵜呑みにして「敵機動部隊壊滅」を大本営に報告しちまったのである。流石に後に我に返ったのか改めて検討会を行い、修正を大本営に提出したが大本営は最初の報告通りの戦果、即ち「敵機動部隊壊滅」を公表したのである。
2020-11-27 17:48:49結果として大戦果を誤認した海軍さんはレイテに突入、ボコスコに叩かれて連合艦隊は海の底に沈む事になってしまった。そして陸攻隊にとっても、この台湾沖航空戦が最後の舞台となった。この航空戦でT部隊は敵機動部隊を全滅(誤認)させたが、自分たちも致命的な打撃を受けてしまったのである。 pic.twitter.com/seo59Ig3q9
2020-11-27 17:51:56一式陸攻34型と陸攻の黄昏
さて、この頃に前後して一式陸攻の最終型である34型が造られた。これは完全防弾を目指した一式陸攻の究極体ともいえる形式である(写真は輸送機型)。 pic.twitter.com/hX17oQZNLI
2020-11-27 17:58:24この34型、最大の特徴は何といっても「完全防弾」である。従来のインテグラルタンクを捨て、防弾タンクを積み込んだのだ。これにより防弾能力は向上…と言いたいところだが、材料の「カネビアン」の生産が進まず、しかもこの頃になると陸攻が活躍できる場面はありませんでしたとさ。トホホ…。
2020-11-27 18:06:42広告枠
みんな陸攻好きだね。じゃあオレの作品も読んでけ。 ツイだけRTして宣伝をRTしない奴にはマラリアになる呪いを掛ける。読まない奴は非国民だ! kakuyomu.jp/works/11773540…
2020-12-10 18:42:42