『ドキュメント 日本会議』(ちくま新書)、発売です! 改憲勢力の枢要な一角を占め、会員約4万人を擁するこの組織は、どのように形成され、どこへ行こうとしているのか?「右派」全般を取材してきた朝日新聞の藤生明氏が、関係者への丹念な取材と膨大な一次資料で、その実像に迫ります。ご一読を! pic.twitter.com/xla7fobrH4
2017-05-10 18:27:34藤生明『ドキュメント日本会議』(版元:筑摩書房サイト・Amazonページ)
大学非常勤講師(哲学)。著書に『海を渡る「慰安婦」問題』(共著、岩波書店)、『憎悪の広告』(共著、合同出版)、『まぼろしの「日本的家族」』(共著、青弓社)、『右傾化・女性蔑視・差別の日本の「おじさん」政治』(共著、くんぷる)など。 threads.net/@nogawamotokazu
藤生明氏の『ドキュメント 日本会議』(ちくま新書)を読了。昨日今日の関心によるのではない、時間をかけた取材の成果であることがつたわる手堅い記述。 chikumashobo.co.jp/product/978448…
2017-05-23 23:29:41他方、元になった『朝日新聞』での連載タイトルが「日本会議をたどって」であったことからもわかるように、日本会議の「いま」よりは「これまで」に重点が置かれているのは評価の別れるところではないか。来歴を理解するのは重要だが、個人的には喫緊の課題にももう少し焦点をあてて欲しかった。
2017-05-23 23:33:56また、これは藤生氏だけの問題ではなく、昨年来刊行された日本会議本の著者のほとんどが男性である(共著である金曜日刊の『日本会議と神社本庁』への山口智美さんの寄稿が唯一の例外)ことともおそらく関係するが、日本会議の中心的なイデオローグたちのリプロへの関心が軽視されすぎ。
2017-05-23 23:37:40たしかに現在の日本では、アメリカなどとは違って人工妊娠中絶が選挙戦の争点になったりはしない。しかしグラフの捏造が問題視された「妊活」教材のように、少子化を口実としてリプロダクティヴ・ライツに介入しようとする動きは現にある。注意すべき現象の一つだろう。
2017-05-23 23:41:55日本会議の「これまで」を理解することは過去数十年の日本社会の歴史を理解するうえで重要なのは間違いないんですね。刊行直前に、安倍首相が2020年を目処とする改憲、などという生臭すぎるメッセージを出したことで割りを食った、というところはあるかもしれません。
2017-05-23 23:53:42まあ、日本会議というのはかなりゆるやかな主張を中心に糾合した集団であるうえに、その代表的なイデオローグたちの主張も多方面にわたっているので、一般読者向け書籍一冊でその全貌を伝えきるのが困難なのは確か。関心をお持ちの方には、できれば関連書籍を最低2冊は読んでいただけたら、と思う。
2017-05-24 00:01:41アメリカの田舎にくらすフェミ。文化人類学なども。blueskyアカウントはtomomiyg.bsky.social mastodon yamtom@fedibird.com
藤生明氏の『ドキュメント日本会議』(ちくま新書)は私も先日読んだばかり。能川さん@nogawamが言われるように、長年の丁寧な取材ぶりは伝わってくる筆致で、勉強になるところもあった一方で、なぜここまでジェンダー関係をスルーするのかがわからず。これはあまりに大きな欠落だと思う。
2017-05-23 23:43:41日本会議やそれにつながった組織(生長の家など)にとって、優生保護法に関する72年、82年の2度にわたる政治的な動きは非常に大きなものだったはずなのに、藤生本では一切扱われていない。リプロは完全にスルーされている。
2017-05-23 23:46:49藤生本ではさらに、2005年の「つくる会」シンポの記述があるのだが、シンポのタイトルや八木秀次、西尾幹二の発言で「ジェンダーフリー」が連呼されている様子が書かれているにもかかわらず(pp..103-104)「ジェンダーフリー」についての説明が一切ないのはどうしたことかと。
2017-05-23 23:49:25藤生氏が日本会議の取材を開始したのはこの本の記述からは2003〜4年だと思われる。それはフェミニズムへのバックラッシュの最盛期に当たり、日本会議の中でも主要テーマの一つだったはず。その時期に取材していたならその動きを知らないとは考えられない。にもかかわらず書かなかったのはなぜか。
2017-05-23 23:51:36さらに藤生氏の本(のみならず昨年来出た日本会議本もそうだが)では、日本会議に関わった女性たちがほとんどでてこない。出てきても名前の羅列に止まったり、名無しだったり、セリフが一つだけだったり。最後の方にやっと稲田朋美と櫻井よしこがセリフ付きで出てきてたくらい。
2017-05-23 23:54:30熊本の支部の以前の取材に基づいた記述とかは興味深かったが、熊本の日本会議の事務局長という人が取材時は少なくとも女性で、この人の扱いがなんか軽くて勿体無いなあとも思った。また、能川さんが言われる現在の問題に踏み込んでいないことは私も同様にもどかしさを感じた。
2017-05-23 23:56:46目次を見たら「歴史戦」という単語が登場するので、「おお、ようやく私たちの本に続いて「歴史戦」キャンペーンを取り上げてくれる本が現れたのか!」と喜んでたら、実は現在のことには殆ど触れてなかった、という…… twitter.com/yamtom/status/…
2017-05-24 00:54:24そうなんですよね…靖国についても、安倍の参拝については一言言及があるのみで、現在のことが避けられている印象すらあり….歴史的背景を追うのは重要だけど、もう少し現在と繋げて議論してもいいのではと思いました。 twitter.com/nogawam/status…
2017-05-24 00:57:18@yamtom 日本会議の「これまで」については、今後の調査研究が参照すべきレベルを画するに足る内容になっているだけに、「いま」「これから」についてももうちょっと踏み込んでくれたら……と思うんですよね。関連書籍の中では現時点で最後発ですし。
2017-05-24 01:03:59同感です。そして、取材している新聞記者さんの仕事であるからこそ、「いま」への踏み込みに期待したいところで…. twitter.com/nogawam/status…
2017-05-24 01:06:48まあ、「あれを書け」「これが書いてない」という注文に100%応えようとしたら、時事的な本など書けないのは私ごときでも痛感しているので、天唾な注文なのかもしれませんが。
2017-05-24 01:07:41おまけ
結局、95年から右派は選択的夫婦別姓への反対運動を気合いを入れて続けてきたし、反対している山谷えり子、衛藤晟一、高市早苗議員などの面々を見ても、当時から一貫した動きとしか言いようがない。すなわち日本会議系右派によるバックラッシュが今も続いているという状況。asahi.com/articles/ASNDH…
2020-12-15 20:33:46日本会議サイトにある、同会が関連する運動の年表だが、7年(1995年)以降、同会や、女性部の日本女性の会が熱心に選択的夫婦別姓反対運動に取り組んできたことがよくわかる。nipponkaigi.org/activity/ayumi
2020-12-15 21:28:04@TR_727 今回の選択的夫婦別姓をめぐる自民党や右派論者の動きを見て、「日本会議本ブーム」というのはなんだったんだろうと私も思ってました。これほどまでに中心的課題であり続けてるジェンダー関連が見事に軽視されてしまったあの「ブーム」とは...
2020-12-17 05:49:03