シャドウランでスパイに対処する話

ヤネウラ @yanegann

このあいだ遊んだシャドウランのテーマは「ミスディレクション任務」。 真実を気づかせないために行う陽動としてのランは「こっちは計画の本筋じゃないのか」と思っちゃうとPLの快感は薄れがち。でもマンネリを避けるために、シナリオの幅は広げたいので、ちょっと工夫してみました。 ＃シャドウラン

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田中綺羅星（女・人間）） 17歳のミスティック・アデプトでモノフィラメント・チェンソーの武器収束具を持つチェンソー・ウーマン。以前、魔法を解いてもらうかわりに泉の精霊に毎日の日記と精霊を召還する能力を捧げる契約をした。シアワセ社の企業SIN持ち。その時の上司がMr.ジョンソンをしている。

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つぐみ（女・人間） 単発火器を好むノンサイバーのランナーで、アデプト。趣味は釣り。スノホミッシュで扶養家族である妹と一緒に暮らしている。ランナーであることは妹には秘密にしており、表の仕事は農場パート。野外系技能も持っており郊外での任務もこなすことができる。乗り物の運転も割と得意。

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今回は、つぐみのコンタクトであるフィクサーからの依頼。 依頼内容は「ギャング団が企業から新型ドローンに関係する新製品のデータを奪ったので、ギャング団のアジトを急襲し、格納されているハードディスクを回収してほしい」とのこと。 普通の任務なので、とりあえず仕事を受ける二人。

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オークのフィクサーは、ランでカルマを得て「ストリートの評判」を充分稼いだ後に引退した元ランナー。 よって提供されるランも丁寧。ハッカーの仕事により、すでに敵マップまで判明している状況。 「しかし、ちょっと懸念があってな」 「はい？」

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「ギャング団のアジトを目立たないように見張っている連中がいるんだ。ランの障害になるかもしれん」 「確かに」 「不安定要素を減らしたいなら、そっちで調べてみてくれ」 「どんな奴らですか？」 「警戒されるとまずいから概要までしか調べていないが、ネオアナーキストっぽい」 「おや、珍しい」

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「さて、PCの中にネオアナーキストに詳しい人はいるかな？」 「強いて言えば、テロリストの知識ならあります」 「なるほど、ネオアナーキスト＝テロリストではないけど、その性質をもっている団体もあるので概要は知ってるかな。1ヒット買えそうだしね」

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「個人的見解でいえば、ネオアナーキストは弱小政党です」 「企業じゃなくて政府系？」 「国はまだ残っているので政府あるみたい。財源がどうなってるのかよくわからないんだけどね。メガコーポもある程度は税金払ってるんだと思う。シアトルも警察業務を委託してるから、委託用の予算はあるみたい」

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「イメージ的には、独立独歩の荘園（＝第六世界の企業）をたくさん抱えてた時代の国みたいなものかなぁ。土地所有オッケーになったあとの奈良時代みたいなものかね。かなり税収減ってるけど、ゼロになっているわけではない。よって国は存在していて、その中で権力を得ようとする人たちはまだいる」

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ネオアナーキストの主張や行動はさまざま ・国家再建論者 ・テロリスト ・反権力 ・反メガコーポ ・革命家 ・人権団体 「それはポリクラブでは？」 「混じってるのもいると思う。ヒューマニスほど過激ではなく、マイナーな主張をするポリクラブもネオアナーキストに入っちゃうと思う」

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「で、今回のネオアナーキストの団体名は？」 「辺境領警備団」 「うーん、なんだろう。統一アメリカ再建論者系かなぁ」 「第六世界のアメリカは分裂してるものねぇ」 「あるいは自警主義者かな。名前からするとそっちのほうがありそう」

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「フィクサーが、辺境領警備団のマトリックスの連絡先は教えてくれるよ」 「じゃあ、電話しよう」 「田中は話には参加しないでおきますよ。企業出身者がいると揉めそうだから」 「なら、つぐみが基本話すんだね、了解です」

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そして電話 わりと単刀直入に話をしたけれども、交渉の成功数も良かく、「可能なら協力しない？」ともちかけたのもあって、ギャングのアジトを見張っていた理由を聞き出すことに成功。 「ドローンの技術が停滞するのは困るので、抗争とかでデータが壊れるのを防ぐために見張っていたんだ」

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「なんでドローンの技術を気にするんです？」 「今、害獣、特に覚醒害獣が人間の生活領域をかなり狭めているんです。企業が儲からない地域の警備をしないのが問題ですね。都市に人が集中する現在、辺境を警備するのにはドローンの技術の進展が必要なんですよ」 「あ、思ったよりまともな団体だった」

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「我々ランナーはデータを回収するつもりです」 「協力できそうですね、ギャング団の手に死蔵されるよりは技術発展する可能性が高いですから」 「ですね」 「私たちがアジトへの突入のお手伝いをしましょう。車を出します」 「あ、それは助かる」 「その代わりにお願いがありまして……」

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「ギャング団の内部に、私たちの仲間が4人スパイとして入り込んでいるのですが、彼らを倒さないでほしいのです」 「ふむふむ」 「あのギャング団ドローンのデータを盗むだけあって、いい人材がいるんで、乗っ取りたいんですよ。今回スパイが戦闘で活躍すれば、組織内での地位が上がります」

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「逆に、我々がスパイ倒しちゃうと、組織内で侮られてしまうということですか」 「そういうことです。スパイを一人も倒さないでいてくれたら、突入するランナーお1人につき3000新円出します」 「ほぉー！」 「お金が出ると、いいや倒しちゃえって、なりにくいですからね」 「倒しちゃったらパーと」

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「OKです。それで協力しましょう」 「良かったです」 「ところでスパイが潜入しているなら、自分たちでデータ奪取したら良かったのでは？」 「あなた方が来なければそうしていましたね」 「なるほど」 「腕の良いランナーとデータの奪い合いとかしたくないですよ、命を懸けるのは害獣退治で充分です」

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というわけで、手を組むランナーとネオ・アナーキスト。 辺境領警備団は「敵アジトの地図の提供」と「車で強襲し、ランナーをアジト内に運んでくれる援護」の2点を約束。 車が傷つくと修理費がかさむのでランナーたちはありがたいと了承。フィクサーに連絡を入れ、襲撃態勢に入る。

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窓（青いところ）を車でぶち破って、アジト内部への強襲成功。 敵はオークギャング4名、ヒューマンのスパイ4名、エルフギャング4名、ヒューマンの魔法使い2名。プロ意識はいずれも2。グループの中の1名が倒されれば、そのグループは戦意を喪失する。 pic.twitter.com/QHfkUWPL7p

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「オークが良い感じにかたまってますね」 「あそこ銃座なんだ。車に撃ってた」 「銃座の銃って内部に向けられます？」 「危ないからできないようになってるよ」 「そうですか。じゃあ、まず、あそこに火球かなぁ」

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田中が火球をキャスト。 オークたちはあわくって「命がけで走れ！」を選択、火球の範囲外になると思われる部屋まで逃げる。 火球は狙った地点で爆発。オークたちは移動したせいで全員５イニシアチブを失う。ダメージは０だったが、敵の行動を制限するナイスアタック。間接範囲攻撃魔法はここが強い。 pic.twitter.com/G6wF0NSRpc

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つぐみは走っていって、オークのいるを部屋に突入。一気にグループ撃破を狙うが、ダメージが振るわず倒しきれない。 オーク4人に遮蔽なしで撃たれるピンチを迎えてしまう。 pic.twitter.com/J86jZ1iaaJ

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オーク達はスラッグ弾入りのショットガンで、つぐみを射撃。しかし、つぐみもさるもの、エッジを要所要所で使い無傷で射撃の嵐を切り抜ける。 「走行」でもらえるダイスは2個だか、振り足し時も振り直し時も効果がある。走るの大事。

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田中はアストラル知覚を起動。 「どんな感じですか？」 「敵魔法使い達がいる部屋は木の壁に覆われて見えない」 「定番になってきましたね」 「魔法使いは用心するからね。見えないのはそこだけだよ。見える範囲で精霊はいない」 「では知覚を切ります」 「物理世界でペナルティ受けるの嫌だものね」