農水省・原田英男（hideoharada）さん肉用牛の全頭検査を考える

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査①】@福島行の新幹線で寝過ごすとやばいので、ちょっと頭の整理を。セシウム残留牛肉の対応策としての全頭検査を実施するためにはどうしたら良いか、という観点で考えてみましょう。担当は厚労省なので、あくまで私見です。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査②】簡単にBSE検査はなぜ全頭検査できるかのおさらいを。BSE検査は、①オンサイトで(と畜場で)、②一次検査(簡易検査)＋精密検査の組み合わせで、③一次検査は1回に約90頭を検査可能で、④一次検査だけなら4時間程度(90頭分が)で可能。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査③】セシウム検査の場合は①検査場所はと畜場外の別機関(数が少ない)、②一次検査(簡易検査)＋精密検査体制が取れない(精密検査しか評価されない)、③精密検査の場合は1検体／1回で1回に2時間程度必要、なので、検査能力の関係で直ちに全頭検査は難しいという整理。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査④】一方、食肉衛生検査は実施しているので「県内全頭検査」を実行するためには、原則として「県内で出荷する肉用牛は全て県内のと畜場で屠畜できる」体制が必要です。セシウム検査はどこでも実施してくれますが、屠畜は(万が一クロが出たら困るので)引き受けてくれません。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑤】具体的には例えば、福島県は年間33千頭の出荷牛がいますが、県内で屠畜できるのは1割強で、3割程度は東京のと畜場に出荷している実情が。と畜場セシウム検査はしませんが、と畜をすれば検査主体は東京都になるので、暫定規制値を超える可能性の高い牛の搬入は…となる。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑥】そういう制約から福島県の計画では当面は緊急時避難準備区域等は全頭検査、その他の区域は全戸検査、とされているわけです。仮に全頭検査を福島県内で実施するためには、と畜場の処理能力を大幅に高める(処理ライン、冷蔵庫や汚水処理施設の増設、人員増加) 等必要に。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑦】実際にはそのようなハード施設の増加は金も時間もかかるし、各県ごとに県内自立と畜体制を取ると、東京や横浜、大阪のと畜場に牛が集まらなくなるので、現実的には、現在の各県のと畜能力を前提として、セシウム検査を県間協力する体制が必要です。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑧】そのためには、汚染稲わらのリスクが小さい地域では全戸について県内で数頭検査し、全てクリアなら、その農家の牛は従来の出荷先でと畜してセシウム検査をするという体制を取ることが現実的かと思います。各県でのと畜能力・検査能力をアップすることが前提ですが。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑨】その場合でも、現在の検査能力では困難なので、一時的に全てのセシウム検査を牛肉に絞って1ヶ月ほど集中的牛肉検査を行い(1ヶ月なら全国で10万頭強)、おおよその残留状況を確認して、その後の検査は重点県に限定するということも必要かも。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑩】牛肉への一点集中検査は、米の検査が本格化する前に実施しておく必要がありますが、全頭検査を継続して行うためには、いずれにしろ検査能力の大幅アップが必要となります。この検査は、やはりゲルマニウム半導体検査を用いたものである必要があるでしょう。

原田　英男 @hideoharada

【車中考察・全頭検査⑪】それは、暫定規制値未満というだけでは許してくれない消費者が多数いること、今後の暫定規制値の見直しで、更に厳しい規制値になれば、より高い精度を求められるからです。個人的には現時点で全頭検査をやる場合は簡易＋精密検査の組み合わせで十分とも思いますが、参考に。

原田　英男 @hideoharada

精度が低いので～。RT @masab0bu @hideoharada 屠場で枝肉をガイガーカウンターでチェックするんじゃダメなんですかね？それで反応が出たものに関しては精度の高い検査に回す。