- gata_15kaku
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ダンゴムシ尾と野間くん ある朝、目が醒めたら横で眠っていた尾がダンゴムシになっていた話。 前日、突然「もしも俺が死んだら~」て話し始めた尾。野間くんは「そんなこと考えるな」て叱る。これまでにも「突然いなくなったら」とか「出張先で事故に遭ったら」とかネガ発言をする↓
2021-02-21 09:05:35ことがあって、それは尾が寂しくて甘えたい時だって野間くんは分かっているので、その晩は温かい物を食べさせて、お風呂で丁寧に洗ってあげて、手をギュッと握って寝た。エチなことはしない。尾が不安な時にエチにもつれ込むと二人の関係がそれだけが目的のように感じてしまうから。↓
2021-02-21 09:06:03起きたら横に尾がいなくて、部屋にも気配が無い。布団の中がゴソゴソしているので中を覗いたら腕の横に黒い塊が見えた。尾の頭かな?と思って体を引き寄せようとしたら…頭の下が無い?驚いて布団をめくったら生首!?頭くらいの黒い球体があった。 (ギィェーーー!?!?)↓
2021-02-21 09:06:31声にならない悲鳴をあげる野間くん。モソモソ動く球体。 球体が少し解れて端っこがこちらを向いた。 「…のま…さみぃ…」 「ギィェーーーー!!!」 ある朝、目が醒めたら恋人がダンゴムシになっていた。↓
2021-02-21 09:06:58前世ではヒグマにも竦まぬ剛毅の兵だった野間くんも、恋人がダンゴムシになったらそれは驚く。ダンゴムシ本人の尾は茫然自失の状態。 「どうしてこんなことになった?」 「のま、はらへった」 目覚めてから二時間、尾は悩むより生理的欲求を優先させた。ダンコ状態から今はスリッパみたいに↓
2021-02-21 09:07:48伸びていて、少しペシャンコに見える。慌ててネット検索する野間くん。 ダンゴムシは雑食、主に枯葉などを食べるらしい。困ったことに家に枯葉は無い。外へ採りに行くべきか…しかし昨晩一緒にカレーを食った尾に落ち葉を与えるのは抵抗があった。思案しながら検索を続けると、↓
2021-02-21 09:08:31ダンゴムシを自宅で育てている人のホームページにたどり着いた。キュウリやニンジンなどの野菜もOKとある。冷蔵庫には昨日のカレーとサラダに使った野菜が残っていた。野間くんは台所で野菜を小さくカットして皿に乗せ、尾が待つ布団の上に置いた。尾は14本の手を器用に動かし食べ始めた。↓
2021-02-21 09:08:57尾がモリモリ食べている姿を見て安心する野間くん。ツヤツヤの背中をを撫でてやると擽ったそうに少し丸まる尾。 (こうなっちまったもんは、しょうがねぇ。オガタ、俺はどんな姿でもお前のことが好きだ) 野間くんはダンゴムシ尾を育てる決心をした。この二人、案外ノーテンキ。↓
2021-02-21 09:10:00ダンゴムシ尾、個人的にツボったので続けます~ 「ダンゴムシ」が苦手な方は「猫」に置き換えていただけると宜しいかと…猫の日だけに… 結局ダンゴムシのまま週末を野間くんと過ごした尾。あっという間に月曜日、会社を無断欠勤するわけにもいかないので野間くんから↓ twitter.com/gata_15kaku/st…
2021-02-22 12:33:25状況説明をしてもらうことにした。二人はシレッと職場恋愛中。 「風邪とか適当に言っておけばいいじゃねえか」 「いつまでダンゴか分からん。俺が、会社できちんと説明する」 野間くんはダンゴ尾を肩に乗せて写真を撮る。 (二人で写真なんて撮ったこと無かったな…)↓
2021-02-22 12:34:21お互い同じことを考えたけど、何となく気恥ずかしくてそれは言わない。 「オガタ。キュウリとニンジン、あとおやつ。リンゴを剥いたから食えよ」 ダンゴ尾が布団から頭だけ出して頷く。ダンゴ尾の頭をひと撫でしてからアパートを出ていく野間くん。↓
2021-02-22 12:35:01一人になった部屋は静かで、布団の中は暗くて暖かくて少し湿気てて野間くんの匂いがする。平日にこんなにゆっくりするのは久しぶりだなと思う。 トロトロ寝ていたら腹が減ったので、野間くんが用意してくれたキュウリを食べる。キュウリうめぇと唸りながらダンゴ尾は考えた。↓
2021-02-22 12:36:15もしもこれが杉尾だったら? 「オガタ!オガタ!オガタ!どうしてこんなことに!?絶対に何がナンでも俺が元に戻してやる!!じゅぅぅ~~~!」 (元に戻れなかったら心中されそうだ) これが勇尾だったら? 「兄様!なんておいたわしい…。たとえどんな手を使っても必ずやユウサクが兄様を元に↓
2021-02-22 12:38:24戻してみせます!」 (どこぞの研究機関に監禁されそうだ) これが菊尾だったら? 「オガタがダンゴムシ?へぇぇ、いいねぇ。キモかわいいってやつ?」 (クラッチバッグ代わりに夜の店へ連れ回されそうだ) 土尾だったら、牛尾だったら、鶴尾だったら…。↓
2021-02-22 12:39:42きっとみんな心配だの可愛いだの可哀想だの面白いだのと言ってワシャワシャ撫でまわしてくるんだろう。 しかし犬や猫ならいざ知らず、今はダンゴムシなのだ。放っておかれたい時もある。 野間くんの切ってくれた少し茶色くなったリンゴを齧りながら(野間尾で良かったなぁ)とつくづく思うダンゴ尾。↓
2021-02-22 12:41:21…ダンゴ尾と野間くんは気づいていませんが、ポメ◯バースの設定を丸パクリしているので、可愛いだの可哀想だのとチヤホヤされれば尾は人間に戻れます(多分 今日は猫の日ですね…かわいい尾猫が溢れるなか、ダンゴムシですみません…あと、どのカプも私は大好きです…
2021-02-22 12:43:53ダンゴムシ尾と野間くん🍡ナゾのR18編?? すんません💦続けちゃった… ダンゴムシになって一週間、尾が元に戻る気配は無い。野間くんは毎朝ダンゴ尾のために野菜とおやつを用意する。今日はナスとキュウリ、おやつはひとかけのチーズとバナナ。皿に盛り付けてから頭を撫でると機嫌が良さそうだ。↓
2021-02-23 16:53:13「土作り、がんばれな」 今日は金曜日、仕事を終えたら早く帰ってやろうと野間くんは思っている。 電車に揺られながら野間くんは一昨日の晩のことを思い出す。 「のま、いい土つくってやるぜ」 ははぁ、と髪をかき上げようとするダンゴ尾。手が届かないので自然と丸まり、布団から転げ落ちた。 ↓
2021-02-23 16:55:12コロコロ転がるダンゴ尾を片手でヒョイと持ち上げる野間くん。 「気持ちはありがたいがオガタ、土はいらん」 ダンゴ尾の前髪?触覚?がしゅんと下がる。ベランダもない六畳二間のアパートだ。傷つけたくなかったが嘘はつけない。もう寝ようと声を掛けて一緒に布団に入った。↓
2021-02-23 16:56:04ダンゴ尾は不貞腐れたのか、腋の下で丸まったままだった。 深夜、なにやら違和感を感じてぼんやり目を覚ます野間くん。 (…ん?お…、なん、か…う…ん。……うん!?) スウェットズボンの中の異変に気づいて布団を跳ね上げると、↓
2021-02-23 16:57:20勃ち上がった野間くんのノマくんにダンゴ尾がフンスと満足げに寄りかかっていた。 「たった、たった。ノマラがたったぜ」 「何やっとんじゃぁ!」 咄嗟にダンゴ尾を掴み放り投げる野間くん。壁にぶつかり跳ね返るダンゴ尾。ズボンを上げながら慌てて抱き上げた。 「いてぇ…」↓
2021-02-23 16:58:11「オガタ!すまん!てか、何やってんだお前!」 「土いらないんだろ。ほかにできること、おもいつかん…」 野間くんは後悔した。今は片手で持ち上げられる小さな恋人は、いつも少しだけズレている。 (そこが可愛いところでもあるんだが…) 居心地悪そうに身を捩るダンゴ尾を掴み、目線を合わせる。↓
2021-02-23 16:59:08「こんなことしなくていい。オガタ、分かったから。俺のためにいい土、こさえてくれ」 「土、いるか?」 「そうだな…折角だから、なんか植えるか」 そう言うとダンゴ尾が肩によじ登ってきた。 「のま、いい土つくってやるぜ」 そして昨日、仕事帰りにプランターと腐葉土を買ってきた野間くん。↓
2021-02-23 17:00:09