Twitter散文

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@n0n0gi

ある朝。カラスがくれた贈り物の中に一枚の羽根がある事にアグネスタキオンは気付いた。栗毛の少女はそれを拾うと窓枠を通じて日差しに翳して見せた。目を細めて少しだけ名残惜しげに。 「まぁ……それなりに楽しめたよ」 マンハッタンカフェはそれを遠目に見ていた。美しい晴天の日の出来事であった。

2021-05-11 04:07:22
@n0n0gi

「カフェ……君は自身の魅力を分かっていない」 薔薇の様な瞳がいつにも増してギラギラと輝いているーーガチャと音がして自身が教室に閉じ込められた事に気付いた。 「……急にどうしたんですか」 「私はどうもしていないよ。ただ……君がその」

2021-05-11 20:39:19
@n0n0gi

たっ……と蹄鉄が床を蹴り上げる。胸元にあたたかで柔らかな感触がする。背に腕が回されていよいよ逃げられなくなってしまった。 少し背の高い彼女が耳元でささやく。 「……私は君が好きだよ。カフェ」 生暖かい吐息と熱のこもった声音がいやに響いた。私だってアナタの事がーー。

2021-05-11 20:39:19
@n0n0gi

トレーナー君に駄々こねている場面を発見され二人きりになった途端無言で抱きしめられるタキ……「どうしたんだい? カフェ〜〜何か言ってくれないと私には何も分からないよ」「……黙っていて下さい」

2021-05-11 22:38:35
@n0n0gi

髪を梳く手つきが心地良い。見知らぬ他人に触れられるのは苦手だが栗毛の少女に触れられるのは不思議と心地が良い。 「カフェの髪は綺麗だねぇ……」 「……別に。皆さんと変わりません」 「ふふふ。君がそう思っても私には特別な物さ」

2021-05-12 01:40:26
@n0n0gi

唐突に髪を触らせて欲しいーーとアグネスタキオンに言われたのがきっかけで今に至る。 彼女の言う『特別』とは何だろうか? 髪を引く掌を感じながら考える。 「……よし。出来た」 髪が上がる感触がしてポニーテールにされた事に気付いた。 「君のそれを見られるのは私の特権さ」 「……ずるいひと」

2021-05-12 01:40:26
@n0n0gi

ネクタイを引っ張ってキスするシュチュ大好きなので🧪☕️🧪でもして欲しい。 「……タキオンさん」「何だ……んっ」唐突にネクタイを引っ張られて身体がよろめく。唇に柔らかな感触とあたたかな吐息ーー月夜の瞳に映る自身の赤。強引で妖艶な口付けだった。

2021-05-12 03:37:23
@n0n0gi

感謝祭やら何やらでお化粧をしたタキを見て思わずどきっとしちゃう無自覚好意持ちカフェ……ファンと話している姿やタキオン良いよな〜〜的な話し声を聞いて好意に気付いてしまうやつ……が見たいです。

2021-05-12 16:01:38
@n0n0gi

「まだ目を開けてはだめだよ」 普段とは違う声色で言われて耳元が落ち着かない。開けたくても開けられない事を知っていて揶揄う姿が目に見えるようだ。柔らかなブラシの感触が目元を擽る。 「……ほら出来た。目を開けて見てごらんよ。中々可愛いじゃないか」 カフェタキ化粧ネタが見たい。

2021-05-12 18:39:20
@n0n0gi

言われて目を開ける。鏡には普段とは違う自身が居る。 「……」 「感想は」 「……正直、落ち着かない、です」 「だろうと思った。私もあまり得意な方ではないよ。ただ」 じっ……と赤い瞳がこちらを見た。 「これならば君に私の色を入れられる……どうだい? 案外悪い物でもないだろう」 「……ッ」

2021-05-12 18:48:00
@n0n0gi

「カフェ……カ〜〜フェ〜〜私という者が側にありながらコーヒーにうつつを抜かしていていいのかい」 「……コーヒーは冷めます……けれどアナタは冷めないので……その」 「〜〜ッ! 君という娘は本当に」 栗毛の少女は仄かに頬を高揚させ手で顔を隠すように覆ったが腰に付いた尾は高らかであった。

2021-05-15 23:02:31
@n0n0gi

マンハッタンカフェは手にしていたマグカップを置くと徐にアグネスタキオンに近づいてくる。蹄鉄の音と呼吸音心音だけが嫌に響いた。 「顔を隠さないで」 白い手が頬を覆う掌を引き剥がす。熱の籠った視線も顔もどちらのものかは分からない。 「タキオンさん……私はアナタの背を追い続けます、から」

2021-05-15 23:24:38
@n0n0gi

「おや? 珍しい……学園の敷地に猫が居るなんて。もしかして紛れ込んだのかい? 君も中々難儀だねぇ」「猫」「君に似て可愛らしい黒猫だ。態度は君よりも……いや君の方が」「……それ以上言うと怒りますよ」「ハッハッハ! カフェは怖いなぁ!」「……とりあえずはその子をどうするか決めないと」

2021-05-18 01:07:55
@n0n0gi

「なぁに。生徒会の副会長さんは動物が好きだと聞くし心配せずとも大丈夫だろうよ」「そういう、ものですか」「案外感情というのはそういうものかもしれないよ。カフェ……よしよし可愛いね」「あの……その子は私では」「ん〜〜? もしかして嫉妬というやつかい? 興味深いーー是非」「……全く」

2021-05-18 01:19:44
@n0n0gi

栗毛の少女が髪を振り乱し膝の上で転げる。陽光に目を細めつつ青鹿毛の彼女の掌を取ると徐に頬を擦り付けたり顎に触れさせたりしてくる……撫でろという事か。マンハッタンカフェはひとつため息を吐くとアグネスタキオンの頬を撫で付け輪郭をなぞりつつ顎下を擽ってやった。赤い眼が嬉しそうに笑う。

2021-05-20 02:56:44
@n0n0gi

「……ふふふ。擽ったいよ……カフェ」 「アナタがやれと言ったのでしょう……我慢して」 「私はただ君の膝で眠っていただけなんだがねぇ。カフェ〜〜?」 「あまりそういう事ばかり言うと落としますよ」 「……いやいや勘弁してくれ。私が悪かった。君があの猫ばかり構うので……その」 「……はぁ」

2021-05-20 03:07:36
@n0n0gi

「やぁ。カフェ……学園中が君の噂で持ちきりさ。君の言う『あの子』には追い付けたかい」 「……ッ」 マンハッタンカフェはアグネスタキオンに駆け寄ると徐に両腕を掴み壁に押し付けた。長い長い前髪の所為でタキオンには彼女の心理も表情も窺えない「……カフェ?」 掠れた叫びが教室に響く。

2021-05-20 22:25:40
@n0n0gi

「……ッ私は、前を行くアナタに追い付きたかった……あの子に追い付くにはアグネスタキオン……アナタがッ」 「……」 暫しの沈黙。あたたかな手がマンハッタンカフェを撫で付ける。慰めではなく畏敬の念を込めた手付きであった。 「……私も、君と走り続けたかった……全く。運命という奴は非情だ」

2021-05-20 22:25:40
@n0n0gi

透明な視線……カフェが熱い視線を寄越している事に気付いているタキもタキでカフェの事めちゃくちゃ気にしているのでもう二人の関係性を応援したいだけのモルモットになっちゃった。

2021-05-25 00:56:35
@n0n0gi

「おはよう。カフェ」「……んぅ」栗毛の少女が寝起きのしゃんとしない声色で傍の少女に言う。青鹿毛の髪をした彼女は目を瞑ったまま小さく呻くばかりで少女ーーアグネスタキオンは小さく笑って絹の様な髪を一撫でした。耳が跳ね尾が高く揺さぶられて曖昧な意識ながらも反応が来る。

2021-05-25 02:36:50
@n0n0gi

「……カフェ〜〜朝だぞ〜〜」 ただ呼びかけても少女は尾を振るばかりで起きてくれはしなかった。仕方なし……とベッドを抜け出そうと半身を起こす……ががしりと二つの細い腕が腹に巻き付いてきて動けなくなってしまった「……いかないで」か細く甘い声が耳につく「……ッ。はぁーっ君という娘は」

2021-05-25 02:36:50
@n0n0gi

パワーで彼女に勝てる訳もなく……それでもどこか嬉しげに少女は布団の中へと戻った。 「よしよし。カフェは可愛いねぇ」 「……べつに……かわいくは、ありません」 少しだけ低い体温と少しだけ高い体温が交じり合って心地いい。 目を瞑ると芝の香りがする。ずっと彼女と走れたらいいと思う。

2021-05-25 21:28:08
@n0n0gi

時折ではあるがタキオンさんとお酒を交わす習慣がある。彼女も私もアルコールに強くはないのでリキュールを牛乳で割ったり度数の低い缶チューハイを開けるだけだけれどゆったりとした時間は心地が良い……ただ彼女の酒癖は悪く酔いが回ると普段以上に甘えたになってしまうので少しだけ困ってしまう。

2021-05-25 22:50:24
@n0n0gi

「カフェ……カフェ……私は君の事が好きだ」……ほら今も私の髪に触れて甘ったるい声色でそのまま口を付ける。 「タキオンさん……これ以上は呑まない方が」 「え〜っ!! 君と酒を交わす時間が私の癒しなのにカフェはそんな残酷な事を言うのかい」 「……」ああ……全く。

2021-05-25 22:50:24