GS系まとめ

兄弟組・青春組メインっぽいよ
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椎葉 @siiba66

琉夏への3つの恋のお題:①目隠ししようか/②駅の改札口で待っていて/③死にそうに幸せ

2011-10-01 19:06:25
椎葉 @siiba66

【①】「――はい?」金髪の綺麗な幼馴染が発した台詞に、一瞬時が止まった。当の本人は、普段殆ど使われない制服のネクタイを両手で握って、それはそれはいい笑顔。「大丈夫大丈夫、怖くないよー」「えっえっ意味が分からないっていうかルカ笑顔が怖い!」バカップルの攻防戦の勝敗は、神のみぞ知る。

2011-10-01 19:09:23
椎葉 @siiba66

【②】「…うっわ」携帯のアラーム音が鳴らなかった。おまけに昨夜は臨時バイトで疲れ切っていて、バイブ程度じゃ起きられなかったようだ。時刻は、待ち合わせ15分前。考えるより先に身体が動く。彼女の事だ、きっともう着く頃に違いない。とにかく急ごう。寝癖のついたままの金髪がさらりと揺れた。

2011-10-01 19:14:56
椎葉 @siiba66

【③】「――俺、今なら空飛べる気がする」愛しい愛しい彼女を後ろから抱きすくめて、琉夏は溜息と共に呟いた。卒業と同時に引っ越した家は酷くボロいけれど、そんな事はどうだっていい。やっと彼女を手に入れたのだ。「大げさだよ、ルカ」「大げさじゃないよ。スゲェ幸せだもん、俺」もう、離さない。

2011-10-01 19:17:44
椎葉 @siiba66

@Hibiki0510】気づいたのは1年目の秋だった。「…あれ、嵐くんって眼鏡かけるんだ」「…ん、ああ。黒板見づらいから、授業中だけな」「へー…」「何だよ」なんというか、新鮮だ。新しい顔を見つけたみたいで、少し嬉しい。「似合うね」「そうか?」こういうのが、同じクラスの特権。

2011-10-01 22:45:53
椎葉 @siiba66

@kiyo_mr】音楽の良し悪しなんて私には分からないけれど、先輩のピアノは好き。そう言ったら、変な顔をされた。照れ隠しの顔だ、なんて分かっていても怒らせるから言わない。代わりに心の中だけで思っておく。そして優しいピアノの音に浸って、想う放課後。この人の音が、――先輩が、すき。

2011-10-03 18:00:15
椎葉 @siiba66

@youccoo】幼馴染と後輩というハンデは、天と地ほどあると思う。一足出遅れた放課後、綺麗な金髪の彼と並んで笑う彼女を眺めて。その壁を越えさせるのがまた彼だ、っていうのが悔しいけれど。笑う目線だけを寄越す彼に負けたくない、と思った。「セーンパイっ!一緒に帰りましょー!」

2011-10-03 18:13:27
椎葉 @siiba66

@fm_kfg8】釣り合わない。そんなこと、自分が一番よく分かっていた。彼女は眩しくて眩しくて、こんなふうに話せるようになることさえ奇跡に近い。分かっているのに。「……いつからこんなに欲張りになったかな」もっと近づきたい。触れたい。頭を抱えたくなるくらい、自分の想いが痛かった。

2011-10-04 18:52:02
椎葉 @siiba66

@ntsn_a】「もうちょっと大人になりなよ」そう言えば、彼は拗ねたような顔をする。それが可愛くて頬をつつけば振り払われるのだけれど、やめられない。「ねえセイちゃん」「…その呼び方は嫌いだと何度言ったら聞いてくれるんですか」「聞かなぁい」子どもみたいな表現方法は、私も同じ。

2011-10-04 21:19:04
椎葉 @siiba66

@kiyo_mr】たったひとつ。それを決めてしまうことの怖さを、何よりも知っていた。あまりにも不安定な弟を、間近で見てきたからかもしれない。それでも、「――美奈子、」そんなもの全てを振り払っても、欲しいと望んでしまったたったひとり。それが鍵だというならば、小さな桃色の花を手に。

2011-10-04 21:21:30
椎葉 @siiba66

@ntsn_a 「残念だなあ」「何がです」もうすぐ春、夕暮れの音楽室。毎日顔を出しては、彼のピアノを聴いていた。けれどそれも残り僅かだ。「まあ、その内また聴けるだろうけど」「…俺はもう、」「魅せられた物から逃げるなんて、君には無理だよ」それは確信。拗ねた彼の頬を、笑ってつついた。

2011-10-10 23:20:47
椎葉 @siiba66

@scarecrow5121 柄じゃないと思いながらも、恋心を自覚するずっと前から、そればかり考えていた気がする。「今度の日曜、暇か?」手にするのは、大して興味もない宝石展の招待券。『オマエが好きだから』なんて口には出さない。オマエが笑うなら、それでいいから――なんて、もっと。

2011-10-17 23:20:01
椎葉 @siiba66

@scarecrow5121 不意に読んでいた雑誌が消え、代わりに目の前には美奈子の顔。膝の上に乗った彼女は俺の肩に手をかけ、微笑んで。「コウちゃん」即ち『構え』の合図。うちの姫君は時々酷く我が侭で、けれどそれが心地好い自分はきっと重症だ。その笑みに応えるように、キスを落とした。

2011-10-18 15:03:31