マスター・オブ・パペッツ #4

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ニンジャとは】 ・異能の存在 ・キンカク・テンプルから降りてきたニンジャソウルと憑依融合することで突然ニンジャになる ・昔は修業してなるものだった ・昔のニンジャが死後ニンジャソウルになった 【なぜ突然ニンジャになる?】 ・インターネットで世が乱れているので

2021-06-08 21:00:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【シーズン4あらすじ】 カナダを支配していた明智光秀が「ニンジャスレイヤー」という謎の存在に倒された。邪悪なる神話ニンジャ達にとって、これは注目に値する出来事であった。 彼らはニンジャスレイヤーを物珍しき狩りの獲物に定め、傲慢なる遊戯「ストラグル・オブ・カリュドーン」を開始した。

2021-06-08 21:03:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【シーズン4あらすじ】 ニンジャスレイヤーを狩るべく、ネオサイタマに送り込まれるニンジャたち。無論、黙って獲物に甘んじるニンジャスレイヤーではない。彼は狩人コンヴァージ、狩人ベルゼブブを逆に倒し、そのたび、儀式を執り行う古代ニンジャ達を激しく挑発した。恐るべき儀式は続く……!

2021-06-08 21:06:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【判明しているルール】 ・ニンジャスレイヤーに「狩」の呪いを刻み、獣に強制設定 ・獣と同時に戦う狩人は一人のみ。毎回オミクジで定める ・星辰が満ちれば戦闘開始。超自然の鐘の音が鳴り、選ばれた狩人と獣は互いに強く結びつき、互いの居場所を知覚できるようになる ・日の出がタイムリミット

2021-06-08 21:09:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【今回のあらすじ】 狩人マークスリーはカタナ・オブ・リバプール社のバイオホムンクルスの美少年であり、邪悪なる神話ニンジャ「ギャラルホルン」によって選出された狩人である。彼はニンジャスレイヤーと繋がりの深い場所としてピザタキを発見。探りを入れるが、宴に巻き込まれたのであった。

2021-06-08 21:12:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

明け方のネオサイタマ、ピザタキの窓の外、キタノの薄汚れたストリートでは、よく肥ったバイオドブネズミが投棄ゴミに群がり、それらを狙うバイオスズメが電線に群がって、チュンチュンと鳴き声を発していた。店内においては酒気を帯びた重だるい空気の中、床やテーブルで寝る客の寝息とイビキだ。 1

2021-06-08 21:18:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グオゴゴゴ、ガオゴゴゴ」ウシミツ・アワー頃に入ってきたシスターD3のイビキと、基板屋のピョンヤマの歯軋りがミニマルなビートを形成し、「だからアタシは言ったんだよ……」レッドハッグの寝言が真に迫るなか、マークスリーは埃の舞う店内で頭を動かした。そしてハッと息を呑んだ。 2

2021-06-08 21:23:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

啓示的な光景であった。コトブキは窓際の安楽椅子に座り、手を組んで、穏やかに眠っている。斜めに差し込む光が彼女の輪郭を柔らかく浮かび上がらせている。マークスリーは声にならぬ呻きをあげ、打ちのめされたように立ち尽くした。だが神秘的瞬間はすぐに終わる。彼以外に起きている者が一人いた。 3

2021-06-08 21:25:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーはカウンター席で腕組みして座り、マークスリーを見ていた。マークスリーは怯まず、睨み返した。カッ。カッ。カッ。カッ。ひととき、寝息やイビキが静まり返り、柱にかかった骨董時計の音だけが鳴っていた。互いに交わす言葉はなかった。マークスリーは埃を払い、出口に向かった。 4

2021-06-08 21:29:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは動かず、マークスリーを目で追った。マークスリーは戸口で立ち止まり、口の端を歪めて挑戦的に微笑んだ。振り向きざまに、彼は床に叩きつけるように投げ捨てた……己の白手袋を。ニンジャスレイヤーは席を立ち、手袋を拾い上げた。マークスリーは言った。「次の相手は僕だ」 5

2021-06-08 21:33:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの手の中で、白手袋は赤黒く燃焼し、たちまち炭化した。マークスリーは窓際で眠るコトブキを一度見た。そして、ベルを鳴らさぬよう、奥ゆかしくゆっくりとドアを開け、しめやかに出て行った。 6

2021-06-08 21:35:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

高級住宅街タケミチノウエ・ディストリクトの植樹された坂がちな石畳を入っていった先に、カタナ・オブ・リバプールの所有するカテドラル・データセンターはひっそりと佇む。入り口にはカタナ社の武装社員が二人組でプラズマ銃剣を構え、警備にあたっていた。彼らはマークスリーを見咎めた。 8

2021-06-08 21:39:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「キミ、どこの……」「ア……」警備員はマークスリーの美しい顔を見てまず顔を赤らめ、それから、網膜ディスプレイに表示された「不可侵」「シャナイ」という畏れ多き文言に怯んだ。マークスリーは彼らに冷たい一瞥をくれ、門扉を通過した。石造りの建築物は英国からそのまま輸送した物だ。 9

2021-06-08 21:42:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

荘厳で奥ゆかしい外観を持つカテドラルは、実際カタナ社のハイテクノロジーを内包しており、その名の通りデータセンターとしても役立てられていた。礼拝堂ではステンドグラスを前に祈り続けるネオサイタマ市民が数名いた。マークスリーは彼らを流し見た後、告解室に足を踏み入れた。 10

2021-06-08 21:49:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

四角い闇が彼を受け入れると、UNIXライトの脈動がたちまち取り囲んだ。マークスリーの美しい瞳に緑の光が反射し、神秘的反響を伴う声が彼を迎えた。マークスリーのニューロンがチリチリと反応した。『変わりはなくて?マークスリー=サン』「勿体なきお心遣いを。偉大なるエリザベートCEO陛下」 11

2021-06-08 21:53:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

電子の無限地平が広がり、そこには彼が敬愛してやまないKOLのCEO、エリザベート・バサラ陛下と、奥ゆかしく腰掛けた彼女に日傘を差す老紳士、バトラーの姿があった。そしてその横に立ち、マークスリーにいやらしく笑いかける三人目。リアルニンジャのコンサルタント。ギャラルホルンである。 12

2021-06-08 21:57:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マークスリーが本国に報告を行う場合、KOLとギャラルホルンは常に同時接続状態にあった。互いにマークスリーに対する排他的通信を行わず、透明性を確保する為だ。『ドーモ、マークスリー=サン。白磁めいたその美貌には一点の曇りも……ムフ……無いようで、なによりであるな』「……ドーモ」 13

2021-06-08 22:02:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『変わりなく……いや、むしろ、日々成長していると言えるかな?三日会わなければ子供も大人、ミヤモト・マサシのコトワザにそういうのがありましてな。クキキ……頼もしい限りよ。通信を通しても確かに伝わるぞ、貴公の好ましい……成長が』『状況の報告をしなさい』エリザベートCEOが促した。 14

2021-06-08 22:05:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「首尾は完璧です」マークスリーは、やや勢い込んだ。敬愛するエリザベートCEOに対し、全力で己の有用性をアピールしたいのだ。「すべては私(わたくし)の推察通りでした。キタノ・スクエアの店舗、ピザタキ……かの地に、ニンジャスレイヤーは実際関係を持っております。協力関係を」 15

2021-06-08 22:09:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『ふむ』「私は彼らの抱えたトラブルの解決に敢えて手を貸し、信頼を得ました。そのうえで、彼奴らの状況を詳らかに確認致しました」マークスリーは乾いた唇を舐めて湿らせた。彼の脳は電子化されておらず、視聴覚記憶のアップロード共有などは為されない。彼はCEOに嘘をつくようには出来ていない。 16

2021-06-08 22:14:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『トラブルの解決?そのような判断を貴方自身で行い、行動したわけね?』「左様でございます」頷きながら、即座に褒めてもらえなかった事を不安に思った。エリザベートCEOは全知全能であり、マークスリーの素晴らしき力を誰よりも深く理解している筈なのだ。『クキキ……的確な判断だ。素晴らしい』 17

2021-06-08 22:18:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「今回の決闘にあたり、私が懸念していたのは敵方に援軍が出現する可能性……」『決闘とは?』「狩りです、CEO陛下」マークスリーはわかりやすく言い直した。ギャラルホルンが助け舟を出した。『詩的な表現だ。実際、彼の知能指数の卓越を示している』『今は私が彼と話をしている』『クキキ……』18

2021-06-08 22:24:17