第四話

＿＿＿の箱庭 @kami_bake

精緻な工芸品の様だ。

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だからこそ決して粗末にしてはいけない。

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傷一つつけては許されない。

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毛一本触れさせてはならない。

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人間は素晴らしい生き物だが、我らにとっては自我を持つ肉塊に過ぎず、それでも私は君達を愛したいから、だからどうかそれ以上踏み込まないで欲しいと切に願う。

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壊れ物に触れるように…と、君達も言うだろう?

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だから、“祈りを捧げる”。

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私は君達に、そう在って欲しいから。

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「…私の名は、シナー。シナー・ブレス。 月の神だよ……君が信仰していた"彼"と同じように。」

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神父の黒く開いた瞳孔を真っ直ぐに見つめる。

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それはもう自分に向かって穏やかに笑いかけてくれることは無いが、それさえも"愛しい"と思うのだ。

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花の咲いた屍を、そして教会を後にし、外の空気を静かに吸う。

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そして彼は身を翻し、胸に手を当て、恍惚としながら遥か上を見上げて。

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「………ふ。…ふふ。ふふふふふ！」

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その姿は、澄み渡る赤い空を背に微笑う月下美人か。

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「君を愛するのは私だけで充分だ！そうだろう！？」 pic.twitter.com/BhNkS1EvLZ

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それとも、命を貪り凡ゆる万物を嘲笑う心的に盲目な獣か？

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真に神のみぞ知ることなれば。

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