マスター・オブ・パペッツ #6

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」投げ飛ばされ、叩きつけられかかったニンジャスレイヤーは足場を蹴り、反動で高く跳ねた。危うく下へ転落しそうになるが、空中からフックロープを繰り出して縁を噛ませ、すんでのところで戦場に復帰した。彼らは互いを睨んだ。マークスリーはイゾルデのプラズマを消し……鞘に納めた。46

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの眉が動いた。マークスリーは敵の状態を見る。斬撃によって複数の有効打を与えた。一方、これ以上カタナを用いれば、至宝を破壊されかねない。……マークスリーは足元をザッザッと払い、深く息を吸い込んだ。「……スウーッ……」　47

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

たちまち、深く深く吸い込んだ息が全身を巡り、バイオホムンクルスとして生まれ出た彼の細胞内のミトコンドリアが白く輝き始めた。「……ハアーッ……」息を吐き出す。口は閉じたままだ。腹式の鼻呼吸。喉では独特の摩擦音を立てる。口を開いた呼吸法は無作法であり、バトラーに鞭で叩かれる。　48

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……スウー……ハアーッ……」マークスリーは呼吸を深める。彼の陶磁器めいた肌が内なる輝きを発する。カラテが高まってゆく。一方のニンジャスレイヤーは再び前傾姿勢を取っていた。彼もまた、深く息を吸い込み、そして、吐き出した。「スウーッ……フウーッ……！」　49

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ジゴクのフイゴのように取り込まれる空気が、邪悪な炉のようなニンジャスレイヤーの身体を焼きながら巡っているさまを、マークスリーは見て取った。ニンジャスレイヤーは震えていた。だがそれは恐怖や苦痛によるものではなかった。異常な力の漲りが堰き止められて今にも爆発しようとしているのだ。　50

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マークスリーは訝しむ。ニンジャスレイヤーの呼吸は、どこか似ている……だが、似て非なるもの。あれは違う。そして嫌悪をおぼえる。なんとイビツな存在であろう。ゆえにこそ、獣か。「スウー……ハアーッ！」マークスリーは黒炎を前に、己を白く輝かせる！英国式チャドー呼吸の力によって！　51

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【続く】